馬の上に乗り、操りながら一緒に歩いたり走ったりする乗馬。動物と触れ合えるレジャーというイメージもありますが、スポーツとしての一面も持っています。
今回は乗馬を通して得られる心身への効果を、初めての乗馬の際に馬と触れ合ううえで気を付けるべきポイントと合わせ理解していきましょう。
乗馬がもたらす体への効果とは?
一見すると、ただ馬の上に座っているだけに見える乗馬ですが、実はゆったりしたペースでのジョギングや水泳などの有酸素運動と同じくらいの運動強度があります。
馬が歩くときは両足の太ももで馬の胴体をはさんでコントロールし、速足にするときは鐙の上で前傾姿勢になり、立ち上がりバランスを取ります。
ただ座っているだけ、乗っているだけに見えても、乗馬は全身を使って馬とコミュニケーションを取りながら行う立派なスポーツです。
このため、乗馬をすると体に以下のような効果・変化が起こると期待できます。
- 乗馬によって期待される体への効果
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- 馬上の揺れに負けず体を支えるための腹筋や体幹、平衡感覚、バランス感覚が鍛えられる
- 正しい姿勢でないとバランスを崩すため、背筋を伸ばし胸を開いた美しい姿勢が身につく
- 全身の筋肉が徐々に増強されていき、体に痛みやコリが解消され動かしやすくなる
- もも、おしりの筋肉が特に強化されて、メリハリのあるボディラインに変わってくる
- 馬に直接触れている下半身を中心に、温熱による筋肉の緊張緩和やストレッチの効果
- 体に柔らかい筋肉が増えたことで体温が上がり、感染症などの病気にかかりにくくなる
乗馬がもたらす心への効果とは?
一方で、馬と触れ合うスポーツである乗馬には、精神面に以下のようなプラスの効果が期待できると考えられています。
- 乗馬によって期待される心への効果
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- 大きな馬に乗れたという事実から、自己肯定感や自信、満足感が生まれる
- 都市部から離れ、自然のなかで馬の体温に触れることで、精神が安定し癒される
- 馬を操ろうとする際の意思の疎通、感情表現により自分を解放する機会に恵まれる
- 馬との協調関係を育むことを通して友情が生まれ、孤独感が解消される
- 馬に乗った体験を伝えることを通し、周囲の人との会話や関係性が生まれる
- 乗馬のステップを通し、物事に挑戦したりより難易度の高いことに挑もうという向上心が生まれる
馬と初めて接するときに気をつけることは?
馬は、人間よりも繊細な嗅覚や聴覚を持っています。基本的にはやさしい性格で、理由もなく人間を噛んだり、蹴ったりして危害を加えることはしません。
ただ、突然大きな声や動きが目や耳に入ってくると、驚いて暴れることがあります。
初めて馬と接するときは、インストラクターの指示に従って徐々に距離を縮め、いきなり馬の真正面や真後ろに立つことは避けてください。
まず遠くから名前を呼び、耳がこちらを向いたのを確認してからゆっくり近づき、体を撫でてあいさつしましょう。触って喜ぶのは鼻や顎、おでこ、首などの部位です。
乗馬の前後には「よろしくね」「ありがとうね」と必ず声をかけ、撫でてあげてコミュニケーションを取ってください。馬との信頼関係を築くのが、乗馬を長く楽しむコツです。
なお乗馬するときの服装は、長袖・長ズボンが基本です。
ほとんどの乗馬施設にはロッカールームがありますから、予約時間の15分前には到着し、着替えを済ませておきましょう。
おわりに:乗馬をすると身体機能向上やリラックス、癒し効果が得られる
乗馬は、馬と人が一緒に行うスポーツです。軽い有酸素運動と同じくらいの運動強度があり、継続的に行えば体幹や下半身などの筋肉増強、ストレッチ効果が期待できます。また人間以外の生き物に触れ、心を通わせる経験を通して、心が癒され自己肯定感や向上心が高まることもわかっています。都市部での生活や人間関係に疲れたら、スポーツや自分を癒す方法のひとつとして乗馬を検討してみてくださいね。
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