糖尿病を発症すると、その後一生にわたり、食事に気を付ける必要が出てきます。
今回は糖尿病の人の食事のとり方を、毎日の食事、そして旅行や外食に出かけた先で気を付けるべきポイントと注意点に着目して解説していきます。最近は、糖尿病の人向けの療養旅行ツアーなどもありますので、旅行に出かけるときの参考にしてください。
糖尿病の人が毎日の食事で気をつけることとは?
まずは、自分の体に必要なエネルギー量と摂るべき栄養素の種類・バランスを理解したうえで、食事内容を決定することが大切です。これが、食事療法の第一歩となります。
あなたの体に必要なエネルギー量は、主治医や担当の栄養士に相談・確認してください。
指定されたエネルギー量のうち、摂るべき栄養素と基本的なバランスは以下の通りです。
糖尿病の人が1日に摂るべき栄養素のバランスと食べ方の基本
- ごはんなどの主食、炭水化物、糖質
- 1/2
- 肉、魚、豆腐などのタンパク質
- 1/4
- 野菜類、脂肪分
- 1/4
そして食事は1日3回、できるだけ決まった時間に食べます。
食事の間隔が空きすぎると、一度の食事の量が増えたり、空腹から早食いになりやすいので、必ず規則正しく食べるようにしてください。
食べるとき、一口ずつよく噛んでゆっくり食べることで食べ物からの糖の吸収が穏やかになるとともに、満腹感も生じやすくなります。
栄養バランスのとれた規則正しい食事と、ゆっくり噛んで食べることが、糖尿病の人が毎日の食事で意識すべき基本だと理解しておきましょう。
糖尿病食を作るときの注意点って?
糖尿病の人が、糖尿病食を作るときには、以下のポイントに注意してくださいね。
- 糖の排出を促し、満腹感を生じさせるよう、1日20~25gの食物繊維を取り入れる
- 肉類の調理は網焼き、蒸す、煮るのいずれかの方法にし、余分な脂肪を取り除く
- 料理に用いる油はオリーブオイルなど、体に良い不飽和脂肪酸を多く含む植物油を使う
- 糖の過剰摂取を防ぐため、減塩調味料やレモンやゆずの風味を活用し、減塩を心がける
旅行や外食するときの食事で気をつけることは?
たとえ糖尿病であっても、たまにはレストランや旅行先での外食を楽しみたいですよね。
しかし外食は、自宅で食べる糖尿病食に比べて栄養バランスが過多より安く、エネルギー量も高くなりがちです。
外食先では、以下を参考に食事メニューを選びましょう。
糖尿病患者がお店&旅行先で外食する際の、メニュー選びのポイント
- 栄養バランスの偏りを緩和するため、一品料理ではなく定食を選ぶようにする
- どうしても丼など一品料理が食べたいときは、サラダなどの野菜を追加しよう
- 揚げ物よりも煮込みやグリル料理、肉料理よりも不飽和脂肪酸の多い魚料理を選ぶ
- 中華料理や養殖は脂肪分が多いので、できれば和食を選ぶようにする
なお食べすぎを助長したり、お薬で血糖値をコントロールしている人に低血糖を引き起こすことのある飲酒は、糖尿病の人には推奨できません。
どうしても飲みたいなら、事前に医師に飲んでも良い量や種類について確認しましょう。
また旅行先など、いつもと異なる環境で過ごすことは、思わぬ血糖値の変化や体調の悪化を招く可能性があります。
もしもの場合に備え、あらかじめ糖尿病について旅行会社や宿泊先、同伴者に伝えて余裕を持った旅程にするとともに、以下の持ちものも用意しておきましょう。
糖尿病の人が旅行先に持っていくべき持ちものリスト
- 糖尿病患者用のIDカード、緊急連絡カード
- インスリンなど、糖尿病のお薬が出ている場合は数日分多めに持つ
(自分だけでなく、家族にも分散して持ってもらうと安心) - 食事が遅れたときのために、ビスケットやブドウ糖
- 糖尿病治療薬セットの機内持ち込み証明書
(海外旅行なら、英語のものを用意)
おわりに:糖尿病の人は、外食・旅行時も規則正しく栄養バランスの良い食事を心がけて
食後に急激に血糖値が上がってしまう糖尿病の人は、適性なエネルギー量で栄養バランスのとれた食事を、規則正しくよく噛んで食べなければなりません。これは、外出や旅行した先で外食を選ぶ際でも同じです。
できるだけ普段の食事と同じエネルギー量の食事を選び、栄養バランスが偏らないよう食べてください。また急激な体調変化に備えて、多めのお薬や緊急連絡カードも持参する必要があります。くれぐれも注意してくださいね。
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