海の幸などのグルメ観光で人気の北陸エリアには、いくつも離島が存在します。内地と違って観光客が比較的少なく、静かに散策できるのが魅力ですが、「自然の中で癒されたい」という方に特におすすめなのが、福井県の「雄島」と石川県の「舳倉島」。各島でイチオシの森林浴スポットやパワースポットをご紹介していきます。
雄島の「大湊神社」-緑のトンネルと海を望む絶景
福井県・坂井市にある、越前海岸で一番大きな島「雄島(おしま)」は、地元の人から「神の島」と崇められるパワースポット。離島ですが、三国町の安島漁港から架かる朱色の「雄島橋」を歩けば上陸できる、内地からのアクセスが良好な島です。200mほどの橋を渡るとすぐ右手に、「大湊(おおみなと)神社」の石造りの鳥居が。
鳥居をくぐると、深い緑に囲まれた長い石段が続いています。石段の両側には、温暖な場所に生育する常緑高木・ヤブニッケイの原生林が広がっており、緑の木漏れ日が心地よい参拝路。雄島は風が強いため、ここ周辺のヤブニッケイは風を受け流しやすいよう、細くひょろっと曲がりくねっており、参拝路を空から覆うような緑のトンネルがつくられています。
石段を登り終えて右へ進むと、本社へと続く参道に。参道の周辺はタブノキが群生しており、樹齢1000年を超えていそうな古樹も多々見受けられ、「神の島」として、人の手がほぼ入らないまま悠久の時を超えた、雄島ならではの自然を体感できます。
散策路沿いに進めば、大湊神社に到着。雄島は古くから地元の人に「海の神様の島」と崇められており、海での無事を祈願して祀られているのが大湊神社です。
神社の歴史は古く、天正年間に織田信長によって一度社殿が焼失しましたが、江戸時代に藩主・松平忠直の命により再建されました。桃山様式を取り入れた杮葺が特徴的で、本殿・拝殿ともに県指定の重要文化財に指定されています。
海側には小さめの赤い鳥居があり、その先には東尋坊と日本海を一望できる絶景が。岩々が長い年月日本海の荒波に耐えて海岸性に形成した、自然の芸術品「柱状節理(巨大な柱状の岩)」も見どころの一つです。ここでゆっくり絶景を眺めながら、森林散策で疲れた体を癒してみては?
神秘の湧き水「瓜割の水」もおすすめパワースポット
西側の遊歩道を岩場のほうへ進むと、「瓜割(うりわり)の水」という不思議な湧き水があります。
雄島の雨水が地中に浸透し、地下水となって岩の割れ目に湧き出したもので、夏場でも瓜を入れると割れるほど冷たいことから、この名が付けられたそう。自然が作り出した神秘やパワーに触れられるスポットです。
雄島までのアクセス
- 住所
- 福井県坂井市三国町安島
- アクセス
- えちぜん鉄道「三国駅」からバスで20分
渡り鳥のオアシス「舳倉島」でバードウォッチング
能登半島の北方に浮かぶ離島、「舳倉島(へぐらじま)」をご存知でしょうか?
透き通った美しい海に囲まれ、海女による素潜りが伝承されていることから「海女の島」と呼ばれ、また多種の渡り鳥がここで休憩をすることから、バードウォッチングの穴場としても名高い島です。
日本でもここにしか来ない渡り鳥が多く、舳倉島で羽を休める鳥は300種を超えるという話も。春は東南アジアなど南方で繁殖するコウライウグイス、ヤツガシラ、秋はシベリア大陸で主に繁殖するユキホオジロやオオモズといった、季節それぞれの野鳥の姿が眺められます。
バードウォッチングがてらの島散策なら、4月下旬〜5月下旬の春の渡りのシーズンと、9月下旬〜10月下旬の秋の渡りのシーズンがおすすめ。島内には野鳥観察小屋もあるので、緑の中で休みながらのんびり野鳥を眺めたり、鳥のさえずりに耳を傾けたりしながら、癒しのひとときを送ってみてはいかがでしょうか。
舳倉島の宝「ケルン」も見どころの一つ
海女業が盛んな舳倉島ならではの見どころが、「ケルン」です。ケルンとは、海女が海に潜る目印の位置として、そして標高が低い島を少しでも高く見せ、海難事故を防ぐために積み上げた石群のこと。国土交通省により「島の宝100景」にも選定された、舳倉島を代表する景観です。
ケルンは島の数十箇所に点在するので、散策中に見つけて写真を撮るのも、観光の楽しみのひとつになりそうですね。
舳倉島までのアクセス
- 住所
- 石川県輪島市鳳至町海士町舳倉島
- アクセス
- 輪島港から船で約1時間25分
おわりに:「雄島」「舳倉島」は、離島ならではの自然や文化が残る穴場スポット
「雄島」や「舳倉島」はそこまでメジャーな観光地ではありませんが、現代でも手つかずの自然が多く残されており、島独特の文化にも浸れる希少なスポット。「静かな離島でのんびりリラックスしたい」という方に非常におすすめの島なので、都会の喧騒を忘れに訪れてみてはいかがでしょうか。
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