茨城県の筑波山は、静岡県・山梨県の富士山と並び称される山。茨城のシンボルです。
今回は筑波山の魅力を、登山の難易度と一緒に解説。登山コースの種類や適切な装備、初心者が無理なく楽しむ方法についても紹介しています。
筑波山は富士山にも負けない人気登山スポット!
「西の富士、東の筑波」と、富士山と並び称される茨城県の名峰・筑波山。
男体山(なんたいさん)・女体山(にょたいさん)を持つ双耳峰(そうじほう)から成る山で、少し高さの違う峰が連なったような美しい姿をしています。
時間帯により、日に照らされることで姿を変える様子がまた美しいとされ、別名「紫峰(しほう)」とも呼ばれています。
また、日本百名山のうち最も低い山としても有名で、男体山は871m、女体山は877mと1,000m以下の標高しかありません。
しかし、関東平野に位置しているため、登ってみると日光や那須連山、太平洋、富士山、東京スカイツリーまで辺りを一望できます。
標高の割に高度感があり、関東一帯の景色を楽しめるのは筑波山の大きな特徴でしょう。
ロープウェイやケーブルカーなら山の眺めを楽しめる!
筑波山の男体山・女体山には、それぞれケーブルカーとロープウェイが設置されています。
- 男体山のケーブルカー
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- 起点は筑波神社横、宮脇駅…標高305m
- 終点は筑波山懲駅…標高800m
- 高低差495m、全長1.6㎞
- 片道の所要時間およそ8分、定員106名
- 女体山のロープウェイ
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- 起点はつつじが丘駅…標高542m
- 終点は女体山山頂、女体山駅…標高840m
- 高低差298m、全長1.3㎞
- 片道の所要時間およそ6分、定員は7名
このため、ケーブルカーやロープウェイを使えば、体力や登山技術にあわせて山頂までのコースをショートカットすることもできます。
例えば、往復どちらかのみケーブルカーやロープウェイを利用する。途中駅までケーブルカーやロープウェイで行って、山頂周辺の登山だけ楽しむこともできるでしょう。
登山初心者は、ケーブルカーやロープウェイをうまく使って筑波山登山を楽しんでください。
筑波山の「男体山」と「女体山」の違いと登山コースの種類
筑波山の山頂は、標高87mの男体山側と標高877mの女体山側にひとつずつあります。
まずは、どちらの山頂をめざして登って行くかを決めましょう。
男体山と女体山、どちらを登るかを決めたら、次は登山コースを選ぶことになりますね。
それぞれの登山コースの特徴は、以下の通りです。
男体山側のコース
- 御幸ヶ原コース
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- 筑波山神社を起点とし、男体山山頂に向け登っていく比較的険しいコース
- 距離にしておよそ2㎞、標高差610m、所要時間は登り90分・下り70分程度
- ケーブルカーに沿って歩いていくため、登り・下りケーブルカーのすれ違いや男女川(みなのがわ)の最上流地点を望むことができる
- 自然研究路
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- 男体山山頂周辺のみを、ぐるっと散策するコース
- 距離はおよそ1.5㎞、標高差は70m、所要時間はおよそ60分
- 比較的穏やかなコースで体力の消耗も少なく、国定公園特定保護地区のブナ林の観察や、関東平野を一望する景色を堪能できるのが魅力
女体山側のコース
- 白雲橋(しらくもばし)コース
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- 筑波神社から酒迎場分岐、その後、弁慶茶屋跡を通って女体山山頂をめざすコース
- 距離にしておよそ2.8㎞、標高差はおよそ610m、所要時間は登りで110分・下りは95分程度が目安
- 高天原や胎内くぐり、弁慶七戻りなどの奇岩・巨岩の筑波山名所を堪能できる
- おたつ石コース
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- 女体山のつつじが丘から弁慶茶屋跡までを歩く、短く体力的な負担の少ないコース
- 距離にしておよそ1㎞、標高差およそ200m、所要時間は登りが40分・下り35分
- 山頂をめざすコースではないが、ロープウェイを使って楽しく手軽に筑波山登山を楽しむならおすすめ
- 終点の弁慶茶屋から白雲橋コースへ切り替えることもできる
山頂連絡路
- 男体山山頂からおよそ15分かけて御幸ヶ原へ、さらに15分ほど歩いて女体山山頂まで歩くコース
- 距離は合計で800~900mほど
男体山と女体山、どちらの山頂も制覇した暁には、連絡路にも挑戦してみましょう。
筑波山登山の服装や持ち物は?
初心者が安全に筑波山登山を果たすには、最低でも以下の服装・装備を準備しましょう。
筑波山登山に必要な服装・持ち物
- 服装
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- 吸汗性と速乾性に優れ動きやすい、薄い長そで・長ズボン
- 急な雨で体を冷やさず、体温を維持するためのレインウェア
- 頭部の裂傷や、日焼けを予防するためのハットやキャップ
- 岩場や斜面を登るときに、手を傷つけないようにするための手袋
- 登山用の厚手の靴下と、登山靴またはトレッキングシューズ
- 足場の悪い場所や、下り坂を安全に進むためのステッキ
- 持ちもの
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- 暗いところ、あたりが暗くなったときのためのヘッドランプ
- 2Lくらいの飲料水、またはスポーツドリンク
- お弁当、または登山中のエネルギー補給に使える行動食
- ケガをしたときに応急処置をするための救急セット
- 日焼け止めクリーム、虫よけスプレー
- ビニール袋、保険証、着替え
筑波山は冬も登山OK!気をつけたいポイントは?
筑波山は、12月以降の冬季でも登山が可能です。例年、積雪することはほとんどありませんが、霜柱や地面の凍結により転倒のリスクは高くなります。
冬は、先述した基本の登山装備に加えて、凍結した道でのスリップを防ぐ軽アイゼンと防風性・防水性に優れた上着、ニットの手袋や帽子を持っていくと良いでしょう。
おわりに:まずはケーブルカーやロープウェイを使い、筑波山に登ってみよう
最も標高の低い日本百名山である筑波山は、男体山が標高871m、女体山が標高877mと比較的低標高の山です。しかし関東平野に位置しているため、山頂まで登れば素晴らしい眺望と高度感を味わうことができます。
男体山側にはケーブルカーが、女体山側にはロープウェイが設置されているので、体力や登山技術に合わせたショートカットもしやすくなっています。登山初心者は、まずケーブルカーやロープウェイも使って筑波山に登ってみましょう。
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