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鮎の栄養成分は天然と養殖でどう違う?寄生虫の心配についても解説

グルメでケア
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夏になると飲食店やスーパーで見かけるようになる淡水魚、鮎。市場に出回っている鮎には大きく天然もの、養殖ものの2種類がありますが、両者はどう異なるのでしょうか。
そこで今回は鮎の旬や特徴、代表的な栄養素などの基本的な情報から、天然ものと養殖ものの違いや見分け方、おすすめのブランド鮎の情報まで紹介していきます。

鮎の旬の時期とは?寿命が1年って本当?

鮎は川や海を回遊し、6~8月にかけて旬を迎える魚です。

天然鮎の旬について
  • 11~5月にかけては禁漁期
  • 漁が解禁となる6~8月にかけ旬を迎える
  • 「若鮎」と呼ばれる6~7月にかけては特に香りが強く、骨も柔らかくおいしいとされる
  • 漁期終盤の9~10月にかけては卵を抱えるため、子持ち鮎を楽しめる

香りが良いことから「香魚(こうぎょ)」、寿命が1年しかないことから「年魚(ねんぎょ)」と呼ばれることもあります。

代表的な調理法は塩を付けて姿焼きにする塩焼きですが、他にもムニエルや揚げ物、寿司、なます、甘露煮、酢味噌をつけて刺身にとさまざまな調理法で食べられています。天然ものと養殖ものがありますが、漁獲高が年々減少していること、また資源確保の観点から禁漁期が設けられているため、天然ものの鮎は少量しか流通していません。現在、スーパーや飲食店に流通している鮎のほとんどは養殖ものです。

鮎に含まれる栄養素は?天然と養殖で違いはある?

鮎にはカルシウム、リン、亜鉛、マンガンなどのミネラル類やビタミンA・E・D・B12などのビタミン類、鉄分などの栄養素を豊富に含んでいます。

鮎に含まれる、代表的な栄養の働き

以下に、鮎の栄養と働き(他の魚と比べても含有量の多いビタミンE、ビタミンB12、ビタミンD中心)について紹介します。

ビタミンE
  • 高い抗酸化作用があり、細胞の酸化・老化を防ぐ効能が期待できる栄養素
  • 末梢血管の拡張、血行促進により体の冷えやこり、血色の改善にも効果的で、鮎は魚類のなかでもトップクラスの含有量を誇る
ビタミンB12
  • 葉酸とともに働き、悪性貧血や退治の先天性障がいの予防・改善効果を期待できる栄養素
  • 神経機能の正常化、集中力の向上、うつや気分の落ち込みを改善する作用もある
ビタミンD
  • カルシウムの吸収を促し、骨から流出するのを防いでくれる栄養

上記のうち、ビタミンB12は養殖ものよりも天然ものの鮎に4.6倍多く含まれ、ビタミンDは天然ものよりも養殖ものの鮎に多く含まれることがわかっています。また、鮎の身よりも内臓に多くの栄養素が含まれているのも鮎の特徴。特にビタミンE、ビタミンDは鮎の内臓に多く含まれ、食べたときに感じる苦味のもととなっています。
鮎を食べるときは、できれば骨や内臓も含め、頭からしっぽまでまるごと食べるようにしましょう。

天然の鮎と養殖の鮎で見分け方はある?

天然ものと養殖ものの鮎の見分け方を知る前に、まずは天然鮎の一生を追ってみましょう。

天然鮎の一生

  1. 川の下流で生まれ、仔稚魚(しちぎょ)となったら海に出て初めての冬を迎える
  2. 冬の間は海のプランクトンを食べて成長し、春が来ると生まれた川へ遡上していく
  3. 川の中流~上流にまで遡上した養魚の鮎は、水生昆虫や川に落ちてきた虫を食べて成長
  4. 成魚になると水底の石に着いた珪藻類を食べ、そのまま産卵期の秋ごろまで過ごす
  5. 産卵期が近づくと自分が生まれた川の下流まで下り、川底の小さな浮石などに産卵
  6. 産卵した鮎は、すぐ命を落としてしまう

1年の短い寿命の間に海と川の両方で過ごし、漁期には水底の珪藻類を食べて生きる天然ものの鮎からは、スイカのような爽やかな香りがすると言います。

天然鮎と養殖鮎の特徴

ここからは天然鮎の一生を踏まえ、天然鮎の特徴から養殖鮎との見た目の違い・見分け方を学んでいきましょう。

天然鮎の特徴
  • 流れが速い川、過酷な環境で育つため各部のヒレが大きくたくましい
  • 縄張り争いのためにつく黄色い斑点が、胸ヒレの後ろにできていることが多い
  • 体も顔も、たくましく角ばったかたちになりやすい

養殖鮎は、人間が与えたエサを食べて大きくなるため、全体的に丸いフォルムをしていて、ヒレも小さく、胸ヒレの後ろの斑点もまず見られません。
天然鮎と養殖鮎を見分けたいときは、最もわかりやすいヒレの大きさの違いを基準に、顔や体のかたちを比べてみると良いでしょう。

鮎は生寄生虫の心配は?

鮎を食べるうえで注意すべき寄生虫に、横川吸虫(よこがわきうちゅう)が挙げられます。

横川吸虫とは
北海道より南の日本全国の一般河川、湖に古くから寄生する体長1~2㎜、洋ナシのようなかたちをした寄生虫
幼虫の間、メタセルカリアと呼ばれる目に見えない状態で鮎などの淡水魚に寄生する

横川吸虫は、日本で古くから鮎などの淡水魚を生で、または酢漬けにして食べる習慣のあった河川や湖の周辺に住む人々への感染・発症が確認されてきた寄生虫です。東海地方、西日本に多く生息しているとされ、もともとは清流に棲むカワニナと呼ばれる巻貝に寄生していたものが、鮎など淡水魚へ感染を広げているとされます。

人間が誤って横川吸虫に寄生された鮎を食べると、腹痛や下痢を発症する恐れがあります。ただし、人間が横川吸虫への感染で食中毒を発症するのは、多量摂取した場合のみです。少数の横川吸虫に寄生されただけではほとんど症状を自覚しないため、食中毒の発症には至りません。このため、他の寄生虫による感染性食中毒に比べると人体への影響は小さく、重症化しにくいと考えられています。

養殖鮎の場合、河川ではなく地下水を使った池のなかで鮎を育てるため、横川吸虫に感染するリスクはほとんどないとされます。天然ものよりも養殖の鮎の方が多く流通するようになった現在では、鮎を食べることによる横川吸虫の被害は、ほとんど報告されていません。
横川吸虫の寄生と、感染による食中毒発症リスクの観点から考えると、天然鮎よりも養殖鮎の方が安全性が高いと言えるでしょう。

養殖鮎の注目ローカルブランド:愛知・和歌山

最後に、愛知県と和歌山県で生産されているブランド養殖鮎を1つずつ紹介していきます。

愛知県の「ハーブあゆ」

  • 豊川水系の地下20~25mから汲み上げた良質な伏流水で育てた、ブランド養殖鮎
  • ガーリック、ジンジャー、シナモン、オレガノなど5種類のハーブエキスを配合したエサを与えることで、天然鮎に負けない味と香り、身の質を実現した

▼ ハーブあゆ

和歌山県の「くまのあゆ」

  • 熊野古道の山々からいただく地下水をかけ流しにした池で育つ、ブランド養殖鮎
  • 魚粉をベースに、昆布の粉末や植物オイルを混ぜたエサを与え、天然鮎の証とされたスイカの香りまで感じられる、おいしい養殖鮎を作り上げた

▼ くまのあゆ

おわりに:養殖鮎に寄生虫の心配はない!天然ものに比べ、含有量が多い栄養素もあり

夏の風物詩である鮎は、スイカのような香りのする香魚として知られています。そんな鮎も昭和40年代以降は養殖生産が盛んとなり、天然ものの漁獲高減少もあって、現在では市場に流通する鮎のほとんどが養殖ものとなっています。天然ものに比べて寄生虫感染の心配が圧倒的に少なく、ビタミンDの含有量が多いのが養殖鮎の特徴です。近年では養殖鮎のブランド化も進んでいますので、天然ものとの違いを意識しながら食べてみてください。

鮎2kg(冷凍) きつれがわの鮎
「美肌の湯 喜連川温泉」で有名な喜連川の地下水で養殖した、生でも食べられるくらい新鮮な鮎。独特の風味を楽しむなら、塩焼きがオススメ。

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