長寿を願う縁起物の食材として、またフライや天ぷらなど、老若男女みんなが好きな料理に欠かせない食材としてエビは日本人からとても愛されていますよね。
今回はエビについて、私たちが日常的に食べている種類や世界で養殖が盛んな種類、日本国内で養殖されているローカルブランドのクルマエビの情報まで紹介していきます。
エビの種類はどれくらいある?よく食べられているエビって?
世界で3,000種もいるというエビには、体を曲げて泳いで暮らす「遊泳型」と、海底や岩礁を歩いて暮らす「歩行型」の2つの型に大きく分けられます。
このなかで、日本に流通する食用のエビの種類は、大量に輸出入されるものだけで20種類ほどです。とくに取引の多いものはバナメイエビ、ブラックタイガーなど遊泳型の種類で、日本へはベトナムやインド、インドネシアなどから輸入されています。
日本へたくさん輸入されている、バナメイエビとブラックタイガーの特徴
- バナメイエビの特徴
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- 1尾15~18gと、どちらかと言えば小型のエビ
- 寿司ネタやエビフライ、むきエビなど、日本でさまざまなかたちで流通している
- 2000年ごろから中国を中心に養殖量、日本への輸入量ともに急増した種類
- ブラックタイガーの特徴
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- 1尾あたり30~40gの大型のエビ
- エビフライや天ぷらなど、見た目と食感が重視される料理に使われる
- 数十年前より日本へ輸出される養殖エビの主力だった、人気の種類
輸出されるエビは小型が多い
輸入されるエビがむきエビに使われる大きさ以上のサイズであることに対して、日本から輸出されるエビは、サクラエビなどの小型の種類がメインです。日本は極端にエビの自給率が低い国であるため、私たちが家庭や飲食店で普段口にするエビのほとんどは、海外から輸入されています。
輸入エビの代表格!ブラックタイガーとバナメイの養殖法の違いは?
バナメイエビとブラックタイガーには、養殖の方法・期間に違いがあります。
- バナメイエビの養殖方法と期間
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- 稚エビから成体になるまでの期間は、3~4か月が目安
- 病気への耐性が強く、淡水に近い水質でもたくましく育つ
- 水中を泳ぎながら過ごすため、1㎡あたり200尾ほど養殖可能
- 養殖池全体を使って生産できる
- ブラックタイガーの養殖方法と期間
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- 稚エビから成体になるまでの期間は、およそ半年間が目安
- 水中を這うようにして過ごすため、1㎡あたりの養殖可能数は20~30尾
- 一定面積での生産量に限りがあるため、バナメイに比べ生産効率が低い
ブラックタイガーに比べ短期間で、効率よく養殖できるのがバナメイエビの強みです。このため、近年ではブラックタイガーからバナメイエビへと養殖するエビの種類を変更する事業者が増えていると言います。この養殖方法、また養殖にかかる期間の差は2種類のエビの価格にも現れていて、バナメイエビはブラックタイガーに比べ、かなり安価で販売されています。
世界的にエビの養殖生産が増えている!
ここ数十年で養殖によるエビの収穫高は世界中で増加を続けており、1992年に全体の生産量の30%ほどだった養殖生産量は、2012年には56%と過半数を超えています。特にエビの養殖が盛んな国は、中国、次いでインド、そしてタイなど東南アジアの国々です。各国で生産されたエビは品質チェックを受けた後に、日本をはじめ世界各国へ輸出されていきます。また、海外だけでなく日本においてもエビの養殖生産とブランド化が進められています。
日本で漁獲・養殖されるエビならクルマエビが人気
日本で養殖生産量、漁獲量ともに多い人気の種類はクルマエビです。
クルマエビの特徴
- 成長するにしたがって名前が変わるため、出世を願う縁起物とされる
- 日本では昔から愛され、好んで食べられてきた種類で、イセエビと並ぶ高級エビ
- おが屑と一緒に箱詰めすれば、鮮度の良い状態のまま水なし輸送も可能
- 暖かい内湾を好み、太平洋側では宮城県、日本海側では秋田県が北限の生息域とされる
- 天然ものでは、特に伊勢湾、三河湾、瀬戸内海、有明海などで漁獲が盛ん
- 日本で養殖生産され、商業ベースに乗る唯一の甲殻類である
国内のクルマエビの養殖生産量は、九州・沖縄地方で盛んであり、鹿児島県、沖縄県、熊本県、大分県、長崎県の順で多く生産されています。
おすすめの食べ方
おすすめの食べ方は、加熱調理してうま味と甘味を閉じ込めたうえで食べることです。天ぷらやフライ、殻が付いたまま網焼きにする鬼殻焼きや塩焼きの他、湯通しして寿司ネタにするのも良いでしょう。
活きたクルマエビが手に入ったときには、刺身にすると、クルマエビ特有の甘味を堪能できます。
ユーグレナや久米島ブランドも?ローカル養殖クルマエビのおすすめ
クルマエビの養殖に取り組む各地の事業者のなかには、自社で生産する養殖クルマエビをブランド化し、PR・販売しているところがあり、現地へ行かずとも、通販で取り寄せ食べられるものもあります。
以下からは沖縄県、熊本県、福島県より地域のブランドエビとなっている養殖クルマエビの特徴と魅力を見ていきましょう。
沖縄県竹富島の「ユーグレナの竹富エビ」
- ミドリムシの有効活用に取り組む企業が、日本一きれいな竹富島の海水で生産されるエビ
- 東京ドームの1.5倍ある日本最南端、かつ高度が高く環境に配慮された設計の養殖場で、クルマエビにとってストレスの少ない低密度飼育で育てられる
- 株式会社ユーグレナ竹富エビ養殖事業所の公式インスタグラムアカウントでは、養殖されたエビの写真がアップされている
沖縄県久米島の「沖縄久米島ブランド車海老」
- フェリーや漁船の影響を受けない久米島の外洋、不純物のない水域の海底から汲み上げた水で育てられるブランド養殖エビ
- エサにこだわり、高たんぱくで鮮やかな色に育てたクルマエビを活きたまま出荷している
- クルマエビにとって快適な気温となる11~3月の5か月間のみ、一般家庭からも通販で購入が可能
熊本県の「天草産 晩柑車海老」
- 晩柑という地域名産のかんきつ類の果汁をエサに加え、与えて育てたブランド養殖エビ
- ぷりぷりとした弾力、晩柑による爽やかな風味と臭みのない身が特徴で、毎年年末~1月頃までの期間限定で活きたまま販売している
- 販売期間中であれば、一般家庭からも通販で購入できる
長崎県の「福島活くるまえび」
- 荒波で知られる玄界灘、その一角の入り江で育てられるブランド養殖エビ
- 波は穏やかながら、潮の通しが良いとされる松浦入江を利用した広大な生け簀で育てたクルマエビは、東京の豊洲市場で最高価格がついたこともあるほど質の高いもの
- -30度で瞬間冷凍し生食用に加工したエビは、年間を通して通販で購入可能
おわりに:世界の養殖市場ではバナメイエビが大人気!日本の各養殖場では、ブランドクルマエビが生産されている
日本の市場に流通するエビの半数以上は、海外から輸入した養殖エビです。2000年以降は短期間で効率的に養殖できるバナメイエビが特に人気を集めており、日本の食卓を彩ってくれています。一方で日本の養殖場では、大ぶりでイセエビに並ぶ高級品種であるクルマエビの養殖が盛んです。各地でおいしい養殖ブランドクルマエビが誕生していますので、通販で購入して食べ比べてみてくださいね。
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