手指を使い、頭の中のイメージを土で形作っていく陶芸は、心と体に良い効果をもたらすと言われています。
今回は、陶芸をすることでどんな健康効果が得られるのか、体だけでなく心、認知機能を司る脳への影響も含め理解していきましょう。
陶芸にはどんなメリットがあるの?
陶芸を通して得られる心身の健康へのメリットとしては、以下が挙げられるでしょう。
- 心への健康効果
-
- 気分転換によるストレス解消
- 趣味を得たことによる意欲や充実感、達成感、満足感の獲得
- 創造性や創作力、集中力の向上、目標意識の復活
- 上記理由による精神疾患からの回復
- より良い作品にしたい、作品について説明したいなどの想いや趣味仲間を得ることによるコミュニケーション能力の向上
- 体への健康効果
-
- 自分のイメージを形にする過程で、脳の血流が改善し特に右脳が活性化される
- 脳が活性化されることによる脳疾患、脳機能低下で起こる認知症の予防や改善
- 手指を使い、土を形作ることによる身体機能の回復や向上
陶芸の具体的な効果って?
陶芸は、身体や脳の機能を回復するためのリハビリとしても用いられています。
これは、陶芸作品が完成するまでの過程が、人間の心身に良い影響を与えると考えられているためです。
一つの陶芸作品が出来上がるまでの工程は、おおまかにイメージづくり、土をこねる作業、整形する作業、器の乾燥、素焼き、施釉、本焼きの7つ。
これらを一つずつ達成すること、また達成するための行動や待つ時間そのものが人間の心身を刺激し、精神状態や認知機能の向上・回復を促すと考えられているのです。
例えば、整形前に土を練る作業は手指の筋肉・感覚を刺激します。
段階に応じ必要な手順を理解し、他者と一緒に作業をする工程は精神面・脳の認知機能に働きかけ、リハビリ効果をもたらしてくれます。
陶芸が私たちの心身・認知機能にもたらす健康効果の具体例としては、以下が挙げられるでしょう。
- 心への具体的な健康効果
-
- 趣味仲間と関わることによる、自己肯定感や幸福感の向上
- 他者と関わり、一緒に目標達成する経験を通した自身の回復
- 達成感を得ることによる、意欲の復活や向上
- 体への具体的な健康効果
-
- 主に上半身、手や指の筋力増強
- 座った姿勢を、自力で維持できるようになる
- 両手をバランスよく、同時に動かす能力の向上
- 手先をうまく動かし、イメージ通りに形作る力の向上
- 目で見た情報をもとに、思い通り手を動かせるようになる
- 土の形や器のデザインを変える過程を通し、触覚などの感覚を高める
- 認知機能への具体的な健康効果
-
- 注意力、集中力、記憶力、理解力の向上
- 目で見たものが何か、どう使うものかを理解する力の維持
- 問題解決能力の向上
- 上記による、認知機能の低下防止、認知症予防効果
おわりに:陶芸は私たちの心・体・脳に良い影響を与えてくれる
陶芸は楽しいだけではなく、私たちの心身と脳に作用して機能の維持や向上・回復を助けてくれます。例えば、土をこねて成型する過程は手指や上肢の筋力・感覚強化を。出来上がりイメージに沿ってデザインする過程は私たちの脳を活性化させ、認知機能向上に役立ちます。また講師や趣味仲間など他者とかかわり、コミュニケーションを取りながら創作する経験が、精神状態まで安定させてくれるのです。
コメント