旅行で温泉は欠かせなかったり、温泉検定にチャレンジしたりと温泉好きな人は多いもの。気持ちよく入浴できるのも温泉の魅力ですが、健康効果を理解することもおすすめです。泉質の種類や含有成分、効果的な入浴方法を紹介します。
温泉が体に良いっていわれるのは、なぜ?
温泉には疲労回復、ストレス解消、血行促進などさまざまな効能があるといわれています。特定の体の不調やトラブルに効果が期待できる温泉もあります。
温泉の効能
- 成分の作用
- 温泉の泉質によってガスやイオンなど含まれる成分はさまざまです。温泉につかると成分が皮膚を通して吸収され、皮膚、皮下組織、筋肉、血行などに作用します。清浄効果、収斂効果、殺菌効果など。
- 浮力作用
- 全身を湯船につかる入浴では、浮力で体重が約10分の1になります。そのため湯船で手足を伸ばすと、足腰にかかっている負担が軽く感じられます。
- 静水圧作用
- 湯船の中には水圧がかかりますので、腹囲が数cm単位で縮まっています。この水圧が天然のマッサージ効果をもたらし、血行促進やむくみ解消につながります。
ただし肺や心臓に疾患がある人は水圧の少ない入浴が望ましいので注意してください。
- 温熱作用
- 42℃以上の熱いお湯は血行をよくし、神経系や循環器系を活性化させます。新陳代謝向上や老廃物排出を促します。
- 鎮静作用
- 38℃以下のぬるめのお湯は神経系や循環器系の興奮を鎮め、痛みを鎮痛する作用が期待されます。
- ホルモンや神経の調整
- ホルモンの分泌機能や神経系機能の乱れを調整する働きが期待されます。
温泉の泉質別で、効能はどう違うの?
温泉とは温泉法で定義された性質を持つものを指し、日本の温泉は主に10種類に分類されています。
温泉法による温泉の定義は、「源泉の温度が25℃以上もしくは地中から湧き出る水や水蒸気、その他のガスに規定量以上の化学成分を含むもの」です。
温泉の種類と効能
- 単純温泉
- 疲労回復、神経痛、自律神経不安定症、不眠症、うつ状態、冷え、末梢循環障害、動脈硬化、軽度高血圧など
- 塩化物泉
- 冷え、筋・関節痛、打撲、ねんざ、末梢循環障害、うつ状態、切り傷、皮膚乾燥症、動脈硬化、高血圧、更年期障害、保湿など
- 炭酸水素塩泉
- 筋・関節痛、打撲、切り傷、末梢循障害、冷え、皮膚乾燥症など
- 硫酸塩泉
- 外傷、打撲、末梢循障害、冷え、うつ状態、皮膚乾燥症、高血圧など
- 二酸化炭素泉
- 切り傷、末梢循障害、冷え、自律神経不安定症など
- 含鉄泉
- 疲労回復、貧血、更年期障害など
- 酸性泉
- アトピー性皮膚炎、尋常性疥癬、糖尿病、表皮化膿症、慢性婦人病など
- 含よう素泉
- 疲労回復など
- 硫黄泉
- アトピー性皮膚炎、慢性湿疹、尋常性疥癬、表皮化膿症など
- 放射能泉
- 疲労回復、鎮静作用、神経痛、高血圧、痛風など
温泉は正しい入り方って?
温泉に入るときは正しい入り方をすれば、外気とお湯の温度差などによる体への負担を軽くすることができます。下記で紹介する入浴方法がおすすめです。
温泉の入浴方法
- まずはかけ湯
- 半身浴で泉温や水圧に体を慣らす
- シャワーなど上がり湯はしない(泉質によっては必要)
- 水分補給で体を潤す
- 入浴後は最低でも30分休憩する
- 湯冷めしないように気をつける
入浴によって体は急激な温度上昇を感じますので、かけ湯で準備を整えましょう。手足など末端からお湯をかけ、ひざや腰、胸など体の中心部へと順番にお湯をかけます。
同様に、いきなり全身を熱湯につけると血圧の変動が大きくなって体への負担になります。少しずつお湯に体を慣らすようにしてください。
シャワーで薬効成分を洗い流してしまうと効果が薄れますので、泉質を確認して上がり湯をしない方がいいかどうか判断しましょう。刺激の強い泉質や肌が弱い人などは上がり湯が必要です。
温泉に入るときの注意点は?
温泉は体にいい作用をもたらしますが、体調やその日の行動によっては入浴を避けた方がいいことがあります。下記に当てはまる人は温泉を控えましょう。
- 飲酒をしたあと
- 血圧が不安定な状態のため、温泉入浴中に脳貧血を起こすおそれがあります。
- 食事をとったあと
- 食後は30分~1時間の休憩をとってから入浴してください。食後すぐに入浴すると消化吸収の働きが悪くなります。
- 運動直後
- 運動後は30分以上の休憩をとってから入浴してください。休憩をとらないと筋肉に疲労が残り、心臓への負担が増大します。
- 体調が悪い
- 体調不良のときは熱いお湯は控えてください。
- 高齢の人
- 熱いお湯は血管や心臓に負担をかけます。特に高齢者がひとりで入浴するのは危険です。
- 疾患のある人
- 高血圧や動脈硬化など血管の疾患、心臓疾患、呼吸器疾患は熱いお湯が負担になることがあります。また関節リウマチや皮膚疾患、がんなど病気の種類の進行状況によっては薬効成分が強すぎる刺激になったり逆効果になるおそれがあります。
おわりに:温泉を健康的に楽しむためにも泉質と効能を理解しましょう
温泉には泉質によって効能と注意点が異なります。持病のある人や高齢者、その日の行動などを考慮し、気持ちよく入浴を楽しんでください。
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