女性が温泉旅行に行く際、気になるのが生理のタイミングです。周期的に、または突然の整理と温泉旅行の予定が被った経験から、煩わしい思いをした人も多いでしょう。
そこで今回は生理中の適切な温泉旅行の楽しみ方、生理のタイミングを調整するためにピルを飲むことについて解説していきます。
旅行の悩み!女性の生理周期の基本をチェック
生理周期は、出血が始まる生理の開始日から数えて25~38日以内であれば、正常の範囲内とされています。また出血が続く生理期間は、3~7日が正常とされます。一般的には28日間とされる整理期間ですが、正常の範囲が10日以上と広く、生理にかかる期間にいかに個人差が大きいかがわかりますね。
ただし、いずれもそのときの健康状態やストレスの有無、ホルモンバランスにより前後する可能性があるため、正確な生理の周期・期間を知るには3回分以上のデータが必要です。
以下を参考に生理3回分のデータを取り、その平均値から自身の生理周期を割り出すと良いでしょう。
生理の周期・期間のデータの取り方
- 生理周期の数え方
- 出血が始まった日から数えて、次の整理が始まる日までを換算
- 生理期間の数え方
- 出血が始まった日から数えて、出血しなくなるまでの期間を換算
生理中に温泉はどうする?タンポンをつけてたら入っていい?
生理の周期・期間の数え方、生理のタイミングを予測する方法がわかったところで、次は生理中に温泉に入ることの是非について学びましょう。
医学的には、以下の理由から生理中に温泉に入ることは控えるべきと考えられています。
- 生理中の温泉入浴を控えるべき理由
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- 生理中は子宮の入り口が緩んでいるため、温泉に含まれる雑菌が入りやすい
- 貧血や脱水が起こりやすくなっているため、入浴中に体調不良に陥りやすい
- 万が一経血が出てしまうと、他の入浴客に不潔な思いをさせてしまう
一般的に、プールや温泉に入るときにはタンポンを挿入すれば問題ないとする風潮もありますが、貧血や感染症のリスクを考えるとやはりおすすめできません。また、生理終盤で出血量が少なくなっていても、まだまだ子宮の入り口は緩んでいますし、貧血や脱水になりやすい状態は続いています。
生理が始まってしまったら、完全に出血が止まるまで温泉入浴は避けるようにしましょう。
大浴場は無理でも…部屋風呂にも魅力がある!
入浴中に体調を崩すリスクが高いこと、そして出血による周囲の入浴客への影響を考えると、生理中に大浴場で温泉に入ることはできません。
しかし、宿泊または休憩用の客室付きのお風呂なら、生理中でも他の入浴客に迷惑をかけることなく温泉入浴を楽しめます。
- 部屋付き温泉の魅力
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- 出血してしまっても、流すなどすぐに対処できる
- 入浴するのが自分、または身内だけなら、出血しても迷惑をかけない
- 滞在中いつでも、好きなときに何度でも入浴できる
- 入浴中に体調を崩しても、すぐに個室や布団で休める
- 入浴前後の生理用品の処理も、人目を気にせずにできる
温泉旅行と生理のタイミングがどうしても被るようなら、大浴場だけでなく、貸し切りで使える風呂付き客室の利用を検討してくださいね。
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生理でも足湯ならカップルで楽しいリフレッシュに!
家族や女性同士で行くならまだしも、カップルや夫婦で男性と行く温泉旅行と生理が被ると、風呂付きの客室でも一緒に楽しむのは難しくなります。
そこでおすすめしたいのが、生理中でもリスクなく温泉に入れて、男性との混浴も楽しめる足湯です。服を着たまま入れる足湯なら、子宮に温泉水の雑菌が侵入することも、経血が浴槽に流れ出してしまう心配もありません。
一般的には、20分ほど足湯で全身浴とほぼ変わらない入浴効果を得られるとされます。抵抗力が落ちた生理中の女性でも、足湯に入れば全身の血行が促進され、心身をリラックスさせられるでしょう。
また足湯による入浴には、血行を促進して冷えを改善し、生理痛を緩和する効果も期待できます。無理なく温泉入浴を楽しむために、また痛みなど生理中の不快症状を緩和するためにも、生理中の温泉旅行では足湯を楽しんでくださいね。
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ピルで生理をコントロールする方法は?「中用量ピル」ってどんな効果がある?
温泉旅行と生理を絶対にかぶらせたくないときは、婦人科の医院で処方してもらえるピルの服用がおすすめです。
ピルを使い、生理のタイミングを前後させる方法には以下2種類があります。
- 生理を早める方法
- 早めたいタイミングのひとつ前の生理中、出血が始まってから3~7日目からピルを飲み始め、10日以上続けて服用する
服用をやめてからおよそ2日後に生理がくるため、生理を起こしたいタイミングでピルの服用をやめると良い。なお、7日以上生理が来なければ再服用も可能です。
- 生理を遅らせる方法
- 生理予定日の3日前から、生理周期にずれが出やすい人は5~7日前から、生理を起こしたいタイミングまで継続してピルを服用する
生理周期のコントロールには、低用量ピルと中用量ピルのいずれかを用います。低用量ピルと中用量ピル、それぞれのおおまかな特徴・違いは以下の通りです。
服用する女性本人の要望や、妊娠可能性の有無、医師の判断によってどちらのピルを使うかの判断は変わってきます。自身の体調と体質、そして医師の診断・アドバイスをもとに、ピルを服用するかどうかを決めてくださいね。
低用量ピルの特徴
- 強い吐き気など、日常生活に支障をきたす副作用が出るリスクが低い
- 中用量ピルに比べてエストロゲンの含有量が少ない
- 生理を早めたい場合、ひとつ前の生理の3~5日目から10~14日間服用する
- 生理を遅らせたい場合、ひとつ前の生理が終わってから最大14日間まで服用できる
- 最大で6週くらいまで、生理を遅らせることができる
- 生理の直前から服用を開始して、遅らせることはできない
- 数か月前から決まっている予定と、生理を被らせたくないときに便利
中用量ピルの特徴
- 強い吐き気など、日常生活に支障をきたす副作用が出るリスクが高い
- 低用量ピルに比べ、エストロゲンの含有量が多い
- 生理を早めたい場合、ひとつ前の生理の3~7日目から10日以上服用する
- 生理を遅らせたい場合、生理予定日の5~7日前から生理が始まっても良いタイミングまで、服用を続ける
- 生理の直前からでもタイミングをずらせるので、急な予定に合わせて使える
- さらに服用期間を延ばし、生理を贈らせたければ低用量ピルとの併用も可能
おわりに:生理中の温泉入浴は控えて!どうしても入りたいならピルで生理をずらすか、足湯で無理なく楽しもう
生理中の女性は、普段よりも貧血や脱水症状を起こしやすくなっています。また子宮の入り口も緩んでいるため、温泉水に含まれる雑菌が原因で感染症にかかったり、浴槽の中に経血が流れ出て他の入浴客に迷惑をかけるリスクもあります。
このため、生理中の女性は温泉に入るべきではありません。どうしても入りたいなら部屋付きのお風呂、または足湯で楽しむか、ピルで生理周期をずらして温泉旅行に臨みましょう。
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