県庁所在地でありながら時計台、すすきのなど観光地も有する札幌を旅するなら、近隣の温泉で体を温めながら行くのがおすすめです。
そこで今回は、札幌観光と一緒に楽しめる近郊の温泉施設を、それぞれの特徴と一緒に紹介していきます。
南区 定山渓ホテル:歴史ある名湯とイルミネーションスポットをお散歩
まずは南区から「定山渓(じょうざんけい)ホテル」を紹介します。定山渓ホテルは、1866年に北海道で活動していた僧・美泉定山(みいずみじょうざん)によって発見された定山渓温泉にあり、元湯とされるホテルです。
泉質・効能
かつては定山渓鉄道が通り、札幌の奥座敷と表現された定山渓温泉では、以下の泉質・効能を持つ温泉と一緒に自然が作り出す北海道の雄大な景色を楽しめます。
- 泉質
- ナトリウム塩化物泉、中性低張性高温泉
- 効能
- 神経痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、打ち身、くじき、痔、慢性消化器病、疲労回復、健康増進、虚弱自動、慢性婦人病、冷え性、切り傷、やけど
宿泊客は午前5時~翌1時まで、日帰り入浴客は午前11時~16時まで入浴可能な定山渓の入浴設備は、時間帯によって入れ替わる大浴場・中浴場の2つです。
大浴場の概要
- 内湯には大きな窓からの景色を楽しめる大きな浴槽、寝湯、サウナ、プール風浴槽、すべり台などがある
- 渓谷、渓流を望む露天風呂あり
中浴場の概要
- 内湯として檜風呂、ジェットバス、サウナなどを備える
- 大浴場とは風情が異なる、岩風呂の露天風呂あり
夜には、定山渓温泉全体にライトアップを施し、昼間とな違った幻想的な景色の中で足湯や散策、岩戸観音堂の拝観、写真撮影ができるイベント「湯けむりルミナ」も楽しめます。
新千歳空港からなら、空港のバスターミナルから定山渓まではおよそ100分。電車とバスを併用する場合は、まず快速エアポートで40分、その後札幌駅からは直行バス・かっぱライナーでおよそ1時間で定山渓温泉まで行くことができます。
中央区 すすきの天然温泉 湯香郷:好アクセスで市内観光にぴったりの宿
中央区からは「すすきの天然温泉 湯香郷(とうかきょう)」を紹介します。繁華街にありながら、入館手続きする時間や利用プランにより、日帰りでも宿泊でも温泉入浴を楽しめます。利用料金にはタオルやシャンプーなど入浴に必要なもの、そして館内着である浴衣のレンタル料金まで含まれています。
プランごとの料金を支払うだけで浴場や食事処、休憩所などすべての館内施設を利用できるようになるので、札幌市街の観光ついでに気軽に温泉入浴を楽しめますよ。
地下800mから汲み上げる温泉施設は建物の3階にあり、内湯として禅の湯とも呼ばれる白湯、ジャグジー、サウナ、そして露天風呂を備えます。檜造りの露天風呂からは、北海道随一の大都会にいながら空を見上げ、開放的な入浴体験をすることができますよ。
泉質・効能
湯香郷で入浴できる温泉の泉質・効能は以下の通りです。
- 泉質
- ナトリウム塩化物、弱食塩泉
- 効能
- 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔、冷え、疲労回復、健康増進、切り傷、やけど、慢性皮膚病、慢性婦人病、虚弱
大浴場横には広い脱衣所、化粧水やメイク落とし、歯磨きセットも設置されたパウダールームもあるため、必要なものは替えの下着くらいでしょう。
新千歳空港から、また地下鉄・すすきの駅からのアクセスと所要時間は以下の通りです。
新千歳空港から
電車の場合
- 空港地下・JR新千歳空港駅発、快速エアポートでJR・札幌駅へ
- 所要時間はおよそ36分
バスの場合
- 新千歳空港バスのりば「ANA側22番」「JAL側14番」から乗車
- 中島公園(南8西3)まで、所要時間はおよそ80分
地下鉄南北線・すすきの駅から
- 3番、または4番出口より歩いておよそ5分
- 駅前通り沿いを中島公園の方へ歩いていくと、左手に見えてくる
地下鉄・すすきの駅から近く、札幌市内の他の観光地からのアクセスが良いのもうれしいポイントですね。
東区 モエレ天然温泉 たまゆらの杜:無料送迎バスあり!生薬配合の薬湯でリラックス
東区から紹介するのは、内湯・露天風呂あわせて計10種類ものお風呂を楽しめる「モエレ天然温泉 たまゆらの杜」です。
たまゆらの杜で楽しめる10種のお風呂
- 天然温泉
- 露天風呂
- 薬湯風呂
- 水風呂
- バイプラ風呂(泡風呂)
- 電気風呂
- 根風呂
- 子ども風呂
- 遠赤外線塩サウナ
- 遠赤外線高温サウナ
東屋を配した純和風の露天風呂ではさわやかな外気と天然温泉を、細かな泡を含ませたお湯に浸かるバイプラ風呂では、体のこわばりが緩和されるのを感じられるでしょう。
たまゆらの杜の薬湯、配合と効能
たまゆらの杜で天然温泉と並ぶ健康効果・効能を期待できるとしてすすめられているのが、10種もの生薬と校了を配合した薬湯風呂です。
たまゆらの杜特性の薬湯に配合されている成分、期待できる効果・効能としては以下が挙げられます。
- 配合生薬
- ケイヒ、ショウガ、カンゾウ、ウイキョウ、バンショウ、ベニバナ、ヨモギ、ソウジュツ、トウキ、クチナシ
- 期待できる効能
- 保温・保湿・発汗作用による疲労回復、冷えの改善、肩こりや神経痛、腰痛、リウマチの解消、くじきとうちみの治癒促進、湿疹や肌荒れの改善
たまゆらの杜へは、2路線ある無料送迎バスのうち、いずれかで行くのが便利です。
無料送迎バスの2路線
- 篠路(しのろ)、太平経由地下鉄麻生(あさぶ)、栄町線
- 札幌駅経由地下鉄北24条、東区役所、伏古線
どちらの路線も札幌駅を経由するので、時刻表を見て札幌駅でバスを待っていれば、たまゆらの杜の送迎バスを見つけられるでしょう。
また、たまゆらの杜で温泉入浴するなら、その前に施設名の一部にもなっている近隣の観光地「モエレ沼公園」に行くことをおすすめします。モエレ沼公園は、ごみ処理場の跡地に「環状グリーンベルト構想」の一環として作られた総合公園です。
- 環状グリーンベルト構想とは
- 札幌の市街地を、公園や緑地の帯で包み込もうという計画
- モエレ沼公園は計画の一環として1982年に着工、2005年にグランドオープンに至った
世界的に有名な彫刻家であるイサム・ノグチが「全体をひとつの彫刻作品にする」というコンセプトで手掛けた公園内には、幾何学形態の遊具、山、噴水が配置されています。一方で、冬にはクロスカントリーやスキーを楽しめる機能も併せ持っているので、各季節に訪れて自然とアートの融合を楽しんでください。
豊平区 つきさむ温泉:美肌の湯や見晴らしのいい露天風呂を堪能
続いて紹介するのは、豊平区で以下泉質・効能の温泉入浴を楽しめる「つきさむ温泉」です。
泉質・効能
つきさむ温泉の効能は以下の通りです。
- 泉質
- アルカリ性単純温泉
- 効能
- 切り傷ややけど、皮膚炎や皮膚病などの改善、美肌
温泉のなかでも特に体への刺激が少なく、皮膚表面の皮脂を溶かし肌を柔らかくする美肌の湯であるのが、つきさむ温泉の泉質の特徴です。男湯・女湯それぞれに源泉かけ流し風呂、檜風呂、大浴槽、寝湯、水風呂、サウナのある内湯、そして屋根付き・屋根なしの岩風呂の露天風呂が各1つずつ備えられています。
なお、源泉かけ流し風呂以外にはアルカリ性低張性冷鉱泉に加温した別の泉質の温泉や、井戸水を温めたお湯を使用しているため、異なるお湯の感触を楽しめます。
また、つきさむ温泉では、お風呂と一緒に2階レストランで食べられる食事もぜひ楽しんでほしいです。実はつきさむ温泉の運営会社は、北海道・関東を中心にチェーン展開する和食レストラン「とんでん」のグループ会社のため、つきさむ温泉でも、とんでんと同じ食事メニューを食べられます。
イクラやカニ、サーモンなどが乗った北海道らしい「オホーツク丼」も注文できるので、道民に親しまれるレストランチェーンの味をぜひ温泉と一緒に味わってみてください。
厚別区 森林公園温泉 きよら:日帰りモール温泉でしっとり美肌
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厚別区からは、「森林公園温泉 きよら」を紹介します。
泉質・効能
きよらで楽しめる温泉の泉質・効能、特徴は以下の通りです。
- 泉質
- ナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉、低張性アルカリ性温泉
- 効能
- 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔、冷え、疲労回復、健康増進、切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱
なおきよらは温泉旅館ではなく、日帰り専門の温泉入浴施設のため、日帰り入浴のみの利用となり、宿泊することはできません。
入浴施設である公衆浴場・家族風呂は、それぞれ以下の営業時間内に利用しましょう。
利用可能時間
- 公衆浴場の場合
- 午前11時~翌午前0時まで、入館の最終受付は午後11時30分まで
- 家族風呂の場合
- 平日は午後2時~翌午前1時まで、最終受付は午前0時まで
- 土曜日は午後1時~翌午前1時まで、最終受付は午前0時まで
- 日曜日、祝日は午後12時~翌午前1時まで、最終受付は午前0時まで
国道12号線沿いにあるため、きよらへのアクセスはマイカー、またはバスが便利です。中央バスなら「小野幌(このっぽろ)神社」バス停、JRバスなら「厚別東4条4丁目」バス停で下車するのが良いでしょう。無料の駐車場も完備しているので、レンタカーを借りて道内のドライブがてら、きよらに立ち寄るのもおすすめです。
おわりに:公共交通でも車でも、札幌市内の観光と温泉は一緒に楽しめる!
北海道の県庁所在地であり、市街地である札幌市内ですが、各地に日帰り温泉入浴を楽しめる施設が点在しています。本土に比べ、年間を通して気温が低い札幌での観光を、温泉で体を温めながらできるのは観光客にとってうれしいですね。本記事で紹介した札幌市内の温泉入浴施設は、電車やバスなど公共機関を使っても、マイカー・レンタカーでのアクセスも良好です。あなたの旅程に合わせ、ぜひ札幌市内での温泉入浴を楽しみましょう。
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