ノルディックウォーキングとは、専用のポール2本を用いて行う歩行運動のことです。
今回はノルディックウォーキングがどのような運動か、期待できる健康効果や、正しく行うための注意点と一緒に解説していきます。
ノルディックウォーキングって?
ノルディックウォーキングは1997年春、フィンランドで考案されました。
その原型は、クロスカントリースキーの選手が雪のない夏の間、体力を維持・強化するためのトレーニングとして行っていた「スキーウォーク」。
ノルディックウォーキングは、運動強度が高くアスリート向けだったスキーウォークを、誰でも気軽に挑戦できるスポーツとして改良したものなのです。
スキーウォークとの大きな違いはポールと呼ばれる2本の棒の長さと、運動強度にあります。
スキーウォークでは、クロスカントリースキーで使うものと同じ長いポールを用いていましたが、ノルディックウォーキングではより扱いやすい短いものを使用します。
運動強度は低くなっていますが、エネルギー消費の大きい有酸素運動なので、5~10分続けて行えば下半身をはじめ腕・上半身まで全身への運動効果を実感できるでしょう。
このため発表以来、簡単で運動効果が高く、季節を問わず行えるスポーツとして認知され、ヨーロッパを中心に普及しています。
ノルディックウォーキングにはどんな健康効果があるの?
ノルディックウォーキングを行うことによる健康効果としては、以下が挙げられます。
全身運動で、効率的に筋力アップやカロリー消費ができる
ノルディックウォーキングでは、全身の90%の筋肉を動かし、一般的なウォーキングよりも30~40%多くカロリーを消費できることがわかっています。
このため、ノルディックウォーキングには効率的な筋力強化やカロリー消費による、以下の健康効果が期待できるでしょう。
- ノルディックウォーキングに期待される効果
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- 加齢やオフィスワークによる腰、膝など下半身の痛みや凝りの改善
- 肥満や体重増加、高血糖、高脂血症、高血圧の予防や改善効果
年齢や季節、体の状態にかかわらずフィットネスができる
ポールで体を支えて行うため、ケガや加齢のため下半身に痛みや不安がある人でも、体への負担を軽減しながら運動を続けられます。
これまであまり運動して来なかった人、他の運動を続けられなかった人でも行えるため、以下のような健康効果を得られると期待できます。
- 傷めた、弱い箇所をかばいながらも、全身にバランスよく筋肉をつけていける
- ポールを使うことで、膝や脊柱への負担を5㎏前後軽減できるとされる
- 子どもやお年寄り、病後のリハビリ中の人も自身の状態に合わせて負荷を調整しやすい
- 筋力や体力のない人でも、正しい歩行姿勢と呼吸法で無理なく長時間歩き続けられる
道具を使い仲間と行うので、スポーツとして習慣化しやすい
基本的にひとりで行うウォーキングやジョギングと異なり、ノルディックウォーキングはグループで歩調を合わせて行うことも多いです。
道具で体を支え、仲間とのコミュニケーションを精神的な支えとして行えるため、運動が苦手だという人でも健康習慣として続けやすいでしょう。
ノルディックウォーキングの歩き方は?
最後に、ノルディックウォーキングをするうえでの正しい歩き方とポールの選び方・使い方をご紹介していきます。
ケガなく、安全にノルディックウォーキングを楽しむための参考にしてくださいね。
- ポールの選び方・使い方
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- 自分に合ったポールの長さの目安は、身長×0.68で算出
- ポールを地面についたときに、ちょうど肘の高さにグリップがくるよう調節する
- 正しいノルディックウォーキングのやり方
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- ポールは、グリップのストラップに手を通したうえで軽く握る
- 歩いているときにすり抜けないよう、手はマジックハンドでグリップに固定する
- 胸を張って前を見据え、あごを引いて立つ(これが基本姿勢になる)
- 基本姿勢のまま、少し前傾姿勢になってやや広めの歩幅で歩く。前方へ体重移動をさせる感覚で歩くと、スムーズに歩ける
- 歩くとき、ポールを握った腕はしっかり前に振り出す。地面を突くときは、前後に出した両足の中間地点が目安。ポールで地面を後ろへ押すようにするのがコツ
上記のポイントをおさえ、1回あたり30分~1時間を目安にリラックスした状態でノルディックウォーキングを行ってください。
習慣化し、週に数回を目安に継続的に行えば、ノルディックウォーキングによる健康効果を実感できるでしょう。
おわりに:ノルディックウォーキングは全身を使う有酸素運動!習慣化すると健康効果を得られるかも
ポールで体を支えながら歩くノルディックウォーキングは、クロスカントリースキーの選手が行っていたトレーニングから生まれたエクササイズです。全身の90%の筋肉を使い、通常のウォーキングよりも効率的に運動効果・健康効果を得られると言われています。
ポールを使って行うため、傷めた箇所をカバーし体重を分散させながら取り組めるのも大きな特徴。体に負担が少なく、習慣化しやすい運動を探しているなら、おすすめですよ。
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