山野を歩き、自生する草・シダ植物などを採取する山菜採り。昔は食料を確保する手段として、現在では春の訪れを感じられるレジャーのひとつとして行われています。
今回は山菜採り、また山菜が私たちの健康にもたらすメリットについて、山菜に含まれる栄養成分や安全に楽しむための注意点と一緒に解説していきます。山菜採りに行くときや、山菜をお取り寄せするときの参考にしてください。
山菜採りのメリットと山菜の栄養効果って?
山菜に含まれる栄養成分は、食物繊維やビタミンC・カロテン・トコフェロールなどのミネラルが多く、脂質・糖質が少ない野菜に似た構成になっています。
一方で山菜特有の成分としては、山菜の苦みやえぐみのもとであるポリフェノール類が豊富に含まれていることがわかってきました。
- 山菜に含まれるポリフェノール類の例
- フキノール酸、ジカフェオイルキナ酸 など
ポリフェノールは抗酸化作用の高い栄養成分で、摂取するとストレスによるダメージからや老化から細胞を力が高まると言われている栄養成分です。
また一部の山菜には、一般的に栽培されている野菜と変わらないレベルの高い栄養価があることや、特定の健康効果をもたらす可能性があることもわかってきました。
例えば、鳥取県で栽培されているシオデという山菜にはアスパラガスと同等の栄養価が、明日葉やタラの芽には、血糖値を安定させる作用があると指摘されているのです。
これらの栄養成分には、あく抜きや調理の過程で失われしまうものもあります。
しかし山菜を採って食べることで、栽培された野菜とは異なり、自力で冬を乗り越えた山菜だけが持つ生命力や栄養をいただくことができるのです。
また、山菜を採るために山野を歩き回るという有酸素運動も、私たちの健康に良い影響を与えてくれます。山菜による栄養価と合わせ、山菜採りによる健康効果と言えるでしょう。
山菜採りをするときに気をつけることって?
自然の山に分け入って行う山菜採りには、危険がつきものです。山菜採りに夢中になるあまり遭難やケガをしないように、入山時には以下の点に注意しましょう。
- 山菜採りに行くときに守るべき注意点
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- 山では天気が急変することも多いので、必ず出発前に天気予報を確認すること
- 天気が急変する可能性、体調がイマイチのときは危険なので、入山を中止すること
- 滑落や遭難の恐れがあるので、入山禁止区域や急斜面の山菜を無理して採ろうとしない
- 単独での入山は危険なので、できれば複数人で入山し互いに位置を知らせながら移動する
- 自身の家族にも、前もって入山地点や駐車場の位置、帰宅予定時間などを知らせておく
- もしもの事態に備え、携帯電話と懐中電灯、食料、水、防寒具は持参すること
- 荷物に余裕があれば、白のヘルメットやラジオ、クマよけの鈴、予備の電源などを持参
- 食べられるかどうか、または種類がはっきりわからない野草は採取しない
- 決して油断せず、体調に異変を感じたり疲れたと感じたら、早めに引き返そう
- 万が一遭難したら、むやみに歩き回らず大木や岩の陰で助けを待とう
- 捜索のヘリコプターの音が聞こえたら、白いタオルなどを振って位置を知らせる
山菜採り中に遭難すると、心配だけでなく捜索にかかった費用をも支払ってもらわなければならず、家族に精神的にも経済的にも大きな負担をかけることになります。
また、食べられるかわからないものを持ち帰って食べたり、近所におすそ分けすることも食中毒の原因となり大変危険です。
注意点を守り、可能な限り安全のための対策を講じたうえで、山菜採りを楽しみましょう。
おわりに:山菜採りには、運動と栄養による健康効果が期待できる
山野を歩き野生の植物を採取し、調理して食べる山菜採りは春ならではのレジャーとして愛されています。山菜には、栽培された野菜にはない独特の風味や味わい、高い栄養成分があるため、山菜採りは運動と栄養の両面から健康に良い行為と言えるでしょう。
しかし自然に分け入る以上、遭難や事故に遭うリスクは常に存在しています。山菜採りに出かけるときは、本記事を参考に可能な限りの事前対策を講じてください。
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