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ぶどうの栄養のメリットと美味しく食べるコツとは?

グルメでケア
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秋をはじめ、年間を通してさまざまな大きさ・種類を楽しめるぶどう。

今回は身近な果物・ぶどうの栄養成分について、期待できる健康効果や種類による特徴の違い、おすすめの食べ方と注意点と一緒に解説していきます。
旅行のときのお食事やお土産探し、ぶどう狩り、お取り寄せで役立ててください。

ぶどうにはどんな種類があるの?

ぶどうは、クロウメモドキ目ブドウ科ブドウ目の気になる果実のことです。
西洋・東洋ともに古代から野生種のぶどうが存在していたとされ、古代エジプトの壁画にはワインを作るためのぶどう栽培の様子も描かれているそうです。

日本に伝わったとされるのは、奈良時代から平安時代にかけて。当時の中国から、ぶどうが持ち込まれたとされています。この品種が山ぶどうとして日本で野生化、鎌倉時代以降は現在の山梨県で「甲州ブドウ」の栽培が始まり、農作物としても扱われるようになりました。

1つの房にたくさんの身がなっているのが特徴で、世界的にさまざまな品種があります。
このため粒の大きさや皮の色も緑や赤、黒色に近いものまで多様で、それぞれの特徴に合わせて生食用やワイン用、ドライフルーツ用など使い分けられています。

ぶどうの品種分けの基準は、原産地や用途、皮の色など複数が考えられます。現在では品種改良のための交雑もかなり進んでいるため、分類はどんどん複雑になっているのです。

以下からは、日本で良く知られているものをメインに代表的なぶどう品種の特徴を見ていきましょう。

代表的なぶどうの品種

巨峰
  • ぶどうの王様と親しまれる品種
  • 黒に近い紫色で大粒の実がなり、強い甘味とジューシーさが特徴
  • 生食に向いているが、渋みが強いので種と一緒に皮も取り除く必要がある
  • 石原早生と、ヨーロッパ系品種のセンテニアルを交配したもので、日本ではおもに山梨県、長野県、福岡県などで栽培
デラウェア
  • 小指の先ほどの小さな実が、小ぶりな房になる品種
  • 小さい種なしぶどうの代表的案品種で、比較的安価
  • 手軽に食べられる生食用のぶどうとして、日本の過程で親しまれてきた
  • 皮が除きやすく種もないので、のどにつまらせる心配が少なく小さな子どもからお年寄りまで食べやすい
  • おもな国内生産地は山形県、山梨県、大阪府
  • 旬は4~9月にかけて
シャインマスカット
  • 比較的最近になってから、安芸津21号と白南を交配してつくられた品種
  • 緑色の皮をしたマスカットには珍しい種なしで、皮ごと食べることができる
  • 菓子のような強い甘味と香りを楽しめるとして大人気の品種
  • おもな国内生産地は山梨県、長野県、岡山県
  • 6~8月中旬にかけて旬を迎える
アレキサンドリア
  • 果物の女王とも呼ばれる、黄緑色の皮をしたマスカット品種
  • 正式名称は「マスカット・オブ・アレキサンドリア」
  • 比較的高価で、贈答品として使われることも多い
  • おもな国内生産地は岡山県と群馬県
  • 6~11月にかけて旬を迎える
ピオーネ
  • 巨峰より少し締りのある、大粒の品種
  • 黒に近い紫色の皮をしていて、皮ごと食べることができる
  • 近年では種なしタイプもあり、強い甘味を楽しめるとして人気
  • おもな国内生産地は岡山県、山梨県、長野県
  • 旬は5~12月にかけて
甲斐路(かいじ)
  • 大粒で楕円形、赤っぽい色の皮を持つ品種
  • 皮ごと食べられて酸味が少なく、甘味が強いため、食べやすい体臭品種として広く親しまれている
  • おもな国内生産地は山梨県、新潟県、山形県
  • 旬は9~10月にかけて
甲州
  • 日本国内で江戸時代から流通していた品種
  • 日持ちが良いのが特徴で、生食の他に近年では日本産ワインの原料としても活用されている
  • おもに山梨県と山形県、大阪府で生産が行われている
  • 旬は9月下旬~10月下旬にかけて
ナガノパープル
  • 長野県が巨峰とリザマートを交配して作り出した品種
  • 巨峰やピオーネより小ぶりな紫色の実をつけ、種ありだが皮ごと食べられる
  • 2005年頃から市場に出回るようになった
  • 長野県オリジナル品種であるため、主な生産地は長野県
  • 旬は9月いっぱい
キャンベルアーリー
  • 黒に近い紫色の厚い皮が特徴の品種
  • 皮が剝きやすく、生のまま食べればさわやかな酸味と控えめな酸味を味わえるとして人気がある
  • おもな産地は岩手県、青森県、宮崎県
  • 色が濃いため加工品にも向き、ジュースやワイン、ジャムの原料にも使われる
  • 旬は8月
クイーンニーナ
  • 赤い皮を持つ、大粒の品種
  • 安芸津20号と安芸クイーンを交配した品種で、流通が始まったのは2009年頃から
  • 種なしで皮ごと食べられるうえ甘味が強いとして、注目を集める
  • 国内での主な生産地は長野県、鹿児島県、山形県
  • 旬は9月下旬~10月上旬にかけて
レッドグローブ
  • 赤くパリッとした皮が特徴的な品種
  • ヨーロッパ系のぶどうに分類されるが、現在では主にアメリカやチリで栽培されている
  • 日本での流通は輸入品が主で、国内生産はほとんどない
  • 旬はアメリカ産のものなら9~11月、チリ産のものなら12~翌年6月にかけて

ぶどうの栄養にはどんな効果が期待できるの?

ぶどうに含まれる代表的な栄養成分と、それぞれに期待できる健康への効果は以下の通りです。

ブドウ糖

ぶどうの甘味を作り出す栄養成分。体や脳を動かすためのエネルギーとなる成分で、他の糖類と比べても体内への吸収・代謝効率が良いため以下の健康効果が期待できます。

  • 迅速な疲労回復、エネルギー補給

有機酸

ぶどうの酸味を作り出す成分。具体的には、ぶどうに含まれている酒石酸とリンゴ酸のことで、以下の健康効果をもたらしてくれます。

  • 悪玉菌の増殖を抑制し、善玉菌を活発化させて腸内環境を整える
  • 整腸作用によって便通を改善し、便秘や便秘が原因で起こる疾病・不調を予防する
  • 加齢による細胞の劣化、酸化を防ぎ、全身を若々しく健康な状態に保つ
  • エネルギー代謝と疲労物質である乳酸の低減を助け、疲労回復を促進する

ペクチン

複合多糖類に分類される栄養成分。殺菌の他、細胞の腫瘍化や血液が固まるのを防ぐ効果が認められているため、以下の健康効果が期待できるとされます。

  • 腸内環境を整えて便秘を改善し、免疫機能を正常に保つ
  • 細胞のがん化を抑え、がんの発病や多臓器への転移を防ぐ
  • 血中のコレステロールを取り除いて、血液をサラサラにして高血圧や動脈硬化を予防する

ポリフェノール

ぶどうに含まれるアントシアニンは、日光から自身を守るために作りだされるポリフェノールの一種。

特に、紫色や赤色ぶどうの皮に多く含まれる抗酸化・発がん抑制作用を持つ栄養成分です。
細胞を若く健康な状態に保ち、血液をキレイにする作用があるとされ、以下の健康効果を期待できます。

  • 粘膜の正常化を促すことによる、視力の回復や維持
  • 血管や内臓を若々しい状態に保ち、がんになるのを予防する
  • 血液をきれいにして、高血圧や高脂血症、動脈硬化になるのを防ぐ

また、ぶどうにはタンニンも豊富。ワインの渋み成分として知られるタンニンには殺菌・抗菌作用があり、感染症への免疫力を上げてくれると考えられています。

カリウム

体内の水分・塩分を適切に保つ作用のある、ミネラル類の一種。腎臓の働きを助け、余分な水分と塩分を尿として排出するのを助けるため、以下の健康効果があります。

  • 細胞の浸透圧を適性に保つ
  • 腎臓の働きを助け、余分な塩分と水分を尿として排出する
  • 体液の量を適切に保ち、むくみや高血圧を改善する
  • 尿と一緒に熱も排出して、熱中症や夏バテを防ぐ

ビタミン類

ぶどうには、以下複数種類のビタミンが豊富です。ビタミン類は細胞や神経の働きを助け、私たちの心身の健康維持に役立ってくれます。

ビタミンB1
体内で糖質のエネルギー代謝に影響し、疲労回復を促す
ビタミンB2
体内で脂肪とタンパク質のエネルギー代謝、細胞の再生を助ける
ビタミンE、ビタミンC
抗酸化作用により血管や脳、内臓を健康に保ち、疾病を予防する

ぶどうのおすすめの食べ方と食べるときの注意点は?

ぶどうは、冷やしすぎるとせっかくの甘味を感じられなくなります。
生で食べるときは、常温で保存の上食べる1時間前に冷蔵庫の野菜室に入れるか、直前に冷水に漬けるのがおすすめです。

保存するときは、房のままなら1房ずつ新聞紙や紙袋にくるんで。1粒ずつばらして保存するなら、傷つけないよう取り外した後、密閉袋に入れてください。
また、ぶどうは枝に近い上部の方が甘くなっています。ぶどうの実は下、お尻の方から枝のある上部に向けて食べていくと、最後まで甘味を味わうことができますよ。

生食以外では、他の果物と一緒にミキサーにかけてジュースにしたり、砂糖やレモン汁と一緒に鍋で煮詰めてコンポートやジャムにするのも良いでしょう。

以下に、栄養的に見てぶどうと食べ合わせの良い食材と狙える健康効果をまとめておきましたので、食べるときの参考にしてくださいね。

栄養的に見て、ぶどうと相性の良い食材
  • パパイヤ、パイナップル、アロエ…胃腸を整える
  • 大根、アスパラガス、カボチャ…血液の流れを良くし、高血圧や動脈硬化を防ぐ
  • キュウリ、セロリ、フキ、カレー粉…腎機能の向上、利尿作用
  • サクランボ、キウイ、牛肉…関節痛、神経痛の改善

なお、お店でおいしいぶどうを見分けるポイントは、以下の通りです。参考にしてください。

おいしいぶどうの特徴
  • 皮の色が鮮やかで、実にハリがあってみずみずしい
  • 枝があまりしなびておらず、青い部分も見られる
  • 皮の表面に、実を乾燥や病気から実を守るための白い粉「ブルーム」がまんべんなく付着している

皮表面のブルームを洗い流すと、ぶどうの鮮度は落ちてしまいます。保存中は実を傷つけないように気を付け、洗うのは食べる直前にしましょう。

おわりに:適切な保存法と冷やし方で、ぶどうの栄養を美味しく食べよう

ポリフェノールやブドウ糖、有機酸や複数のビタミンを含むぶどうは、栄養的に見て健康に良い果物と言えます。とても甘く食べやすいため、おいしいデザートやおやつとして生食するだけで、十分な健康効果が狙えるでしょう。ただ、よしおいしく効率的な栄養摂取をめざすなら、適切な保存法と冷やし方・食べ方を知っておく必要があります。本記事を参考に、ぶどうの基本的な選び方や扱い方を覚え、健康管理に活かしてくださいね。

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