おせちの具材やうどん・そばのトッピング、おつまみとしても、かまぼこは私たち日本人にとってなじみ深い食材ですよね。
今回は、意外と知られていないかまぼこの栄養価・健康への効果について解説していきます。旅先のグルメやお取り寄せを楽しむときに役立ててください。
かまぼこの栄養的な特徴とは?
栄養的に見たかまぼこの最大の特徴は、低脂肪・低カロリー・高タンパクの3つが揃った食材である点です。以下に、ひとつずつ見ていきましょう。
かまぼこの栄養的な特徴1:脂質が少ない
かまぼこの主原料は、魚のなかでも脂質の少ない白身魚です。このため、同じ量の肉や加工肉、脂ののった魚類よりも油分の少ない食品と言えます。
かまぼこの栄養的な特徴2:低カロリー
脂質が少ない分、かまぼこは同じ量の肉や加工肉、魚類を摂るよりも低カロリーで、ヘルシーな食品でもあります。
かまぼこの栄養的な特徴2:高タンパク
タンパク質は、人間の骨・血・血管・筋肉をつくる材料となる栄養素です。タンパク質は食事から体内で分解されるとアミノ酸となって吸収され、体づくりに使われます。
なかでも人体に不可欠で、かつ体内でほとんど生成できない9種類の必須アミノ酸は食事から積極的に摂取しなければいけません。
白身魚を主原料とするかまぼこには、以下の必須アミノ酸のすべてがバランス良く含まれる食材なのです。
- 9種類の必須アミノ酸
- イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン
かまぼこを食べると、少ない脂質・カロリー摂取のみで、私たちの体に欠かせないタンパク質をバランス良く、かつ効率的に摂ることができます。
生活習慣病のリスクを抑えながら、心身の健康維持に必要な栄養をしっかりと摂ることのできる食材といえるでしょう。
かまぼこに期待できる健康効果って?
近年の研究により、かまぼこに以下のような健康効果が期待できると分かってきました。
噛むことによる脳の活性化
魚を調味料と練り合わせたうえ、蒸して作るかまぼこには独特の弾力があります。このため、食べるにはしっかり噛む必要がありますよね。
この噛む行為、そしてかまぼこに含まれる必須アミノ酸の働きにより、脳への血流の促進・脳の発達・活性化の効果が見込めるとの研究結果が発表されています。
生活習慣病の予防・改善に役立つ
魚を主原料とするかまぼこには、不飽和脂肪酸と呼ばれる魚類特有のDHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)といった栄養が含まれています。
不飽和脂肪酸の主な作用は、以下の2つです。
- 血中を漂う悪玉コレステロール・中性脂肪を減らす
- 血流を促進して血圧の上昇、血管が詰まって起こる動脈硬化を予防する
また、マウスにタンパク源としてかまぼこを与える実験を行った結果、かまぼこに砂糖・ブドウ糖の急激な吸収、血糖値上昇を抑える作用が確認されました。
つまり、かまぼこには高血圧や高脂血症、糖尿病といった生活習慣病と、生活習慣病が原因で発生する深刻な循環器疾患の発症を予防する効果が期待できるのです。
抗酸化作用で老化・劣化・がんを防ぐ
かまぼこに含まれるDHAやEPA、そしてタウリンには、細胞や血液の老化・劣化を防ぐ抗酸化作用があります。
このため、かまぼこを積極的に食べることで老化による臓器や血管の機能低下、そして細胞のがん化によるがんの発症・進行を防げる可能性があるとも考えられています。
認知症の発症予防に役立つ
認知症は、老化に伴い脳の細胞が死滅・委縮することで発症すると考えられている病気です。
魚由来のタンパク質には、脳の神経細胞の成長・増長を助ける作用があることがわかっています。
さらに、魚の摂取量が極端に少ない人は、魚を十分に摂る人に比べてアルツハイマー型認知症を発症するリスクが低いことも確認されています。
この2点から、かまぼこを食べて魚由来のタンパク質・栄養を積極的に摂取すれば、認知症予防にかまぼこが役立つと期待されているのです。
おわりに:おなかにやさしく、魚の栄養を摂れるかまぼこは健康に良い!
脂質の少ない白身魚を主原料に作られるかまぼこは、低カロリーでヘルシーな高たんぱく食品です。肉や加工肉、脂ののった魚の身を食べるよりもバランス良く魚由来のタンパク質、必須アミノ酸をバランス良く摂ることができるので、非常に健康に良いと言えます。
生活習慣病予防やがん予防、認知症予防など幅広い健康効果を期待できる食品なので、日々の食事に少しずつ取り入れてみてくださいね。
コメント