天候が変わりやすい山に入る際に不可欠な装備のひとつに、レインウエアが挙げられます。
今回は、登山に使用するレインウエアの適切な選び方を解説。また、レインウエアと一緒に山に持っていきたいおすすめのレイングッズも紹介していきます。
雨の日登山は特別な服装など準備が必要
山は、平地に比べ天候が変わりやすいという特徴があります。麓では晴れていたのに、山に入り登っている間に大幅に天候が崩れる、ということも珍しくありません。
雨のなかの登山には、晴天時にはない以下のような危険が潜んでいます。
雨天時の登山のリスク
低体温症を発症しやすくなる
標高の高い山中では、平地に比べ涼しいもの。この状況で雨が降り、服や肌が濡れると、気化熱で体温が奪われ低体温症を発症するリスクが高くなります。
視界不良による事故リスクの上昇
天候が悪くなると、雲や霧、雨のせいで山中での視界は悪くなってしまいます。
そうなると自分の歩いている場所・方向がわからなくなったり、足元が見えず登山道を踏み外すなどして、遭難や滑落などの事故にあうリスクも高くなるのです。
栄養不足や脱水に陥り勝ちになる
登山中には、栄養や水が不足しないよう定期的に補給する必要がありますよね。
しかし雨が降っていると、ただ歩いているだけで体力を消耗したり、レインウエアの中で大量の汗をかくなどして、栄養・水分不足に陥りやすくなります。
雨が降っているなか、座って休むこと自体がおっくうになったり、先を急ぐあまり栄養や水分の補給を忘れてしまうこともあるでしょう。
このため、本人も気づかないうちに栄養不足・脱水状態に陥って動けなくなったり、疲労が蓄積し事故を起こしてしまう可能性が高くなります。
リュックの中身が濡れてしまう
登山時には着替えやテント、食料をリュックに入れて持参するのが一般的です。
しかし雨に長時間濡れ続けていると、レインカバーを通り抜けてリュックに水分が染み込み、中の荷物がダメになってしまう恐れがあります。
雨天時のリスクを軽減するためにも、登山時にはしっかりとした雨対策が必要と肝に銘じておきましょう。
登山のレインウエア選びのポイント
登山用のレインウエアを購入するときに、最低限おさえるべきポイントは以下の通りです。
- 上着とズボンに分かれた、セパレートタイプのもの
- 防水性はもちろん、内側に溜まった水蒸気を外部に逃す透湿性に優れたもの
- 服の上から着ることを前提にした、余裕のあるサイズのもの
- 脇の下など、熱がこもりやすい箇所に換気口(ベンチレーター)がついているもの
- 登山靴を履いたままでも着脱しやすい、裾にジッパーのついたもの
- 持ち運びしやすい、軽量なもの
上記条件を満たすレインウエアであれば、初心者でも快適に雨天時の登山を乗り切ることができるでしょう。
一般的に、雨天時の登山を経験したことのない登山初心者は、デザインと価格を基準に購入するレインウエアの種類を決めてしまいがちです。
しかし、レインウエアのサイズ感や動きやすさ、透湿性は実際に着てみないとわかりません。
デザインや価格を重視するあまり、着心地や機能性を確認しないで安価なものを購入すると、いざ雨天のなか登山をする際に不快な思いをすることになります。
初めて登山用のレインウエアを購入するときには、必ず実際に販売店に行って店員さんからのアドバイスをもらい、試着するようにしてください。
そのうえで、多少高価でも快適に登山ができる素材・性能のレインウエアを選びましょう。
ゴアテックスは雨天向き?メリットは?
登山用のレインウエアによく使われている素材のひとつに、ゴアテックスがあります。
- ゴアテックス素材とは
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- ePTFEというフッ素樹脂から作られる「ゴアテックス メンブレン」という素材に、表地や裏地を張り合わせたもの。「ゴアテックス ファブリクス」とも呼ばれる
- ゴアテックス メンブレンに極小の穴が無数に空いているため、雨など外側からの水分を通さず、汗など内側からの水蒸気は逃がしやすい性質を持つ
- なおゴアテックスは、同素材を販売するアメリカのWLゴア&アソシエイツの商標名
つまり、ゴアテックス素材は防水性と透湿性、その両方に非常に優れた素材なのです。
このため、近年までは防水性・透湿性に優れた比較的高価なレインウエアは、そのほとんどがゴアテックス製のものでした。
しかし近年になって、ゴアテックスに匹敵するくらいの防水性・透湿性を持つ素材が、各メーカーによって開発されています。
ゴアテックス以外の防水性・透湿性に優れた素材の例としては、以下が挙げられるでしょう。
雨の日の登山アイテムはこれもおすすめ!
雨のなかでも快適に登山するために、レインウエアと一緒に用意してほしいアイテムとしては、以下が挙げられます。
- リュックにかけて、中の荷物が濡れるのを防ぐ「ザックカバー」
- 着替えや電子機器など、絶対に濡らしたくないものを浸水から守る「防水バッグ」
- 雨水や泥が靴の中に入ってくるのを防ぐ「登山用スパッツ」または「ゲーター」
- レインウエアと同じく防水性、透湿性に優れた素材でできた「防水ソックス」
- 麓での移動や、雨のなかお弁当を食べるときに役立つ「折り畳み傘」
- レインウエアと同じ、防水性と透湿性に優れた素材からできた「レインハット」
- 服やリュックに吹きかけて、撥水機能を高める「防水・撥水スプレー」
- 雨に濡れて、手から全身が冷えるのを防ぐ「レイングローブ」
予算に余裕があれば、これらのアイテムも購入し山に持っていきましょう。
いざ雨が降り出したら?安全に登山するための対策
もし、登山の最中に雨が降ってきてしまったら、以下の対策で安全を確保してください。
- 速やかにレインウエア、雨具を装着して、服や肌が濡れないよう保護する
- ヘッドライトをつけて、明かりと山中での視界を確保する
- 定期的に飲料、携帯食を摂取して脱水とエネルギー不足を防ぐ
迅速に上記の対策を取れないと、体が濡れて低体温症のリスクが高まります。
雨が降ったときにすぐ対応できるよう、レインウエアや携帯食、飲料はあらかじめ取りやすい位置にパッキングしておきましょう。
おわりに:登山用レインウエアは、ゴアテックスなど防水性・透湿性に優れた素材のものを選ぼう!
天候が変わりやすい山では、登山中に雨が降り出すことも多いです。このため登山の際には、必ずレインウエアなど雨具を持参する必要があります。登山用の雨具には、外部からの雨を通さない防水性と、汗が発する水蒸気をうまく逃がす透湿性の両方が求められます。初めて登山用のレインウエアを購入するときは、販売店で店員さんからのアドバイスを受けながら試着し、着心地や機能を確かめたうえで種類を決定してください。
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