ホタテは回転寿司や居酒屋でも人気のメニューであり、世界的にも人気が高い食材です。日常で食べるホタテのほとんどは養殖ホタテといわれていますが、天然ホタテとどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、養殖ホタテと天然ホタテの違い、養殖方法による味の違い、国内の生産量ランキングとおすすめの養殖ホタテのお取り寄せ先を紹介します。
養殖ホタテの特徴と天然ホタテとの違い
ホタテはイタヤガイ科の二枚貝で、帆立貝が正式名称です。日本では、北海道から東北(日本海、太平洋ともに)にかけて生息しています。ホタテは、美味しいうえに高タンパク、高アミノ酸、低脂肪で、ミネラル類やビタミンB群も豊富です。
日本国内でも人気が高い貝類であり、世界からの評価も高く、ホタテの輸出額はトップクラスです。
流通しているホタテの多くは養殖ホタテですが、天然ホタテと養殖ホタテに味、食感、栄養の違いはほとんどないとされています。
海外でもホタテと近い種の貝を養殖していますが、日本の養殖ホタテの評価が圧倒的に高いようです。
味や栄養にはあまり違いはないされていますが、養殖ホタテと天然ホタテには以下のような違いがあり、見分けることができます(ただし、天然ホタテには純天然ものと稚貝を一定の大きさまで育ててから放流した「地撒きもの」と呼ばれる天然ものがある)。
養殖ホタテと天然ホタテの特徴の違い
養殖ホタテと天然ホタテでは、用途が違うことから、流通の段階で形状が違うことが多く、養殖か天然かパッケージに明記されるので、知識がない人でも購入に迷うことはないでしょう。外見や貝柱には、以下の特徴があります。
- 養殖ホタテの特徴
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- 養殖ホタテは動き回れないので、貝殻に付着物が多い
- 耳吊り方式で養殖されたものは、貝殻にヒモがついている
- 天然ホタテに比べると、若干味があっさりしていて、貝柱が細い
- 天然ホタテの特徴
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- 養殖ホタテに比べると、貝殻の付着物が少ない
- 貝殻にヒモがついてない
- 養殖ホタテに比べると、味が濃く、貝柱が太い
ホタテの養殖方法と出荷までの期間
ホタテの養殖方法には、地撒き方式(天然の生育環境に近いため天然ものとされる)、耳吊り方式、垂下方式があります。出荷までの期間は、地域や管理体制、養殖環境によって異なりますが、耳吊り方式、垂下方式の養殖ホタテは2年程度、地撒き方式のホタテは3年程度で成貝になります。
- 地撒き方式
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- ホタテの稚貝を採苗器(ネット状の専用機器)に付着させて、貝殻が約3cm以上になるまで育てて天敵に襲われないようにする養殖方法
- 天然ホタテ(純天然)の生育環境とほとんど変わらない状態で育つため、天然ホタテとされることが多い
- 運動量が多いため貝柱が太く弾力があり、味も濃厚
- 一般的には貝柱製品として流通する(刺身、干物など)
- 耳吊り方式
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- ホタテの貝殻の耳部分に穴をあけてヒモを通し、ロープに結びつける養殖方法
- 貝殻に付着物がつくので一見汚くみえるが、味には遜色がない
- 天然ホタテに比べて、砂が少なく身がやわらかいので食べやすい
- 一般的にはワタ付きボイルのホタテや刺身用の貝柱として流通する
- 垂下方式
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- ホタテの稚貝を網に入れて育てる養殖方法
- 耳吊り方式とあわせて垂下方式と呼ぶこともある
- 貝殻の耳に穴があいていなくヒモがついていないところ以外は、耳吊り方式の養殖ホタテと特徴が似ている
- 砂が少なく身がやわらかいので、耳吊り方式と同様、ワタ付きボイルのホタテや刺身用の貝柱として流通することが多い
養殖ホタテの生産量ランキング|北海道、東北で独占、青森が日本一
天然ホタテの水揚げ量は、北海道が約90%のシェアを占めています。養殖ホタテのシェアは、北海道と東北が独占状態です。2019年の養殖ホタテの生産量は、日本一が青森県で、北海道、宮城の順になっています。
順位 | 都道府県名 | 生産量(シェア) |
---|---|---|
1位 | 青森県 | 9万8448トン(68.1%) |
2位 | 北海道 | 4万884トン(28.3%) |
3位 | 宮城県 | 3343トン(2.3%) |
おすすめのホタテお取り寄せ先|都道府県別、養殖、天然別で紹介
北海道 天然ホタテ
野付・根室産天然ホタテ
- 北海道東部、根室管内にある野付地区と根室地区で獲れる天然ホタテ(地撒き方式)
- 4年〜5年かけて育つので、プリプリで歯ごたえが良く甘みも強い
- どんな食べ方でも美味しく食べられる
北海道厚真町 純天然ホタテ
- 3年に1度しか獲らないので食べられるのも3年に1度
- 純天然ホタテ特有の濃厚な旨味と歯ごたえは絶品
- 前回は2020年に販売が終わったので、しばらく時間がかかる
▼ 三年に一度出会える「純天然ホタテ」ー北海道厚真町|北海道食べる通信
北海道 養殖ホタテ
北海道噴火湾養殖ホタテ
- 下垂方式(耳吊り方式)の養殖ホタテ
- 北海道2大ホタテ漁場のひとつ
- 噴火湾全域で養殖しているので、食べ比べるのもおもしろい
▼ 北海道 噴火湾産のホタテ貝をお取り寄せ! 漁場通販|さかなだマート
サロマ湖産養殖ホタテ
- サロマ湖は汽水域があり、ホタテの養殖が可能(耳吊り方式)
- 身が引き締まっていて、ほのかに海の香りがするのが特徴
- 甘みもあり、生産量が安定しているのでお取り寄せしやすい
青森県 養殖ホタテ
陸奥湾ホタテ
- 海水の栄養が豊富なため甘みが強い
- グリコーゲンなどの栄養も豊富
- 夏と冬の味の違いを楽しめる
宮城県 養殖ホタテ
女川ホタテ
- 宮城県女川湾の養殖ホタテ(耳吊り方式)
- 濃厚な甘みと強い旨味が特徴
- 身が肉厚のため、食べごたえ抜群
岩手県
山田湾産ホタテ
- 岩手産の養殖ホタテは生産量が少ないのでレア
- 弾力が強く、甘みが濃厚
- 加熱調理すると更に旨味が濃厚になる
おわりに:日本で流通するホタテはほとんど養殖ホタテ。違いはあるが味には遜色ないので好みのホタテを見つけよう
ホタテは日本だけではく、世界中で人気の貝です。日本産のホタテはとくに評価が高く、輸出額も上昇しています。天然ホタテと養殖ホタテの味の違いが気になるところですが、現在は天然ホタテも地撒き方式というある程度の大きさまで育てて放流する養殖方式をとっているので、純粋の意味の天然ホタテ(純天然ホタテ)は非常に少ないです。
天然ホタテと養殖ホタテ(耳吊り方式、下垂方式)は、それぞれ違ってメリット、特徴がありますが、どちらが劣っているということはありません。どちらも同じくらい美味しいので、お取り寄せするときは、産地や養殖方法などをチェックして、自分の好みの養殖ホタテ、天然ホタテを選ぶようにしましょう。
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