日本を含めアジア広域で親しまれている味噌は、健康に良いと認識されています。
今回は味噌が体に良いと言われる理由について、含まれている栄養や具体的な効果、栄養成分を効率的に摂取するコツまでまとめて理解していきましょう。
味噌にはどんな栄養が含まれているの?
味噌は大豆と塩、麹を原料とする発酵食品です。このため、大豆が持つ栄養成分の他に発酵食品ならではの栄養成分も含んでいます。
味噌に含まれる代表的な栄養成分
- 原料である大豆に多く含まれているもの
- タンパク質、炭水化物、イソフラボン、サポニン、食物繊維、酵素、リノール酸、ビタミン、ミネラル など
- 発酵することで付加・強化されたもの
- ビタミン、ミネラル、酵母、乳酸菌、ビタミンE、葉酸 など
例えば白味噌の場合だと、お味噌汁1杯に使われるおよそ18gあたりに含まれる栄養成分は、以下のようになります。
- 白味噌18g/39キロカロリー分あたりに含まれる栄養成分
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- 炭水化物 …6.82g
- タンパク質…1.75g
- 食塩 …1.1g
- ビタミンE …0.05㎎
- 葉酸 …3.78㎍(マイクログラム)
作る過程で大量の塩を使うため塩分量は高めですが、大豆だけでは摂れない栄養成分までスムーズにおいしく吸収できるのが味噌の強みです。
ネックとなる塩分もお味噌汁1杯あたりでは1g前後になるため、1日に3回食べたとしても、健康な人の1日あたりの塩分摂取量の目安7~8gには達しません。
ある研究では、1日1〜3杯までであれば、味噌汁を飲んでも高血圧には影響しないという結果も出ています。
高血圧などで医師から止められていない限り、塩分を気にして味噌の摂取量を制限する必要はないでしょう。
味噌に期待される効果って?
厚生労働省をはじめ複数の研究者・研究班が、味噌に期待できる健康効果を分析しています。
各論文から見えてくる味噌の健康効果の具体例としては、以下が挙げられるでしょう。
- 味噌に期待される健康効果
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- ビタミンEやイソフラボン、サポニンなどによる老化・酸化防止
- サポニン、リノール酸などによるコレステロールの上昇抑制と脂肪肝の予防・改善
- コリンなどによる肝機能の向上、脂肪肝の発症予防・改善
- 食物繊維による便秘解消、リノール酸によるシミ・ソバカス予防など美容効果
- 高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の発症リスク軽減と改善
- 生活習慣病が一因となって発症する循環器疾患、脳疾患の発症予防と改善
- その他、がんや骨粗鬆症の発症と悪化を予防する作用があるのではと報告されている
味噌の栄養を効率よくとるには?
味噌に含まれる栄養成分を効率よく摂り、健康に役立てたいなら、以下を参考に毎日の料理に取り入れてみましょう。
お味噌汁は50~70度になるよう作る
味噌に含まれる乳酸菌は50度以上、酵母は70度以上の高温になると死滅します。
味噌の栄養成分を余さず摂りたいなら、具材に非を通した後は火を止め、10分くらい待ってから味噌を溶かし入れましょう。
塩分が気になるなら、お味噌汁の具材を選ぶ
健康な人なら気にする必要のない味噌に含まれる塩分量ですが、どうしても塩分の過剰摂取が気になる場合は、一緒に食べるお味噌汁の具材を工夫してください。
海藻類、ほうれん草、春菊、いも類などカリウムを多く含む食材、またはごぼう、こんにゃくなど食物繊維豊富な具材を選ぶと、塩分の排出が促進されます。
おわりに:味噌を食べると、大豆の栄養をより効率的に摂取できる!
大豆と塩を麹で発酵させて作る味噌は、大豆がもともと持っている栄養成分に加え、乳酸菌など発酵食品ならではの栄養成分も摂れる食品です。しかも、大豆に含まれていた栄養成分も大豆そのものを食べるよりも効率的に摂取できます。
おすすめの食べ方は、カリウムや食物繊維が豊富な食材を使ったお味噌汁にすること。毎日おいしく食べて、味噌が持つさまざまな健康・美容効果を享受してくださいね。
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