ワインは、ブドウから絞った果汁を発酵させて作るお酒です。ヨーロッパで生まれ、現在では日本を含む世界中で愛されています。
今回はワインの持つ健康・美容への効果に着目し、適切な飲酒量と健康目的で飲む場合に知っておくべき注意点と一緒に解説します。
ワインで得られる健康・美容のメリットって?
ワインには、アントシアニン、レスベラトロール、タンニン、カテキンなど複数種類のポリフェノールを含んでいるため、飲むことで以下のような健康・美容への効果が期待できます。
- LDLコレステロールの酸化を防ぎ、これの蓄積による動脈硬化を防ぐ
- 血流促進作用による冷え改善、肌のターンオーバーの促進など美容効果
- 血流促進、抗酸化作用による脳の活性化、認知症予防効果
- 老化を招く活性酸素の働きを抑制することによるアンチエイジング効果
- 疲労回復の促進、腎臓機能の活性化、動物性脂肪の燃焼を助ける作用
- 心身をリラックスさせる作用によるうつ病の改善、発症リスクの低減
- 腸内環境を整えて老廃物の排出を促進し、殺菌・免疫力を向上させる
- 血圧を下げ、塩分の多量摂取による血圧低下やイライラを防ぐ
上記のうち、特にポリフェノールの作用が大きい酸化・老化の防止、美肌や冷えの改善、脂肪燃焼の促進などの効果は、白ワインよりも赤ワインの方が強いと言われています。
赤ワインは、皮や種ごとブドウを潰して果汁を採取しています。鮮やかで深い赤色は、皮や種による色なのです。対して白ワインは、ブドウの皮と種を取り除いてから潰し、醸造して作るお酒です。
ポリフェノールはブドウの皮・種に多く含まれているため、皮と種の成分を含む赤ワインの方が、白ワインより多くのポリフェノールを含有しているというわけです。
白ワインにもポリフェノールは多く含まれていますが、赤ワインほどではありません。
その代わり、新陳代謝や塩分・老廃物を排出したり、血圧を下げる作用のあるカリウムなどの栄養成分については赤ワインより豊富です。
1日のワインの適量はどれくらい?
1日当たりの適切なワインの摂取量は、飲む人の身長や体重、年齢、性別、空腹時かどうかなど飲むときの条件によって変わってきます。
ただ、健康へのメリットを得る目的でワインを飲む場合、男女別に適切な摂取量の目安を示すことはできます。
厚生労働省が推進する運動である「健康日本21」の内容、またイギリス国営保険サービスの見解によると、男女別の1日当たりの適切なワイン摂取量は以下の通りです。
- 1日当たりのワインの適切な摂取量の目安
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- 男性の場合…ワイングラスに2杯くらいまで(アルコール量にして30~40ml)
- 女性の場合…ワイングラスに1杯~1杯半(アルコール量にして20~30ml)
男性に比べて女性は体や肝臓が小さく、血液の量も少ないです。このため男性よりも血中のアルコール濃度が高まりやすく、体内へのアルコールの吸収速度も速くなるのです。
男女の体格差による違いはありますが、健康のためにワインを飲むなら、基本的には男女ともグラス2杯までが目安と考えておけば良いでしょう。
健康対策としてワインを飲むときの注意点は?
ワインによる健康効果は、成分によるものだけではありません。
大切な人、大好きな人たちと楽しくワインを飲む時間が幸福感をアップさせ、ワインによる健康効果の一部ともなっているといえるでしょう。
健康対策の一環としてワインを飲むなら、1日当たりの適量を守りながら嗜好品として楽しめる飲み方をしてください。幸せな時間は、免疫力や生命力を高めてくれます。
なお、お酒が苦手なら無理にワインを飲む必要はありません。
お茶を飲むなど、他の方法でポリフェノールを摂取するようにしましょう。
ただし、毎日の飲酒はがんや生活習慣病の原因ともなります。一週間に2日は飲酒しない休肝日を作って、体を休ませるようにしてくださいね。
おわりに:ワインの栄養成分、ワインが作る楽しい時間が健康・美容効果を生む
数種類のポリフェノールやカリウムなど、ワインに含まれる栄養成分は酸化・老化の防止、脳機能の活性化や認知症の予防、老廃物排出や代謝促進による美容効果をもたらします。また適量のワインを飲む幸せな時間は、その人の免疫力を高め、健康促進や健康寿命の延伸をも助けてくれるでしょう。ただし、飲みすぎは病気のもととなります。ワインから健康効果を得たいなら、男女とも1日当たり2杯までを目安に飲むようにしましょう。
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