京都観光の定番といえば、美しいお寺巡り。京都の数々の寺院では、風情ある庭園や世界遺産、景色を楽しめるだけでなく、伝統的に受け継がれてきた「精進料理」も味わうことができます。そこで今回は、観光だけでなく食事まで楽しめるおすすめのお寺をご紹介していきます。
天龍寺「篩月」/京都市・右京区
京都屈指の観光地・嵯峨嵐山にある天龍寺。1339年に足利尊氏が創建した歴史あるお寺で、重要文化財として世界遺産に登録されています。
天龍寺の見どころといえば、法堂(はっとう)の天井にある、日本画家・加山又造氏が描いた「雲龍図」。9mもの龍が今にも絵から飛び出してきそうなほどの迫力があります。また、日本最古の回遊式庭園とされる「曹源池庭園」は、四季折々の風景を楽しめる大人気の観光スポットです。
この天龍寺では、精進料理のお店「篩月(しげつ)」を直営しています。美しい庭園の風景に囲まれながら精進料理をいただけるだけでなく、ミシュランガイド2019、2020に選ばれた実績も誇る一流の料理店◎。厳選された旬の野菜や山菜をふんだんに使った、季節感あふれる優しい味付けの精進料理が味わえ、身も心も癒されることでしょう。
献立は一汁五菜の「雪」コース、一汁六菜の「月」コース、一汁七菜の「花」コースの3種類。2名以上でご利用の場合、前日までに予約が必要です。下記の電話番号か、公式サイトの予約フォームから事前予約をとっておきましょう。
- 住所
- 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
- アクセス
- 京福電鉄嵐山線「嵐山駅」すぐ、JR嵯峨野線「嵯峨嵐山」駅から徒歩13分
- 電話番号
- 075-882-9725
- 営業時間
- 11:00〜14:00
- 定休日
- 年中無休
- 価格
- 3,300円、5,500円、8,000円(別途、庭園参拝料500円が必要です)
「大徳寺一久」/京都市・北区
京都で最も大きい禅寺の一つ、「大徳寺」。鎌倉初期に創建されたお寺で、一度荒廃した後、あのトンチで有名な一休さんの手で復興したそう。また、豊臣秀吉が織田信長のお葬式を行った寺院としても知られています。
大徳寺の山内には20以上の塔頭があり、美しい庭園で知られる龍源院・瑞峰院・大仙院・高桐院の4つが常時公開されています。高桐院の庭園には楓が多く、JRのCM「そうだ 京都、行こう」に使われたこともある紅葉の名所で、書院は千利休の住まいを移築したものです。
この大徳寺で御用達といわれる精進料理をいただけるのが、寺院近くに位置する「大徳寺一久(いっきゅう)」。落ち着いた大広間やお座敷、茶室で庭園を眺めながら、豆腐や野菜、お麩、味噌などを使った味わい深い精進料理を楽しめます。
大徳寺一久では名物・大徳寺納豆も購入できますが、精進料理を食べたい場合は事前予約が必須です。
- 住所
- 京都府京都市北区紫野大徳寺下門前町20
- アクセス
- JR京都駅から京都市バス205系統、206系統。あるいは地下鉄烏丸線で北大路駅から。
- 電話番号
- 075-493-0019
- 営業時間
- 12:00〜18:00(最終入店)
- 定休日
- 不定休(大徳寺の行事日程にあわせて休業)
- 価格
- 【昼〜夕方】大徳寺精進料理縁高盛(お弁当形式の精進料理)4,840円 【昼〜夜】大徳寺精進料理本膳(精進料理のお膳)8,470円、12,100円、14,520円(税・サービス料込)
龍安寺「西源院」/京都市・右京区
1450年に創建された京都の「龍安寺(りょうあんじ)」は、古都京都を代表する歴史的な建物として世界遺産リストに登録されている寺院です。
龍安寺といえば、見どころはなんといっても枯山水式石庭。白い砂利に直線や曲線、渦巻き模様が描かれた長方形の庭に、15個の石が配置されている美しく神秘的な石庭は、観る人の心を魅了します。
そして龍安寺の敷地内にある「西源院(せいげんいん)」では、豆腐料理を中心とした精進料理がいただけるのが嬉しいポイント。入口に「湯豆腐」の看板が掲げられているだけあり、湯豆腐を目当てに訪れる人もいるほど。四季折々の美しい庭園を眺めながら、湯豆腐付きの精進料理をゆっくり味わってみてはいかがでしょうか?
- 住所
- 京都府京都市右京区龍安寺御陵下町13
- アクセス
- 京福電鉄「龍安寺駅」から徒歩7分
- 電話番号
- 075-462-4742
- 営業時間
- 10:00~17:00
- 定休日
- 年中無休
- 価格
- 精進料理(湯豆腐付き)3,300円
萬福寺/宇治市・五ケ庄
宇治市にある「黄檗山萬福寺(おうばくさんまんぷくじ)」。一般的な日本の寺院建築とは異なる、中国の明時代末期頃の様式で造られた伽藍や建築手法、デザインが見どころの寺院です。伽藍は左右対称に配置されており、雨でも問題なく法式が行えるよう、すべてが屋根つきの回廊で結ばれているのがポイント。
萬福寺ならではの魅力は、伽藍のデザインだけではありません。他の寺院の精進料理とは異なる、「普茶料理(ふちゃりょうり)」を味わうことができます◎。
普茶料理とは、江戸時代に中国から伝わった精進料理の一種で、日本の山野に生まれた自然の恵みを植物油で調理した炒め物、揚げ煮などが大皿で提供されるのが見どころ。萬福寺の普茶料理を食べるには事前予約が必要なので、3日前の午前中までに電話連絡をお忘れなく!
- 住所
- 京都府宇治市五ケ庄三番割34
- アクセス
- JR奈良線「黄檗駅」、京阪宇治線「黄檗駅」から徒歩5分
- 電話番号
- 0774-32-3900
- 営業時間
- 11:30~14:30(最終入店は13:00まで)
- 定休日
- 年末年始/お盆(諸行事等の際も休業の場合あり)
- 価格
- 3,000円、5,000円、7,000円のコース料理など(別途、拝観料は必要)
おわりに:そうだ、京都で精進料理も食べよう!
せっかく京都まで観光に行くなら、美しい寺院や庭園を眺めるだけでなく、そこでしか味わえない精進料理も楽しみたいところ。ご紹介したお寺に立ち寄る予定があるなら、身も心も癒される食事を堪能してみてはいかがでしょうか?
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