香川県と岡山県の中間あたりに位置する、瀬戸内海の小さな離島「豊島(てしま)」。森と水が豊かな森林浴向きの島で、近年は「アートの島」としても人気を集め、国内外から多くの観光客が訪れています。そこで今回は、「緑豊かな空間の中で癒されたい」という方におすすめのスポットをご紹介していきます。
香川のみどり百選「スダジイの森」
豊島の中央にそびえる標高339mの壇山(だんやま)の中腹にある、イチオシの森林浴スポットが「スダジイの森」です。
『香川のみどり百選』に選ばれた森で、これほどまとまったスダジイの群生が見られるのは島嶼部では豊島だけといわれています。一歩足を踏み入れるとそこは、やわらかな木漏れ日がキラキラと降り注ぐ幻想的な世界。「トトロの森」という愛称でも親しまれている、癒しの森です。
中には樹齢250年と推定される大木もあり、太古の時代にタイムスリップしたかのような雰囲気が味わえます。
- 住所
- 香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃
- アクセス
- 「土庄港」から「唐櫃港」まで小豆島フェリーで約30分
- 電話番号
- 0879-68-3135(豊島観光協会)
神聖な湧き水「唐櫃の清水」でリフレッシュ
「スダジイの森」で森林散策をする際、ぜひセットで立ち寄りたいのが、檀山の麓にある「唐櫃(からと)の清水」。昔、ここを訪れた弘法大師が地面を掘ったときに湧き出た水と言い伝えられており、「霊泉越水」とも呼ばれています。
湧き水は今もこんこんと湧き出ており、これは豊島に森林が多く、保水効果が高いためだそう。四季を通じて水温が変わらず、綺麗な美味しい水として地元の人や観光客から愛されている名水です。森林散策で乾いた喉を潤しに訪れてみてはいかがでしょうか?
- 住所
- 香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃
- アクセス
- 土庄港から唐櫃港まで小豆島フェリーで約30分、ローカルバスで「清水前バス停」下車すぐ
- 電話番号
- 0879-68-3135(豊島観光協会)
森とアートの調和が美しい「豊島美術館」
豊島は近年、フォトジェニックな「アートの島」としても人気を集める観光地です。中でも自然とアートの調和が美しいのが、唐櫃地区の小高い丘に建設された「豊島美術館」。広大な敷地の一角に、一滴の水が地上に落ちた瞬間を想起させる形で佇んでいます。
豊島美術館はアート作品はもちろん、美術館へとつながる遊歩道も見所の一つ。敷地内の植栽は全て豊島内に自生する雑草群で構成され、棚田の風景を眺めながら遊歩道を巡ることで、土地が持つ美しい風景と歴史を感じられます。
- 住所
- 香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃607
- アクセス
- 「唐櫃港」から徒歩約15分
- 電話番号
- 0879-68-3555
- 開館時間
- 【3月1日〜10月31日】10:00〜17:00(最終入館16:30)、【11月1日〜2月末日】10:00〜16:00(最終入館15:30)
- 休館日
- 【3月1日〜11月30日】火曜日、【12月1日〜2月末日】火曜日〜木曜日(※祝日の場合は開館、翌日休館。月曜日が祝日の場合は火曜日開館、翌水曜日休館)
- 鑑賞料金
- 1,570円(※15歳以下無料)
木漏れ日の中のアート作品「ささやきの森」
豊島美術館の魅力あるアートは館内だけに留まりません。檀山の中腹付近の森林にある、「ささやきの森」はイチオシの作品。森の中、400個の風鈴が風に揺れ動き、静かな音を奏でるインスタレーションです。風鈴の短冊には、これまでに訪れた方の大切な人の名前が記されています。
一面の緑、やわらかい木漏れ日、風になびく風鈴の音…豊島でしか体感できない、癒しのひとときが送れることでしょう。
- 住所
- 香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃1771
- アクセス
- 「唐櫃港」からバスで約3分、「唐櫃岡集会所前」バス停から徒歩約25分
- 電話番号
- 0879-68-3555(豊島美術館)
- 開館時間
- 9:30〜16:30
- 休館日
- 【3月1日〜11月30日】火曜日、【12月1日〜2月末日】火曜日〜木曜日(※祝日の場合は開館、翌日休館。月曜日が祝日の場合は火曜日開館、翌水曜日休館)
- 鑑賞料金
- 無料(※風鈴の短冊にご自身の大切な方のお名前を登録する場合、登録料5,000円)
神秘的な緑の空間のモニュメント「トムナフーリ」
緑の中でリラックスしたい方におすすめのもう一つの作品が、「トムナフーリ」。家裏港から電動自動車で約20分のところにある、沼の中のモニュメントです。
「トムナフーリ」とは、古代ケルトにおける霊魂転生の場であり、この場所で魂は次の転生までの長い時を過ごすと考えられています。「古代の人類があらゆる場所でスタンディングストーン(石柱)を建立していた」という史実から、生と死を象徴するこの現代アートが作られました。
鬱蒼と生い茂る木々、緑色に染まった神秘的な沼と見事に調和したアートは、観る人の心に響くものがあります。夜間鑑賞ではLEDで光る石柱が見られ、幻想的な雰囲気に。
- 住所
- 香川県小豆郡土庄町豊島家浦字虻37
- アクセス
- 「家浦港」から電動自転車で約20分、バスで7分(「森万里子作品前」バス停で下車)
- 電話番号
- 0879-68-3555(豊島美術館)
- 開館時間
- 10:30〜16:30
- 休館日
- 【3月1日〜11月30日】火曜日、【12月1日〜2月末日】火曜日〜木曜日(※祝日の場合は開館、翌日休館。月曜日が祝日の場合は火曜日開館、翌水曜日休館)
- 鑑賞料金
- 300円(※15歳以下無料)
日本の原風景に出会える「唐櫃の棚田」
豊島を訪れたなら必ず見ておきたいのが、豊島美術館の目の前にある「唐櫃の棚田」。2010年、豊島美術館の開館と瀬戸内国際芸術祭の開催に合わせ、地域住民と行政の手で復元されました。
瀬戸内海を望む約9ヘクタールのなだらかな斜面に、約270枚の棚田が広がっています。晴れた日は青い海と緑のコントラストが美しく、秋には黄金の稲穂が神々しく輝く絶景が待っています。
おすすめの鑑賞時期は、水田に水をはった6月頃と、稲穂が頭をたれる11月頃。高台から見渡せる棚田の眺望は、稲作で栄えた日本の原風景を思い起こさせ、ノスタルジックな雰囲気に溢れています。
- 住所
- 香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃
- アクセス
- 「土庄港」から「唐櫃港」まで小豆島フェリーで約30分
- 電話番号
- 0879-68-3135(豊島観光協会)
おわりに:緑が美しいオシャレな「豊島」で、ゆったり癒しの島巡りを
「豊島」はその名の通り、森林、水、アート、絶景など様々な見所に溢れる豊かな島です。瀬戸内海への旅行を検討中で、「オシャレで神秘的な写真が撮りたい」「緑の世界の中ゆったり癒されたい」という方はぜひ豊島を訪れてみてはいかがでしょうか。
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