洞川(どろがわ)温泉は霊山登山や自然散策と一緒に楽しめるレトロな温泉街

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奈良県は吉野郡、山深い天川村という地域にある温泉地・洞川温泉をご存知でしょうか。

今回は昔ながらの温泉街の風景がいまものこる、奈良県の洞川温泉の魅力と、おすすめの温泉宿を3つそれぞれの特徴とともに紹介していきます。

洞川(どろがわ)温泉はノスタルジックな雪見温泉

洞川温泉街は大峯山(おおみねさん)の入山口付近にあり、もともとは修験道の考えに基づき、大峯山で修行する行者たちのための宿場町として発展してきました。

修験道とは
役行者(えんのぎょうじゃ)が開いたとされる、日本独自の宗教
仏教の考え方をベースに、山にこもって厳しい修行を行うことを重要視した

洞川温泉街を開いたとされるのは、修験道の開祖である役行者の使役していた夫婦鬼のうちの妻・後鬼(ごき)の末裔だと伝わっています。このためおよそ1,300年前から、大峯山と周辺には原則女人禁制がしかれていました。

しかし1970年代、この地に温泉が湧出したことをきっかけに洞川温泉街が発展。多くの女性観光客・湯治客も訪れる地となり、現在では昭和レトロな温泉街での宿泊と、古い建物の縁側を利用した影やコンサートを楽しめる場所として人気を集めているのです。

なお、洞川温泉街の美しさが際立つのは夜。灯がともった提灯がぶら下がる宿の軒先を、浴衣を着た観光客・湯治客が歩いて行く光景は非常に幻想的です。縁側に座って、立ち止まって写真を撮っても楽しめる、独特な雰囲気があります。

▼ 大峯山洞川温泉観光協会

大峰山は女人禁制の修験道!みたらい渓谷遊歩道なら女性にもおすすめ

洞川温泉街を入山口とする大峯山には、いまなお一部、女人禁制のエリアがあります。標高1,719m地点にあり、鎖を頼りに岩壁を登る「鐘掛岩」、絶壁から縄で逆さづりになる「西の覗」などで修行ができる山上ヶ岳には、宗教上の理由から女性は立ち入れません。

山上ヶ岳を取り巻く登山口一帯にある「女人結界門」から先へは、女性の入山が禁じられているのです。以下に、女人禁制エリアとなる大峯大橋から山上ヶ岳へのおおまかな距離と所要時間、登山難易度を紹介します。

大峯大橋から山上ヶ岳間の往復コース

コース概要
往路…大峯大橋 ⇒ およそ2時間⇒ 洞辻茶屋⇒ およそ1時間 ⇒ 山上ヶ岳
復路…山上ヶ岳 ⇒ およそ1時間 ⇒ 洞辻茶屋 ⇒ およそ1時間30分 ⇒ 大峯大橋
所要時間
往路はおよそ3時間、復路はおよそ2時間半で、合計でおよそ5時間30分
なお、大峯大橋最寄りの洞川温泉バス停からスタート地点までは徒歩でおよそ1時間
登山難易度
中上級者向け。ガイドと一緒なら危険は少ないが、相当な体力・筋力は必要になる

本格的登山をするには体力的に不安がある、女性のため山上ヶ岳まで行けないという女性には、みたらい渓谷を望む遊歩道へ散策に訪れるのがおすすめです。みたらい渓谷は、天川村から少し標高の高い場所にある美しい渓谷。大峯山を源流とした青く美しい清流、そしてそれを囲み勇壮な岩と木々が作り出す絶景を楽しめます。

天川村から洞川温泉まで、およそ7㎞に整備された遊歩道を歩けば、休憩をはさんでも3時間程度でハイキングを楽しめるでしょう。

▼ 大峯山 天川村公式サイト観光ページ

洞川温泉・大峰山 角甚:洞川唯一の客室露天や漢方湯を楽しめる老舗宿

ここからは洞川温泉街からおすすめの温泉宿を3軒、特徴とともに紹介していきます。
1つ目は「洞川温泉・大峯山 角甚(かどじん)」です。創業350年を超える角甚は、レトロな建物から歴史と、何とも言えない風情を感じられる温泉旅館。山間の宿らしく、食事では鹿肉や猪肉、鮎や鱒などの川魚を提供しています。

入浴施設としては2つの大浴場と貸し切り露天風呂、そして泥川温泉で唯一の客室付きの露天風呂を備えており、洞川温泉への入浴を楽しめます。

お風呂の種類・概要

大浴場

行者の湯
泥川温泉に、吉野地方伝統の薬である陀羅尼助(だらにすけ)の原料・オウバクを加えた漢方の湯を、バブル付きで提供
元禄の湯
石造りの浴場で、浴槽内に満たした洞川温泉のお湯を超音波ジェットバスとして楽しめる

露天風呂(貸し切り・客室付き)

貸し切り露天風呂
底に「笑」の字が書かれた陶製の浴槽が、木々を望む屋根付きの浴場に設置されている
客室付き露天風呂
庭園を眺められる、檜浴槽の露天風呂。「桃の間」「甚四郎の間」の2室用意されている

泉質・効能

泥川温泉の泉質・効能は以下の通りです。行者たちを癒してきた温泉の感触と効能を、ぜひ体感してください。

泉質
単純温泉、弱アルカリ性低張性温泉
効能
神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、打ち身、くじき、慢性消化器病、冷え、病後回復、疲労回復

▼ 洞川温泉・大峰山 角甚

旅館 久保治:疲労回復癒しの湯と江戸時代から伝わる和漢薬が人気

2つ目は、「旅館 久保治(くぼじ)」を紹介します。久保治が有する入浴施設は、大浴場と露天風呂の2種類。狸の置き物が迎えてくれる露天の岩風呂では、湯の香り・感触を感じながらゆったり過ごすことができます。周辺散策による体の疲れを癒し、慢性的な冷えを治したいなら、長湯を楽しみましょう。

また、久保治へ訪れるならぜひ購入してほしいお土産品として「陀羅尼助」があります。先ほど、角甚の説明の際に少し名前が出た陀羅尼助は、江戸時代に民衆の間で広く使われていた和漢薬です。
原料はオウバクなどの漢方薬で、食欲不振や食べすぎ、飲みすぎ、消化不良など胃腸の不調改善効果が期待できるとして、現在も第3類医薬品に認定されています。旅行の思い出として、また消化器の調子を整えるための常備薬としてお持ち帰りください。

料理は地元猟師から仕入れるブランド肉「大峯猪」をはじめ地鶏、地元の湧き水・ごろごろ水を使い作られた地元産の豆腐など、天川村自慢の食材をメインに提供。その土地に根付き、大切に食べられてきた新鮮でおいしいものを、たっぷりいただけます。北部の市街地にはない、奈良南部だからこの味を堪能しましょう。

▼ 旅館 久保治

後鬼の湯・宿 花屋徳兵衛:洞川温泉最古の宿で自然を眺めながらゆったり

3つ目に紹介するのは、ここまでに紹介した宿のなかでも最も歴史ある温泉旅館「後鬼の湯・宿 花屋徳兵衛」です。花屋徳兵衛は創業500年以上の歴史を持ち、長きにわたり大峯山を訪れる行者や観光客を癒してきました。

木材の名産地として知られる地元・吉野の材で建てられた木造の館内は、モダンさとなつかしさの両方を感じられる佇まい。客室の他、暖炉のある談話室など、四季折々の風情を楽しめる共有スペースも備えています。入浴施設は「後鬼の湯」「前鬼の湯」の大浴場、そして貸し切り風呂「是空の湯」の3つがあり、いずれの浴場でも泥川温泉を24時間楽しめます。

お風呂の種類・概要

大浴場

後鬼の湯
季節によって姿を変える庭を望み、屋根の下で温泉入浴できるこぢんまりとした半露天
前鬼の湯
近代的でモダンなデザインで、石と木で作られた浴場が印象的な内湯大浴場

貸し切り風呂

是空の湯
大きな窓から山と、小さな坪庭の景色を望む開放的な貸し切り温泉
浴槽は円形で、2~3名が一度に入れるくらいの大きさ

7種類ある客室のうち「天空の間」だけには、客室付きの温泉風呂がついています。広々とした12畳の部屋と温泉風呂、トイレ、洗面台とデッキを備えた天空の間は、贅沢な空間と景色を独占できる贅沢な客室。人目を気にせず、ゆったり滞在と温泉入浴を楽しみたい家族やカップルにおすすめです。

他の6種類の客室もいずれも伝統的な和の設えで、テラスや二面の窓から洞川の町並みを楽しめる眺めの良い部屋もあります。どの部屋を選んでも、レトロで情緒ある洞川温泉らしい空間で滞在できるでしょう。

▼ 宿 花屋徳兵衛

おわりに:修験道の街・奈良県天川村の洞川温泉は、レトロさが魅力の温泉街

日本独自の宗教・修験道発祥の地であり、その修行の場である霊山・大峯山の入山口にある洞川温泉は、もともと行者の疲れを癒すための宿場町でした。ところが1970年代、温泉が湧出したことをきかっけに温泉街、観光地として発展。現在は霊山での登山や修行を行う男性のみならず、女性でも周辺の遊歩道でのハイキングを楽しめる人気の旅行先となっています。ぜひ一度訪れて、その風情ある町並みと雄大な自然を堪能してください。

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