サイクリングやランニング、筋力とレーニングなど、一般的に運動とイメージされることをしなくても、登山をすると健康になれると言われています。
今回は登山にどんな期待できる健康効果について、登山によってもたらされる心身へのメリット、登山中に心がけるべきことと合わせて紹介していきます。
登山をすることで体にどんなメリットがあるの?
登山は朝から夕方までの長時間にわたって歩き、かつ、勾配した道を進むためにお尻・太ももなど下半身の大きな筋肉を使って行うアクティビティです。
このため、ウォーキングなどたくさんの酸素を取り入れて行う有酸素運動と筋肉に負荷をかけて大きくする筋力トレーニング、その両方の要素を併せ持っています。
有酸素運動と筋力トレーニング、これらを登山として長時間かけて行うメリットとしては、以下が挙げられるでしょう。
効率的に筋力増強ができる
たくさんの酸素を取り入れながら全身を動かし、勾配のある道のりで程よく下半身の筋肉に負荷をかけられる登山は、筋肉量を増やすのに最適な運動です。
ダイエット効果が得られる
有酸素運動には、血中の脂肪や糖をエネルギーとして消費し、さらに体内に蓄積された脂肪を燃焼させる作用があります
また、筋肉量が増えると生命を維持するために消費される最低限のカロリー「基礎代謝量」が増え、最低限の日常生活で消費するカロリー量が増えてきます。
有酸素運動による脂肪燃焼効果と、筋肉増強による基礎代謝の向上。この2つの効果により、登山を通してダイエット効果や痩せやすい体を得られるというわけですね。
さまざまな健康効果が得られる
体にたくさん酸素を取り入れる有酸素運動では、肺など呼吸器の機能が強化されます。
さらに、適度な負荷の運動を数時間続けて行うため、血液に乗せて全身に酸素を送る心臓・血管の機能も高くなっていきます。
ここに、先述した糖や脂肪の燃焼、基礎代謝の向上作用が加わると、登山によって以下のような複数の健康効果を得られると期待できるのです。
- 登山によって獲得が期待できる健康効果
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- 血糖値、血圧、血中のコレステロール値の低下・正常化
- 血流促進と筋肉増強により、基礎体温が上がり免疫機能も向上する
- 体温上昇により内臓の働きが活発になり、不調や冷えを感じにくくなる
- 血管が柔軟になるため、血管の詰まりで起こる循環器疾患予防になる
ウォーキングに近い感覚で、しかし歩くよりも高負荷の運動を長く続けられる登山は、効率的にカロリー消費・筋肉増強ができる魅力的な運動方法なのです。
登山は心の健康にも役立つ!?
脳を含む全身への血流をアップさせ、景色や香り、音、感触など五感にも刺激を与える登山は、心にも良い影響を及ぼします。
例えば、歩いている間に感じる樹木や草、花の香り。これら植物の香りには、フィトンチッドと呼ばれる成分が含まれ、私たちをリラックスさせてくれます。
嗅覚以外にも、視覚からは目にやさしいとされる緑色の景色が、聴覚からは法則性のあるゆらぎを含んだ川のせせらぎ、葉のかすれる音、鳥の声が癒しを与えてくれるでしょう。
いつもと違う香り・景色・音に囲まれた状態は、日常のストレスから解放されたという転地効果、幸福感をもたらし、幸せな気分にしてくれます。
脳に十分に酸素が行き渡った状態で、さまざまな癒しの要素に触れることで、私たちの生命活動・心の状態を司る自律神経の働きも正常化します。
すると、普段感じているストレスが発散・軽減され、脳からは幸せホルモンであるセロトニンが分泌されて、前向きな気持ちになれるのです。
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初心者が登山をするときに心がけることは?
ここまで、登山を心身の健康によい運動方法、魅力的なアクティビティとして紹介してきましたが、自然に分け入って行う以上危険も伴います。
初心者が楽しく登山をし、健康効果を得たいなら、以下の項目に注意してくださいね。
- 初心者が注意すべき、楽しく安全な登山のためのポイント
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- 山の難易度は標高だけで測れないので、必ず専門家・経験者に相談のうえ決めるべし
- 危険度が高いのは疲れの出る復路。しっかり登山計画を立て、明るいうちに下山すべし
- 山道に適応した靴や、体温調整用のウェアは必須。必要なものはきちんと揃えておこう
- 歩いてみると荷物を想像より重く感じることもあるので、あらかじめ散歩でテストしよう
おわりに:登山には、幅広い健康効果が期待できる
長時間、勾配のある山道を歩き続ける登山は、有酸素運動と筋力トレーニングを兼ねた良い運動となります。このため、登山を通して有酸素運動・筋力トレーニングから得られるさまざまな健康効果、ダイエット効果を幅広く得ることができるのです。ただし、自然に分け入る登山はジムで行う運動は違い、危険も伴います。きちんと経験者、または専門家のアドバイスを受けたうえで、必要な装備を揃えて挑戦してくださいね。
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