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スマはマグロみたいにおいしい高級魚!価格相場や愛媛の「媛スマ」とは?

グルメでケア
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(画像:愛媛県

スーパーや飲食店で「スマ」という名前の魚を見たことはありませんか。
今回は天然漁獲高が少なく、近年まで養殖ができなかった幻の魚・スマについて解説します。生物的な特徴や味わい、市場での取引価格や、世界で初めて養殖に成功した愛媛県産のスマの魅力を、今後の養殖生産への展望と一緒に見ていきましょう。

知る人ぞ知る絶品魚「スマ」の味や特徴は?

スマの生物学的分類、学名、生息域など、基本的な情報は以下の通りです。

スマの基本情報

分類
スズキ目サバ科スマ属
学名
Euthynnus affinis
漢字表記
縞鰹
大きさ
成魚で体長40~50㎝が平均だが、大きい個体は体長1m、体重10㎏にもなる
生息域
南日本など、比較的暖かい海域に生息
生体
大きな群れを作らず暮らしているため、大量に漁獲されることは基本的にない

体表にはサバのような縞模様、カツオのような背びれをしていて、尾びれ・頭のかたちはマグロに似た不思議な魚で、小型マグロの一種と言われています。極端に天然漁獲高が少ないことから、全国の市場にはほとんど流通していません。
まれに獲れても産地周辺でだけ流通するか、釣り上げた個人が食べてしまうそうです。

身の色はマグロに似たピンク色で、味はカツオ以上、高級なマグロに匹敵するといわれています。

スマに豊富に含まれる栄養素

見た目と同様、栄養価的に見てもサバ、カツオ、マグロの特徴をそれぞれ受け継いでいて、代表的なものではDHA・EPAを豊富に含んでいます。

DHA・EPA
  • どちらも青魚に多く含まれる脂質の種類
  • DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)。それぞれに血液をサラサラにして血流を促進し、動脈硬化や血圧上昇、高コレステロール血症を防ぐ作用がある
  • まだしっかりとした調査は行われていないが、スマにはサバ、マグロに含まれる以下量と同じくらい、豊富にDHAとEPAが含まれると考えられている
サバ、マグロとの比較
サバ100g中のDHA、EPA含有量…DHAは1,781㎎、EPAは1,214㎎
マグロのトロ100g中のDHA、EPA含有量…DHAは2,877㎎、EPAは1,288㎎

スマの味はマグロに似ている?一番おいしい旬はいつ?

スマは、脂乗りが良く、全身のどこを食べても濃厚な脂質とうま味を感じられ、マグロの中トロに非常に近いといわれています。クセがないため刺身や寿司はもちろん、火を通して揚げ物や焼き物にしても絶品です。
和食だけでなく、洋食にしてもおいしくいただけるため、さまざまな調理法で楽しめる「マグロの代用魚」として、近年注目を集めています。

スマの旬は、初秋から翌年の春にかけてですが、より濃厚な脂のうま味を楽しむなら水温が低下し、たくさんエサを食べて丸々と太る晩秋から初冬にかけて獲れるスマを食べるのがおすすめです。
さらに脂乗りが良くなり、特有のうま味を堪能できる晩秋から初冬にかけてが、スマを最もおいしくいただける旬の時期だと覚えておきましょう。

スマは手に入りづらいため価格が高い?相場はいくら?

天然漁獲量が少なく、希少価値の高いスマの価格相場は高級マグロの取引価格と変わらないほど高価だといわれています。スマは静岡県よりも南、西日本の漁港でまれに取引されますが、このときの価格相場は大きめの個体1匹あたり1,500~2,000円前後が目安となります。

また時期や質によっては、刺身1㎏あたり3,000円以上と非常に高値で取引されることも少なくありません。漁獲量の少なさ、また稀少価値の高さゆえに、スマの取引価格はどうしても不安定で高額になりやすいのです。

愛媛県がスマの養殖で有名!話題の「媛スマ」は通販で買える?

スマの養殖成功への取り組みは2012年、愛媛大学による研究から始まりました。その輪は県内で広がりを見せ、2013年には愛媛県でスマ養殖の共同研究が本格的にスタートし、2016年1月には愛媛県が日本初の養殖スマの出荷・販売に成功します。
さらに同年5月には完全養殖にも成功、7月には「伊予の媛貴海(いよのひめたかみ)」としてブランドの認定を獲得し、本格的に流通を開始させました。

スマ養殖は、養殖技術の進歩により2010年代に入ってから誕生した、新しい養殖分野です。このため、これから更なる技術の進歩と発展、流通量の増加と収益化が期待されるとして、養殖業界全体から注目を集めています。

2019年10月、愛媛県は2016年7月に発表した伊予の媛貴海に加え、県内で完全養殖し出荷される養殖スマの総称を「媛スマ」として流通させることを決定し、他県産の養殖スマとの差別化を図り、競争力を高めるとしています。

2021年2月現在、愛媛県で完全養殖された媛スマの稀少価値は未だに高く、一般的なスーパーで見かけることはまずありません。ただ、媛スマのなかには、愛媛県最南端の街である愛南町が生産するスマのように、通販で購入できるものも出てきました。

全国の市場に流通していない媛スマであっても、産地から直接取り寄せれば購入可能です。まだまだ手に入りにくい魚だからこそ、スマは通販を利用して確実に入手することをおすすめします。

▼ 媛スマ|愛南漁協

愛媛県愛南町の養殖スマ「伊予の媛貴海」がスゴイ?!和歌山の養殖業も注目!

日本初の完全養殖ブランドスマである伊予の媛貴海は、愛媛県産の各種完全養殖スマである媛スマが誕生した後も、トップブランド品として君臨し続けています。

伊予の媛貴海について

愛媛県が全国に誇るブランド養殖スマ、伊予の媛貴海の魅力は以下の通りです。

  • 媛スマのなかでも、一定の品質基準をクリアした個体にのみ与えられる称号
  • 背中側の身は中トロ、腹側の身は大トロのように脂が乗り、とろける口当たりが特徴
  • 全身に筋が少なくきめ細かいため、なめらかなで他の媛スマにない食感が味わえる
  • 一本買いできる手ごろな大きさで、和食から養殖までさまざまな料理で楽しめる逸品

媛スマのなかでも最高品質の食感、味を堪能したいなら、愛媛県愛南町で伊予の媛貴海の取り扱い認定店を訪れ、食べてみてくださいね。

和歌山のスマ養殖

また近年、愛媛県に次いでスマの養殖に注力している地域として和歌山県が挙げられます。和歌山県内ではもともとマダイの養殖生産が盛んでしたが、エサ代の高騰などを理由に事業者から初期投資が少なく、より効率的に生産できる魚種への要望が高まっていました。

これを受けて2012年、和歌山県内でも国立大学法人東京海洋大学、株式会社丸東、和歌山県水産試験場が共同でスマ養殖の研究を開始し、翌2013年にはスマの人工ふ化、また孵化させた稚魚の量産化に成功し、2014~2016年にかけて養殖スマの大量生産、流通に向けての準備を着々と進めています。

和歌山県のスマ養殖への取り組み

2014年
  • 人工種苗のスマ500尾を、海上の生け簀で越冬させることに成功
2015年
  • およそ100尾、体長が40㎝になるまで生存させることに成功
  • 収穫して身の食感や味を調査し、身質が良好であることを確認
2016年
  • 東京の日本橋三越本店、大阪の阪急うめだ本店、和歌山マリーナシティ黒潮市場の各店舗にて和歌山県産養殖スマをテスト販売

媛スマにならび、和歌山県産の養殖ブランドスマが通販で購入できるようになる日も近く訪れるかもしれませんね。

おわりに:養殖スマのパイオニアは愛媛県!全身トロのスマのおいしさを、産地から通販で購入して確かめよう

サバ、カツオ、マグロの特徴を併せ持つスマは、マグロの代用魚と期待されるほど味の良い魚です。ただ、天然漁獲高が非常に少ないため稀少価値が高く、市場にはほとんど流通していません。この現状を変える切り札として注目されているのが、2016年に愛媛県で初めて成功したスマの養殖生産です。愛媛県で完全養殖されたスマは「媛スマ」としてブランド化され、通販での購入も可能ですので、ぜひ購入してその上質な身を味わってみましょう。

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