お弁当や朝食のおかず、汁物の具材や刺身など、さまざまなかたちで食卓にのぼる鮭。
今回は鮭の栄養価について、私たちの健康へ及ぼす影響と合わせて解説。種類による違いや、含まれる栄養成分を活かすための食べ方のコツと一緒にみていきましょう。旅先のグルメやお取り寄せを楽しむときの参考にしてください。
鮭は種類によってどんな違いがあるの?
日本で広く流通している鮭としては、大きく以下6種類が挙げられるでしょう。
銀鮭
- 日本を始めチリ、ロシア、アメリカなど世界各地で養殖されている種類
- 旬は日本産のものは4~6月、チリ産のものは11~1月
- 脂乗りが良くやわらかな身が特徴
- 特にチリ産のものがスーパーで切り身や塩じゃけとして安価で売られ、お弁当の具材としても使われる
紅鮭
- 他の鮭に比べ特に身が赤く、美しい種類
- 寒い海域に生息するためアメリカ、カナダ、ロシア産のものがほとんどで、日本海域では漁獲できない
- 濃厚だがあっさりした味わい
- 天然ものしかないため、時期や個体、産地による味・品質の差が大きいとされている
トラウトサーモン
- ニジマスを人の手で品種改良し、海で養殖できるようにした種類
- 日本産とノルウェー産のものが多く流通していて、特に刺身やすしネタとして人気がある
- 産地により風味や脂乗りが変わってくるため、近年ではご当地サーモンも生まれている
白鮭
- 日本人が古くから食べてきた種類の鮭
- 時期によって呼び名が異なり、春に獲れるものは「時鮭」、秋に獲れるものは「秋鮭」と呼ばれ重宝される
- 年間を通して手に入るが、時期や個体の大きさにより味わいや脂乗りは変わってくる
キングサーモン
- 世界最大級で、カナダやアラスカ、ロシアに生息している種類
- 他の鮭と比較しても非常に脂肪が多く、スモークサーモンやホイル焼き、蒸し物にして食べる
アトランティックサーモン
- トラウトサーモンと並び、日本では刺身やすしネタとして使われることの多い種類
- 火を通しても柔らかくおいしいため、幅広い用途に使われる
鮭にはどんな栄養効果があるの?
ここからは、鮭に含まれる栄養成分と健康への効果を、一緒に見ていきましょう。
アミノ酸
アミノ酸は鮭の主成分です。動物性タンパク質である鮭は、体内でアミノ酸という物質に変化し、体中の細胞をつくる材料となります。
人間が生きていくうえで不可欠であり、鮭は体内で作りだすことのできない必須アミノ酸が豊富なため、健康維持に役立ちます。
DHAとEPA
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、どちらも不飽和脂肪酸という脂肪の一種です。
これらはそれぞれ以下の作用があり、生活習慣病や認知症の発症を予防・改善に役だつことがわかっています。
- DHA
- 血中の中性脂肪値を下げて血流を促し、脳や目の機能維持・工場をする
- EPA
- 血中のコレステロール量を減らして血流を促進、高血圧と高脂血症を予防する
アスタキサンチン
鮭の身の赤色の源、色素成分です。細胞の老化・劣化を防ぐ抗酸化作用が非常に強いため、若々しい体の維持や疾病予防に効果的とされます。特に、紅鮭に豊富です。
ビタミン類
鮭には、複数のビタミン類が含まれています。それぞれの効果は、以下を確認してください。
- ビタミンD
- カルシウムやリンの吸収を助け、骨や歯を強くして骨粗鬆症を防ぐ
- ビタミンB12
- ヘモグロビンを作るのに必要で、悪性貧血の発症予防に必要
- ビタミンA
- 体内や目の粘膜・皮膚を健康に保ち、免疫力を高め感染症を予防する
- ビタミンB2
- ホルモン分泌を正常化させるとともに、口唇炎や口角炎を予防する
- ビタミンE
- 細胞の老化や劣化を防ぎ、心身を若々しく保って病気から守る
ミネラル類
体づくりを助けるミネラル成分も、いくつか鮭に含まれています。
- 鉄
- ヘモグロビンの主原料となり、全身に酸素や栄養を運んで健康状態を保つ
- 亜鉛
- 細胞やDNAの合成にかかわり、免疫機能や味覚、生殖機能を維持する
- リン
- カルシウムとともに歯や骨の主原料となる成分で、血液の中和も行う
鮭の栄養を活かすにはどうやって食べればいいの?
鮭はビタミンC、または油分と一緒に摂ることで栄養の吸収率が高くなります。
以下に、栄養的に見て食べ合わせの良い食材を期待できる効果とともにまとめていますので、参考にしてくださいね。
- 抗酸化作用を高め、アンチエイジングしたい
- かぼちゃ、ブロッコリー、パプリカ、アスパラガス、レモン、きくらげ、みつば、シイタケ、大豆食品、バター、皮も食べる
- 貧血や冷え性、またこれらが原因の不調を治したい
- ごま、ほうれん草、チンゲン菜
- 生活習慣病を予防・改善して元気になりたい
- アスパラガス、ブロッコリー、レモン、パプリカ、みつば、シイタケ、きくらげ
- 消化器や体の痛み・けいれんなどの不調を改善したい
- ニンジン、キャベツ、大根、みつば、白菜、イカ、酒
おわりに:油とビタミンC豊富な食材と組み合わせて、鮭の健康効果を高めよう
鮭に含まれるアスタキサンチンやタンパク質は、他のビタミンや油分と一緒に摂ると消化・吸収が良くなります。健康効果を狙って栄養満点な鮭を食べるなら、栄養的に相性の良い食材と組み合わせを知りましょう。一度覚えてしまえば、料理に活かすのも簡単です。ぜひ本記事を参考にしながら、健康効果を高める組み合わせで鮭を腸指定くださいね。
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