登山には、日帰り以外に宿泊施設やテントを使い数日かけて楽しむ方法もあります。
今回は1泊以上の宿泊をして楽しむ登山泊のうち、テントを利用するケースについて解説。登山でテント泊のメリットや、必要な準備などを学んでいきましょう。
日帰り登山では味わえない楽しさ?テント泊の魅力とは?
住居となるテント、そして自炊道具や着替えなど登山に必要な生活道具一式を持参し、道中でテント泊をしつつ1日以上かけて山に登ることを「テント泊登山」と呼びます。
テント泊登山をすることの魅力、メリットとしては以下が挙げられるでしょう。
- テント泊登山の魅力
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- 自分1人のペースで、生活と登山を楽しむことができる
- 日帰り登山や宿泊施設を利用する場合よりも、自然を身近に感じられる
- テント禁止の場所以外では、天候や体調に合わせ自由に休むことができる
- 原則、テント場の利用に予約は必要ないので山小屋よりも煩わしさが少ない
- 安く泊まれるため、体力や登山レベルによっては低予算で長期間の登山も可能
テント泊は布1枚だけを隔てて、大自然のなかで宿泊する体験です。
山中に泊まれば、立派な宿泊施設に泊まるよりも風の音や雨、山の気温、湿度、空の変化をよりダイレクトに感じられるでしょう。
また、他の登山客の様子を気にせず生活や登山計画を進めることができるので、自分の世界やペースを大切に宿泊登山がしたい人には最適の方法と言えます。
テント泊登山で準備したい持ち物リスト
テント泊登山をするなら、自分ひとりですべての生活用品を持ち運ばなければなりません。
具体的には雨具、防寒着、地図、コンパス、ヘッドランプ、サングラス、時計、スマホ、水、行動食など基本的な登山装備の他に、以下の持ち物を用意する必要があります。
- テント泊登山に必要なもの
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- 軽くて持ち運びがしやすい、登山に適したテント
- 山中でも快適に眠るための寝袋、敷きマット
- 食事を作るための食材、調理器具、火気、調味料
また、通常の日帰り登山に必要なものとテント泊に必要な持ち物をすべて収納するには、50L以上の容量のバックパックが必須です。
テント泊登山用の持ち物と合わせ、テント泊の荷物の容量に合ったバックパックも購入しましょう。
山岳用テントの選び方は?初心者におすすめのタイプは?
市販されているテントは、大きくキャンプ用と登山用の山岳テントに分けられます。
山岳用テントが持つ特徴は、以下の通りです。
- 山岳テントの特徴
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- 風に強く、設営が簡単
- 持ち運びやすいよう軽く、コンパクトに収納できる
- ある程度の防水性と、透湿性を兼ね備えている
- 荷物を置くスペースが用意されている
- 平地以外にも、ほとんどの地形で使える仕様になっている
アウトドア用品店やスポーツ用品店に行くと、山岳用テントだけでもたくさんの商品が陳列されています。
テント泊登山のために初めて山岳テントを購入するなら、以下の順に条件を満たすテントを絞り込んでいくと良いでしょう。
- 初心者向け、山岳登山を選ぶポイント
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- 軽量かつコンパクトに畳めて、持ち運びやすいか
- 足場の悪い場所や、悪天候でも設営できるくらい組み立てが簡単か
- 多少の風雨では破れない、飛ばされない程度に頑丈であるか
- 多少強めの雨が降っても、内部に雨が染み込まない防水性があるか
近年の山岳テントには、重量が1㎏を着るほど軽量なものもあります。
その一方で、あえて厚みのある生地やパーツを使い、そこそこの重量がある山岳テントを好んで使う登山者もいるそうです。
軽量と重量の山岳テント、それぞれにメリットとデメリットがあります。以下にまとめていますので、しっかり確認したうえであなたの予算・条件に合う方を選びましょう。
軽量タイプの山岳テントの場合
- メリット
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- 持ち運びやすく、筋力や体力に不安がある人でも設営しやすい
- 先進的な素材を使い、通気性や快適性が高いケースが多い
- デメリット
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- 先進的な素材を使っている場合には、販売価格が高額になる
- 悪天候下では扱いが難しく、設営中にポールが入れる、生地が破れるなど破損するリスクが高い
重量タイプの山岳テントの場合
- メリット
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- しっかりした素材のポール、厚手の生地を使っているため悪天候でも壊れにくい
- 先進的な素材を使った軽量タイプに比べ、安価で手に入りやすい
- デメリット
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- 丈夫な分重いため、持ち運びには相応の筋力と体力を要する
- 通気性に乏しいことが多く、蒸し暑い低山での利用にはあまり適さない
取り出しやすく動きやすいパッキングのコツ
登山のためのパッキングは、バックパックを上側、背中側、外側、下部の4つのブロックに分けて行います。
以下に、それぞれのブロックに詰めるべきものを具体例とともに紹介していきますので、テント泊登山のパッキングにお役立てください。
テント泊登山のパッキング:上側
バックパックの上側は、最も荷物の出し入れがしやすい場所。このため、使う頻度が高い以下のようなものを入れます。
- 雨具、フリースジャケット、ウインドブレーカー、救急セット など
テント泊登山のパッキング:背中側
バックパックの背中側には、歩行時の重心移動を安定させるために重いものを入れます。以下のようなものを入れておけば、登山中疲れにくくなるでしょう。
- ストーブ、燃料、食料、予備の水、ウォーターキャリー、クッカー、テントのポール など
テント泊登山のパッキング:外側
バックパックの左右、背中側から離れた箇所には以下のような軽いものを入れます。
- テントの生地部分、寝袋の下に敷くエアーマット、予備の衣類、トイレットペーパー など
テント泊登山のパッキング:下部
バックパックの下部、底の部分にはテント場でしか使わない以下のようなものを入れます。
- ダウンジャケット、テント場用のサンダル、寝袋 など
登山泊がOKなのは「テント場」!場所決めで気をつけたいことは?
山中でのテント泊は、テントを張っての宿泊が許されている「テント場」「キャンプ指定地」「幕営地(ばくえいち)」などと呼ばれる地点で行わなければなりません。
登山用の地図やガイドブックにおいては、テントマークで記されている地点です。
テント場は、そのテント場を管轄する山小屋の受付に1泊あたり数百円程度の料金を支払えば利用できるようになります。
利用に事前予約は必要ありませんが、以下のような条件の良い場所は早いもの順です。
- 良いテント場所の条件
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- 地面に傾斜、ゴツゴツした箇所が少ない
- 雨が降ると水が溜まってしまうような低い、凹んだ場所でない
- トイレのニオイが漂ってくる風下、水場に近すぎない
- 建物の陰となっていて、強風が吹いてもあまり影響を受けない
- できれば静かで、景色の良いところ
特に、登山のハイシーズンである夏から秋にかけては、テント場が混雑する可能性が高いです。
混雑したテント場では先に良いポイントを探し、バックパックを置いて確保したうえで山小屋に利用料金を支払いに行くことをおすすめします。
また、複数人のパーティを組んでテント泊登山をする場合にはテント隊を結成して先にテント場に行ってもらい、良い場所を確保するという方法もありますよ。
おわりに:必要なものを準備し、テント泊登山にチャレンジしてみよう!
数日かけて登山を楽しむには、宿泊施設を利用するか、テント場にテントを設営し宿泊する必要があります。このうち自分の世界やペースを重視し、ゆっくりと登山を楽しみたい人におすすめなのがテント泊登山です。
日帰り登山の荷物に合わせテント、寝袋、食材、調理器具など宿泊用の荷物と50Lサイズのバックパックが必要ですが、一度揃えてしまえば何度もテント泊登山を楽しめます。ぜひ挑戦して、山の楽しみ方を広げてくださいね。
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