ピザやサラダのトッピングとして、またおつまみの一種として、黒色や緑色のオリーブの実を食べたことのある人は多いでしょう。
今回はオリーブの身に含まれる栄養について、食べることで得られる健康へのメリットや食べすぎることのリスクと一緒に解説します。最近は国産のオリーブも増えています。旅行のときのグルメやお土産探し、お取り寄せの参考にしてください。
オリーブの実にはどんな栄養が含まれているの?
オリーブの実は、地中海地方を原産地とするオリーブの木の実です。
乾燥に強い植物で、イタリアやスペインの食文化に深く根ざし、近年では香川県・小豆島でも盛んに栽培されています。
ビー玉より少し大きいくらいのサイズで、若い実は緑色、熟した実は黒色をしています。
実の熟し具合により、食感や塩漬けにしたときの味わい、オリーブオイルとして搾り取れる油分の量、含まれる栄養成分のバランスも変わってくるのが特徴です。
以下に、実の熟し具合による変化も踏まえてオリーブの身に含まれる栄養成分とその効果を簡単にまとめました。確認してくださいね。
- βカロテン
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- ニンジンやカボチャの色の下となっている成分で、ビタミンの一種
- 抗酸化作用が高く、体内でビタミンAとなって皮膚や粘膜を整え、免疫力や視力を向上させる
- オイルにすると失われてしまうため、実の状態でなければオリーブから摂取できない
- オレイン酸
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- 血中のコレステロール値を下げ、血液の流れを良くする栄養成分
- オリーブオイルに含まれる代表的な栄養として知られ、熟した黒いオリーブの実に豊富に含まれている
- その量は、実の成分の70~80%にもなると言われる
- ビタミンE
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- βカロテンと同じく、高い抗酸化作用が確認されている栄養成分
- 血管を拡張させ、全身の血流を改善するとともに、女性ホルモンの分泌バランスも調整する
- 食物繊維
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- 腸内でかさが増え、便の排出や腸からの糖・脂質の吸収を緩やかにしてくれる栄養成分
- 腸内環境を整え、さらに自律神経の働きや免疫力をも高める
- 実や皮の繊維質に含まれているのでオイルでは摂取できず、実からのみ摂取できる成分
オリーブの実を食べることで得られる健康的メリットって?
オリーブの実を食べることで得られる健康へのメリットとしては、以下4つがあります。
生活習慣病の発症予防
オレイン酸による血流の促進、またβカロテンやビタミンEが持つ抗酸化作用により、高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病への予防効果が期待できます。
また、生活習慣病が原因で血管が詰まる動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの循環器疾患の発症リスクも下げられるでしょう。
肌がきれいになる
抗酸化作用は、血管や臓器など生命活動に必要な箇所だけでなく、年齢による変化が現れやすい肌や髪にも影響を及ぼします。
血流の改善とホルモンバランスの調整により、肌のハリ感・潤いが増したり、顔色が良くなるなどの美肌効果が得られるでしょう。
アンチエイジング
抗酸化作用は、加齢による細胞の劣化・老化を抑制する作用でもあります。
このためオリーブの実を積極的に食べると、肌や髪など目に見える部分はもちろん、血管や内臓も含めて、体を実年齢より若い状態に保てるようになります。
便通が良くなる
食物繊維の他、オリーブに含まれるオレイン酸も腸内環境の整備に有効な成分です。
このため、オリーブの実を食べると便秘の解消、さらに腸内環境が整うことによる肌荒れの改善、免疫力アップなどの効果を得られるとされます。
オリーブの実を食べてもいいのは1日何個まで?
食べると健康と美容へのメリットが得られるオリーブの実ですが、1日当たりの適切な摂取量の目安は5個までと言われています。
これは、オリーブの実そのものに多量の油分が含まれていること、塩分と油分の過剰摂取につながる恐れがあるためです。
日本で食べられるオリーブの実の大半は、塩漬けかオイル漬けですよね。
このため、1日に大量にオリーブの実を食べると、1日当たりの適切な塩分・油分・カロリーの摂取量をすぐにオーバーしてしまうのです。
どんなに体に良いものでも、食べすぎるとかえって体に害を及ぼします。「過ぎたるは及ばざるがごとし」という言葉を肝に銘じ、適量を食べるようにしましょう。
おわりに:オリーブの実にはビタミン、オレイン酸、食物繊維たっぷり!
地中海を原産とし、オリーブオイルの原料でもあるオリーブの実には、抗酸化作用の高いβカロテンとビタミンE、オレイン酸、食物繊維がたっぷり含まれています。このため、適量のオリーブの実を継続的に摂ることで、生活習慣病予防やアンチエイジング、整腸効果が得られると期待できるのです。ただし、日本で食べられるオリーブの実の塩漬け・オイル漬けは非常にハイカロリーかつ塩分濃度が高いので、1日5個までにしてくださいね。
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