おつまみとして、または料理の具材として少しずつ使用するからすみは、アジアでは高級珍味として重宝されていますよね。
今回はからすみがどんな食べ物なのか、含まれている栄養成分や期待できる健康効果、おすすめの食べ方と一緒に理解していきましょう。旅先のグルメやお取り寄せを楽しむときの参考にしてください。
からすみってどんな食べもの?
魚の卵巣を塩漬けにし、乾燥させたものを「からすみ」と言います。
一般的にはボラの卵巣を使用しますが、近年ではサバ、サワラの卵巣を使ったからすみも出回っています。
名前の由来は、見た目が唐の時代に中国から伝わった墨に似ていたことから。
墨のような黒色はしていませんが、朱色または茶褐色で、大きめのタラコをまるごと乾燥させたような見た目と質感をしています。
味もタラコに近いですが、もっと塩辛くねっとりとした食感。江戸時代にはウニやコノワタと並び「日本三大珍味」となり、主に酒の肴として珍重されてきました。
現在、からすみの国内名産地は九州を中心とした西日本。また日本以外にも、台湾やイタリアでもほとんど同じ味・品質の食品が製造されています。台湾産のからすみは「ユーウーツ」、イタリア産のからすみは「ボッタルガ」と呼ばれています。いずれも、日本産のからすみより安価で販売されているのが特徴です。
からすみにはどんな栄養があるの?
以下に、からすみに含まれる栄養成分と期待できる健康効果を、まとめてご紹介します。
タンパク質
魚卵を原料とするからすみの40%を占める主成分。筋肉や内臓をつくる細胞の原料となるため、細胞の代謝促進や疲労回復、滋養強壮などの効果をもたらします。
各種脂肪分
からすみには、体に良いとされる以下の脂肪酸がそれぞれ含まれています。からすみに含まれるこれらの脂肪酸には、生活習慣病、ならびに脳の老化・劣化による認知症発症予防効果が期待できます。
オメガ6系の脂肪酸
- リノレン酸
- 体内で作ることのできない必須脂肪酸。血中の悪玉コレステロールを減らす
- アラキドン酸
- 脳細胞をつくる原料となる脂肪酸。記憶力や認知能力などを向上させる
オメガ3系の脂肪酸
- DHA
- ドコサヘキサエン酸。血液をサラサラにして血流を改善し、脳を活性化する
- EPA
- エイコサペンタエン酸。血中の脂肪値を下げ、血管を柔軟で若い状態に保つ
ビタミンB12
人間の細胞分裂に欠かせない栄養成分です。
十分に摂取することで貧血予防、集中力向上、神経機能の維持・向上、眼精疲労の軽減、痛み・しびれの改善などの健康効果を得られます。
ビタミンA
皮膚や粘膜を健康に、正常な状態に保つ作用があります。
このため、摂取により感染症への免疫力向上、美肌・美髪などアンチエイジング効果、眼精疲労軽減、発がん予防などの健康効果が期待できます。
パントテン酸
体内でエネルギーの代謝を助ける栄養成分。善玉コレステロールやホルモンの生成にもかかわり、生活習慣病予防や免疫機能の維持・向上に役立ちます。
亜鉛
体内で作りだすことはできませんが、全身の臓器に必要な栄養成分です。
皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあるため、味覚の維持に欠かせません。さらに、生殖機能を維持する栄養成分でもあります。
からすみはどうやって食べればいいの
「珍味」「おつまみ」のイメージが強いからすみですが、いろいろな食べ方ができます。
ここからはからすみのおいしい食べ方を、基本的なものからアレンジを利かせたものまで、複数ご紹介していきます。
おつまみにするなら
スライスして、そのまま食べる
薄切りにするだけで、日本酒や白ワインに合うおつまみになります。
同じく2~3㎜にスライスし、塩水にさらしてパリッとさせた生の大根と一緒に食べるのもおすすめですよ。
軽く焼いて、香りを立たせて食べる
薄めにスライスし、香りが立つ程度に表面を焼いて食べる方法です。
表面に日本酒を塗って焼けばいやな生臭さが抜け、魚卵の香ばしさが引き立ちます。
にんにくと焼いて風味付けして食べる
薄皮を剝いたからすみを3~5mmくらいにスライスし、にんにくと一緒に焼きます。まず、からすみだけを油をひいたフライパンで表面に軽く焼き色がつく程度に焼き、にんにくと日本酒を加えて仕上げましょう。
食事にするなら
からすみパスタ
一般的なペペロンチーノのレシピに、すりおろしたからすみを加えて作ります。
イタリアでの一般的なからすみの食べ方ですが、味が濃くなりやすいのが難点。塩の量はからすみの塩気を考慮して加減しましょう。
からすみのピザ
一般的なピザに、すりおろしたからすみを加えたもの。
市販のピザやピザ生地に、トッピングとしてからすみをプラスしてみましょう。
からすみのポテトサラダ
じゃがいもにたまねぎ、にんにく、マヨネーズ、からすみを混ぜたポテトサラダです。
からすみはすりおろして、タラコの粒のようにしてから加えます。おかずとしても、おつまみとしてもおいしく食べられる一品です。
おわりに:魚卵であるからすみは栄養豊富!料理に使っておいしく食べよう
おつまみとしてそのまま食べるイメージが強いからすみですが、食事メニューにも使える魅力的な食材です。おろし金ですりおろせば、パスタやピザ、サラダにワンランク上のコクや風味をつけてくれます。珍味だからと敬遠しないで、積極的に食事に取り入れましょう。ただし、塩漬けにしているため摂取量には注意が必要です。1日の塩分摂取量が過剰にならないよう、気を付けて食べてくださいね。
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