砂糖には大きく、その色と見た目から白砂糖・黒糖の2種類に分けることができます。
今回は砂糖のうち黒糖の特徴を、白砂糖との違いや栄養、摂取することで得られる健康への効果と一緒に見ていきましょう。旅先のグルメやお取り寄せを楽しむときの参考にしてください。
黒糖と白砂糖にはどんな違いがあるの?
サトウキビを裁断・圧縮して絞った汁をろ過し、煮詰めて、冷やし固めてつくる黒色の砂糖のことを「黒糖」または「黒砂糖」と言います。
なお黒糖はその製法により、さらに純黒糖と加工黒糖の2種類に分類できます。
- 純黒糖とは
- 混ぜ物を一切せず、サトウキビのしぼり汁のみを加熱・濃縮して作られる黒糖のこと
- 加工黒糖とは
- 黒糖にショ糖、廃糖蜜(はいとうみつ)、ザラメなど別の糖分を加え、成分や甘味を調整して作る黒糖のこと
原料であるサトウキビの栽培に適した気候であることから、主に沖縄県や鹿児島県の離島で生産され、日本全国で流通しています。
対して白砂糖は、サトウキビから絞った汁から不純物を取り出し、精製加工を施したものです。
この不純物を取り除く工程により、白砂糖と黒糖には以下のような違いが生じます。
- 白砂糖と黒糖の違い
- 糖蜜など、うま味成分を不純物として取り除くため、白砂糖の方があっさりした甘味
- 糖蜜などのうま味成分が豊富なため、白砂糖に比べ独特の風味とコクのある味わいがある
- 含有する成分が少ない分、含まれる栄養成分も黒糖に比べ白砂糖の方が少ない
- 白砂糖よりも黒糖の方が、サトウキビが本来持つ栄養成分を余すことなく摂取できる
- さらっと甘味だけを足したいときには白砂糖が、甘さと一緒にコク・風味も出したいときは黒糖が適している
黒糖に含まれる栄養と期待できる効果って?
黒糖には、以下のような糖類・ミネラル類・ビタミン類の栄養成分が含まれています。
- 黒糖に含まれている代表的な栄養成分
- ショ糖、カルシウム、マグネシウム、リン、亜鉛、銅、カリウム、ビタミンB群、フェニルグルコシド、コクトオリゴ、ラフィノース
白砂糖の代わりに黒糖を日常的に摂取すれば、上記の栄養成分の働きにより、以下のような健康効果を得られるでしょう。
骨や歯の強化、骨粗しょう症予防
黒糖100gには、牛乳200cc分に匹敵するほどのカルシウムが含まれています。
また、微量ですがリンやマグネシウムなど骨の代謝を助ける他のミネラル類も含まれているため、骨や歯の強化、骨粗しょう症予防に役立ちます。
肌や髪の状態が整うことによる美容効果
ビタミンB群とコクトオリゴには皮膚や粘膜を保護し、肌を整える作用が期待できます。
また、マグネシウムや亜鉛、銅などの各種ミネラル類には血流や髪の発育促進作用があるため、肌や髪がきれいになる効果が期待できるでしょう。
便通改善、デトックス
ラフィノースには腸内環境を整えて便の排出を促進する効果が、そしてカリウムには体内の余分な塩分・水分を排出する作用があります。
このため、日常的な黒糖の摂取は便秘やむくみの改善、また整腸・デトックス効果による免疫力向上に効果的です。
生活習慣病予防
以下の栄養成分には、それぞれ高血圧と糖尿病、肥満などの生活習慣病の発症予防・改善に効果的な作用があります。
- カリウム
- 血圧の上昇抑制、低下
- フェニルグルコシド
- 糖の体内への吸収、血糖値上昇を緩やかにする
このため、調味料として毎日黒糖を使えば、白砂糖を使った場合と比べて生活習慣病を発症するリスクを下げられると考えられます。
脳の活性化と疲労回復
黒糖の主成分であるショ糖は、体内に入ると素早くブドウ糖と果糖に分解されます。
ブドウ糖は、脳を動かすメインエネルギーとなる糖です。
ショ糖からブドウ糖への分解スピードは、同じく黒糖に含まれるビタミンB群・ミネラルの働きによるさらに促進されます。
このため、心身が疲れたときに黒糖を食べると、速やかな疲労回復・脳の活性化が期待できるのです。
おわりに:黒糖には、白砂糖にない栄養成分がたっぷり含まれている
製造過程で不純物を取り除く白砂糖に比べ、サトウキビの成分をほぼそのまま摂取できる黒砂糖には、糖以外にミネラルやビタミンB群などの栄養成分が豊富に含まれています。
このため日常的に食べれば、脳の活性化や速やかな疲労回復、骨粗しょう症予防、美肌、生活習慣病予防など私たちの体にうれしい効果をもたらしてくれるのです。食べすぎには注意しつつ、毎日の料理やおやつに黒糖を取り入れてみましょう。
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