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養殖ウニがユニークでおいしい!神奈川県のキャベツウニや北海道浜中産のウニが話題

養殖ウニのイメージ画像 グルメでケア
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会席料理やお寿司などに使われる、日本人にとってなじみ深い高級食材のウニ。天然ものの稀少性の高さゆえ高価であり、ごちそうというイメージの強いウニですが、近年では養殖も行われていることをご存知でしょうか。
今回は養殖ウニについて、ウニそのものの味や栄養、生物的な特徴と一緒に紹介します。

ウニは動物?私たちが食べるウニの種類って?

ウニは世界におよそ960種、日本の海域には150種ほどが生息する海洋生物であり、「動物」の一種です。
体の中心から放射状に5つの組織が並ぶ五放射相称(ごほうしゃそうしょう)を特徴とし、ヒトデやナマコなどと同じ棘皮動物に分類されます。
殻に生えたトゲを使って動き、食事と排泄、生殖も私たち人間と同様に行っているんですよ。

ウニは南極や北極圏の寒冷な海から赤道直下の温かい海まで、また浅いところから深いところまで、実に幅広い水温・水質の海に生息でき、岩礁や砂、泥に至るまでさまざまな海底にも適応しているため、非常にたくさんの種類が世界中で確認されています。

日本の食用ウニ

多種多様なウニのうち、日本近海で食用となるのはエゾバフンウニ、キタムラサキウニ、バフンウニ、ムラサキウニ、アカウニ、シラヒゲウニの6種類のみです。
食用ウニの6種類のうち、とくに食べられる機会が多いバフンウニ、ムラサキウニ、アカウニには、以下の特徴があります。

日本近海で獲れる、代表的なウニの特徴

バフンウニ
  • 馬糞に似た見た目から、この名がついた
  • 他のウニに比べてトゲが短く、身の色がオレンジに近い濃い黄色なのが特徴
  • 地域によってはアカウニと呼ばれることもある
ムラサキウニ
  • 殻の色が黒というよりも紫に近い色をしていることから、この名がついた
  • 身の色が白いため、白ウニと呼ばれることもある
アカウニ
  • 殻が赤いことから、この名がついた
  • 濃厚で甘味が強く、非常に美味しいが、流通量が少ない高級品
  • 産地だけで消費されてしまうことが多い

ウニの食べられる部分はどこ?

私たちがウニとして食べている殻のなかの黄色い部分は、ウニの生殖巣です。
ウニの生殖巣は、直径0.1㎜ほどの精子や卵が入った生殖小嚢(せいそくしょうのう)と呼ばれる小さな組織の集合体であり、殻の中に全部で5つ入っています。これに、繁殖期に向けて精子や卵を育てていくための栄養細胞が付随しています。
ウニはエサを食べると、繁殖期に向けて生殖巣内の栄養細胞に栄養を溜め込み、生殖巣ごと大きくなっていきます。

繁殖期が近づいてくると栄養細胞から生殖細胞の方へと栄養を送り、精子や卵を成熟させ、繁殖に備えますが、栄養細胞から精子や卵の方へ栄養が送られると味が落ち、うま味が減ることがわかっています。
私たちはウニの生殖巣のうち、特に栄養細胞をおいしいと感じ、食用としているということです。

ウニはおいしいだけじゃない!旬や体にいい栄養素って?

日本で食用とされている代表的なウニの旬は、それぞれの種類が産卵の1~2月前になる以下のタイミングです。

日本近海のウニの旬

バフンウニ
3~4月
ムラサキウニ
6~8月
エゾバフンウニ
7~8月
キタムラサキウニ
9~11月

ウニに含まれる栄養と健康効果

文部科学省の食品成分データベースによると、生ウニ100gあたりのカロリーは110キロカロリー程度です。卵や鶏レバーと同様に比較的コレステロール値の高い食材として知られ、100gあたりおよそ290mgのコレステロールが含まれています。
なお、ウニに含まれる代表的な栄養素と期待できる健康効果は、それぞれ以下の通りです。

脂質

DHA
  • ドコサヘキサエン酸のこと。サバなど青魚に多く含まれることで知られるオメガ3系脂肪酸
  • 必須脂肪酸のひとつで、人間の体内で作りだすことができない
  • 食事から積極的に摂取することにより、脳や神経の働きを活性化させて集中力や記録力、認知能力を高める効果が期待できる
EPA
  • エイコサペンタエン酸のこと
  • DHAと同じく、青魚などに含まれる必須脂肪酸の一種
  • 積極的に摂取することで血中の中性脂肪値、コレステロール値を減らし、高血圧や血栓症、また血栓による動脈硬化や心筋梗塞などを防ぐ効果が期待できる

アミノ酸

アミノ酸
  • 体内でのタンパク質の合成と心臓機能の向上、血行促進の作用がある栄養素
  • 貧血や高血圧、また心臓機能や血流の悪化が原因で起こる心筋梗塞など、生活習慣病への予防効果も期待できる

ビタミン類

ビタミンA
  • 脂溶性ビタミンの一種で「レチノール」とも呼ばれるもの
  • 眼精疲労の回復、視力の維持や改善をはじめ、内臓の粘膜や皮膚の機能を正常に保ち、免疫力を高める作用が期待できる
  • ただし、摂りすぎると肝臓に貯蔵され、肝障害の原因ともなるので過剰摂取には要注意
ビタミンB群
  • ウニには糖質代謝を促進するB1、皮膚や粘膜の健康を維持するB2、赤血球の生成に役立つB12と3種類のビタミンB群が含まれている
  • 食事から積極的に摂取することで生活習慣病や貧血、うつ病を予防する効果が期待できる
ビタミンE
  • 脂溶性ビタミンの一種
  • 高い抗酸化作用により活性酸素の働きを抑え、体内細胞の老化や酸化、血流の悪化による生活習慣病を予防する効果が期待できる
タウリン
  • 心臓や肝臓の機能向上に役立つ栄養素
  • 具体的には二日酔いや高血圧の改善、疲労回復促進効果を期待できる
  • 人間の体内でもタンパク質の分解時に作ることができるが、体に必要な量には足りないので、食事で積極的に摂ると良い

上記から、ウニに内臓の機能維持やアンチエイジング、生活習慣病予防など私たちの健康に役立つ栄養素が豊富に含まれていることがわかりますね。
1日あたり100g以下の摂取量であれば、各栄養素を過剰摂取する心配はありませんので、体に良い食材といえるでしょう。

高級食材のため、1回の食事で大量に食べることはあまりないかもしれませんが、ウニの食べ方には注意が必要です。お寿司やパスタなど炭水化物と組み合わせて食べると高カロリーになりますし、粒ウニ、練りウニなどの加工品を食べれば、どうしても塩分摂取量が多くなります。
ウニは組み合わせる食材を工夫し、カロリーと塩分摂取量に注意しつつ食べてください。

関連記事:ウニの栄養効果とおすすめの食べ方とは?

ウニの養殖方法は?廃棄キャベツが活用されているって本当?

さて動物、食材としてのウニについて理解できたところで、ここからはウニの養殖状況について理解していきましょう。

2021年3月現在、養殖ウニの市場規模は比較的小さく、一部地域でのみ行われています。基本的な養殖方法は、幼生と呼ばれる赤ちゃんの状態から直径2㎝くらいになるまで人の手で育て、エサとなる海藻が豊富な海域へ放流するというものです。自然界で出荷できる状態まで育てた後、潜水器を使って採取し市場へ出荷します。
また、稚ウニを放流せず養殖かごへ移し、海藻などのエサを与えて出荷できるサイズまで育て、水揚げする方法もあります。

なおウニの養殖は、いずれの方法であっても天然資源の確保を考慮して行われます。稚ウニを放流して自然界に生息するウニの数をある程度確保しつつ、獲りすぎないように漁獲するという適正管理の考えのもと生産されているのです。

しかし近年、海水温の上昇が続いたためにウニが活性化した状態が続き、海中の海藻を食べつくしてしまう「磯焼け」の問題が深刻化しています。そこで、増えすぎたウニを捕獲してエサを与え、出荷する取組みも行われています。

神奈川県水産技術センターでは2017年、駆除対象となったムラサキウニに廃棄予定のキャベツをエサとして与え、育成する実験が行われました。すると、エサ不足で生殖巣がほとんどなかったウニの身入りが、2%から17%にまでアップしたと言います。
以来、ウニに海藻以外のエサを与えて育てる手法は、ウニの新しい養殖方法として注目を集めています。

神奈川県の「キャベツウニ」が商標登録へ

雑食性のムラサキウニは、海藻以外にもエサを食べる習性があります。これを利用し、神奈川県では周辺海域で磯焼けを起こしているムラサキウニを捕獲し、野菜やマグロなど26種類もの食材を与える実験を行いました。
その結果、周辺海域で獲れるムラサキウニについて以下の事実がわかってきました。

キャベツをウニに与えた結果

  • 近海のムラサキウニが、特に葉物野菜を好んで食べる
  • 県内産の廃棄予定のキャベツを与えると、よく食べ身の入りが良くなる
  • ウニ1匹にキャベツ1玉程度を与えると、出荷できるほど生殖巣が大きくなる
  • キャベツを与えたウニには甘く、磯臭さもなくなり、食べやすい味になる
  • 近海のムラサキウニが栄養を蓄える時期と、春キャベツの最盛期が4~6月と重なるため、養殖で使いやすい

これを受けて、神奈川県では廃棄キャベツを与えて短期養殖したウニを「キャベツウニ」と名付け、商標を登録し、2018年より少しずつ品質、生産量を高め、地域のブランド品として飲食店での提供、スーパーなどでの販売を強化しています。
またキャベツ以外にも、白菜やブロッコリー、アスパラガスなど、県内で各地域の特産野菜を活用したウニの養殖が進められています。

▼ キャベツウニについて|神奈川県

目印はルパン三世!北海道浜中町の「浜中養殖うに」

キャベツウニの他に、ブランド化されている養殖ウニとして「浜中養殖ウニ」があります。浜中養殖ウニは、北海道浜中町で育てられるブランド養殖ウニです。
沿岸の海中に沈めた養殖かごのなかで、同じく沿岸で育った良質な昆布だけを食べて育ちます。

パッケージには浜中町にちなみ、同町出身の漫画家である故モンキー・パンチさんの生み出したルパン三世のステッカーを使用しています。
ルパン三世のステッカー付きのウニは、浜中町産の養殖ウニだと覚えておいてくださいね。

▼ 浜中養殖うに

おわりに:天然ものよりおいしいかも⁉各地で養殖されるウニを食べてみよう

稀少性が高い食材である一方で、近年の海水温上昇によって増えすぎ、磯焼けを起こす海の厄介者としても知られるウニ。しかし2017年以降、駆除対象となったウニに廃棄予定の野菜を与えて短期養殖したり、近海で獲れる良質な昆布を与えておいしく育ててから出荷される養殖ウニが注目を集めています。天然ものよりも苦味や臭みが少なく、甘くおいしいとも言われる各地の養殖ウニを、ぜひ食べてみてください。

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