普段使いのママチャリや、スポーツ・レジャー用の自転車を選ぶとき。インチのサイズ表記に戸惑い、どう選べばいいのか迷った経験はありませんか?
今回は自転車のサイズの見方、そして自分の体格に合った自転車を選ぶためのポイントについて、身長以外の注目すべきことと合わせて解説します。
「インチ」とは?自転車のサイズの見方
自転車店やホームセンター、ショッピングモールなどで販売されている自転車のサイズ表記は、ほとんどが「インチ」です。
実はこの26インチ、27インチなどの単位は、タイヤの大きさを示すもの。自転車そのものの大きさを示す単位ではありません。一般的には、インチというサイズ表記は参考程度に受け取り、自転車に実際にまたがって「乗りやすそうな自転車」を購入する人が多いでしょう。
しかし身長だけを基準に自転車のサイズを決めると、体に合わない可能性もあります。
そこで重要になってくるのが試乗です。またがるだけでなく、実際に自転車を運転してみることで、サイズと一緒に以下のことも確認できます。
- 自転車の試乗で確認できること
-
- サドルの一番低い位置と一番高い位置で、どのくらい足がつくか
- ペダルを漕ぎだすときの感触
- ブレーキの効き具合、音の有無
- ハンドルの高さと低さ、運転のしやすさ
サドルを最も低い位置まで下げて乗ったときに、両足が地面につくものが、あなたの体格に合った自転車です。
大人の自転車サイズの選び方
ここからは大人と子ども、乗る人の体格別に適したサイズの自転車を選ぶためのポイントを見ていきましょう。
自転車のタイヤには大きく分けて20インチ以下、24インチ、26インチ、27インチの4つのサイズがあり、それぞれに適性身長の目安が想定されています。
タイヤのサイズ別、自転車の適性身長
- 20インチ以下
- 130~140㎝
- 24インチ
- 140㎝~
- 26インチ
- 140~170㎝
- 27インチ
- 150~180㎝
大人の場合は、インチごとの適応身長を参考に、自分の身長に近いサイズの自転車を選ぶのがおすすめ。
ただし、自分の身長よりも大きな適性身長の自転車は、サドルを一番低い位置まで下げても足がつかない可能性があるため危険です。
基本的には自分の身長が適性身長に当てはまるもの、または自分の身長以下の適性身長のタイヤサイズの自転車を選んでください。
なおタイヤサイズの大小には、自転車の乗り心地に以下のような特徴が現れます。
タイヤの大小による、自転車の乗り心地の違い
- 大きなタイヤ
-
- 1回の回転で進む距離が大きいが、回転に必要な力も大きい
- 大きい分、小さなタイヤに比べると小回りがききにくい
- 小さなタイヤ
-
- 1回の回転で進む距離は大きなタイヤより少ないが、少ない力で進める
- 小さいので、大きなタイヤに比べ小回りがきき乗りやすい
タイヤサイズが大きいからと言って、必ずしもたくさん進むわけでも、小さいものより優れているわけでもありません。自転車の大きさは自身の身長とタイヤサイズを目安に、用途や乗りやすさも考慮して決めてくださいね。
子供の自転車サイズの選び方
前項で述べたように、自転車のタイヤサイズにはそれぞれ適性身長が想定されています。
子どもの自転車選びでも、インチ数は適性身長を目安に選べば問題ないでしょう。
ただし、自転車の乗り心地はタイヤサイズ以外にもサドル高やハンドルのかたち、フレームデザインなどにより変わってきます。
タイヤのインチ数と身長はあくまで目安とし、最後は子ども本人に購入候補の自転車にまたがってもらって、乗り心地を確認してもらってください。
子ども本人が「乗りやすい」「怖くない」「しっくりくる」と感じるものが、その子にとって最適の自転車サイズです。
身長が伸びた!自転車買い替えのタイミングって?
成長によって体格の変わる子どもの自転車は、適宜サイズを変えていく必要があります。
とは言え、常に体格にぴったり合うサイズに買い替えるのは経済的に厳しいですよね。
そこでおすすめなのが、以下2つの方法で自転車のサイズをカテゴライズし、2サイズずつ大きいものに買い替えていく方法です。
- 幼稚園または保育園生
- 最低サドル高で12インチ、最高で14インチのものを選ぶ
- 小学校入学~3・4年まで
- 最低サドル高で16インチ、最高で18インチのものを選ぶ
- 小学校高学年~中学校卒業まで
- 本人の身長に合わせ、20~24インチのものを選ぶ
- 高校生以降
- 体格の個人差が大きくなるので、身長に近いサイズの自転車を選ぶ
急激に身長が伸びないうちは、同じインチ数の自転車でもサドルを上げて対処できます。
成長期を迎え、成長の度合いや体格に個人差が大きくなる思春期以降は、本人の身長を基準に最低サドル高で足がつき、サドルを上げて適性身長を伸ばせるものを選ぶと良いですよ。
スポーツタイプの自転車は「フレームサイズ」で選ぶ
ここまでは普段使いの「ママチャリ」の選び方をメインに説明してきましたが、ここからは、マウンテンバイクやロードバイクなど「スポーツタイプ自転車」の選び方を紹介します。
- スポーツタイプ自転車とは
-
- 日常使いというよりは、競技性能や速さ、特定の道を走る安定性に特化して作られた自転車のこと
- 具体的には自然の中、オフロードを走るのに適した「マウンテンバイク」や市街地を速く走れる「ロードバイク」、これら2つの特性を兼ね備えた「クロスバイク」が該当する
いわゆる「ママチャリ」をタイヤのインチ数を目安に選ぶのに対し、スポーツタイプの自転車はフレームサイズを目安に選ぶのが一般的です。
本人の身長、足の長さ、股下、腕の長さや柔軟性を計測したうえで、その人が無理なく正しいサイクリングフォームを取れるフレームサイズを探っていきます。
ただ、フレームサイズにもタイヤサイズのような適性身長はある程度想定されています。
マウンテンバイクとクロスバイクの15インチ、17.5インチ、20インチフレームサイズの適性身長の目安は、それぞれ以下の通りです。
- マウンテンバイク・クロスバイクのフレームサイズごとの適性身長目安
-
- 15インチ … 154~167㎝
- 17.5インチ … 164~177㎝
- 20インチ … 174~187㎝
一方で、ロードバイクのフレームサイズ展開は他2つのスポーツ自転車に比べ多いです。
以下に、ロードバイクの47cm、50cm、54cmサイズの適性身長の目安をまとめていますので、マウンテンバイク・クロスバイクの情報と合わせて参考にしてくださいね。
- ロードバイクのフレームサイズごとの適性身長目安
-
- 47㎝…155~162㎝
- 50㎝…160~167㎝
- 54㎝…170~177㎝
なお実際には、これらの適性身長と合わせて股下や足の長さ、腕の長さを加味して体に合うフレームサイズを選ぶことになります。
▼ 関連記事 初心者が長く速く走るための自転車トレーニング方法
身長以外にも!目的別で考える自転車の選び方
サイズ以外に、あなたの用途に合った機能・装備があるかどうかを、自転車選びの基準とする方法もあります。
以下に、目的別に自転車の必要な機能・装備をまとめていますので、あなたに合った自転車探しにお役立てください。
目的別、適した自転車の機能・装備
- 近隣での買い物がメインなら
- 大きめのカゴと泥除けがあり、乗り降りしやすいフレーム
- 坂道の多い地域在住なら
- フレームや車体そのものが軽く、電動アシスト機能付き
- 子どもをのせて走るなら
- 安全に子どもを乗せ降ろしできる機能とチャイルドシート
- シニアがメインで乗るなら
- 乗り降りが楽な低め設計のフレーム、重めの重心と安定感
- 5㎞以上、通勤や通学するなら
- 長距離でも走りやすい層構成、大きめのカゴと泥除け
- 長距離のサイクリングを楽しむなら
- 前傾姿勢になれる、体格に合ったスポーツタイプ
▼ 関連記事 自転車は1時間でどのくらい移動できる?自転車通勤におすすめの距離や所要時間とは
▼ 関連記事 自転車でツーリング旅行!初心者が安心して旅する方法は?
おわりに:自転車はタイヤやフレームサイズ、身長を目安に試乗して決めよう
一般的なママチャリはタイヤのインチ数、スポーツタイプの自転車ならフレームのインチ・㎝数で自転車のサイズは表されます。それぞれのサイズには適性身長が想定されているため、自転車を選ぶときには自身の身長が適性身長内かどうかがひとつの基準となるでしょう。
ただ、身長だけで選ぶと乗り心地が不安定になることもあります。必ず試乗をして、安全に使える乗りやすいものを選ぶようにしてください。
関連記事: 子どもから大人まで!自転車が上達する練習方法
コメント