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山形・月山登山の楽しみ方は四季それぞれ-初心者向けルートはリフト利用が便利

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山形県のほぼ中央に位置し、出羽三山のなかでも最も高い山・月山(がっさん)。

今回は季節ごとの月山の楽しみ方、初心者でも挑戦しやすいおすすめの登山コースからあわせて利用したい温泉施設のことまで、月山登山の魅力をまとめて学んでいきましょう。

月山(がっさん)は春夏秋冬を楽しめる自然豊かな登山スポット


羽黒山、湯殿山とともに出羽三山のひとつに数えられる月山は、出羽三山のなかで最も高い標高1,984mの山です。古くから地域住民より信仰の対象として親しまれてきた他、江戸時代には俳人・松尾芭蕉が訪れ、ゆかりの一句をのこしたことでも知られています。

県のほぼ中央にあることから、晴れた日の山頂からは鳥海山や朝日連峰、蔵王などを望む絶景を見られる他、時期によっては以下の見どころも楽しめます。

月山の見どころ
  • 日本海からの風を受ける豪雪地帯のため、万年雪を見られる
  • 日本ではめずらしいものも含め、350種類以上もの貴重な高山植物が自生している
  • 6月から8月にかけては、クロユリをはじめ著名で貴重な高山植物が花を咲かせる
  • 信仰の対象でもある月山の歴史を、登山を通して知ることができる

なお月山登山をするなら、残雪も融け始める6月以降がおすすめです。
一般的な春・初夏にあたる4~5月では、まだ雪が多く残っていてアイゼンなしでは登れない可能性があります。覚えておいてください。

関連記事:登山初心者が知っておきたい山岳保険の選び方-短期加入と長期加入どっちがいい?

八合目・弥陀ヶ原から山頂を目指す初心者向けルート


ここからは、登山初心者におすすめの月山登山コースを紹介していきます。まずは北面の月山8合目、弥陀ヶ原(みだがはら)から頂上をめざすコースの概要から見ていきましょう。

月山:弥陀ヶ原山頂コース

所要時間
片道2時間30分~3時間、御往復で5~6時間
順路
  1. 月山8合目弥陀ヶ原
  2. 月山佛生池小屋
  3. 行者返し
  4. 月山神社、月山頂上

弥陀ヶ原は、多様な高山植物を観察できる美しい湿原です。ここから休憩や食事、事前予約すれば宿泊もできる参篭所と山小屋を通り、山岳信仰の歴史が感じられる行者返しを登って山頂の月山神社をめざします。

なお、片道2~3時間の登山でも体力的に不安があるという人は、車を使い体力的な負担を軽減しながらも弥陀ヶ原、月山の美しさを楽しめる以下コースをおすすめします。

月山:弥陀ヶ原散策コース

所要時間
一周でおよそ1時間
順路
  1. JR・鶴岡駅
  2. 月山ビジターセンター
  3. 月山8合目弥陀ヶ原
  4. 月の沢温泉北月山荘
  5. JR・鶴岡駅

このコースでは弥陀ヶ原のみ散策し、他のポイントへの移動には車を利用します。車での移動時間は合計で3時間ほどになりますが、歩くのは弥陀ヶ原を散策する間だけ。体力に自信がない人でも、余裕を持って月山の自然を楽しめるルート設定となっています。

▼ 登山トレッキングコース | 月山ビジターセンター

リフトに乗って山頂へ!月山姥沢ルート


次におすすめするのが、月山ペアリフトを活用し体力的負担を軽減した「姥沢コース」です。

月山:姥沢コース

所要時間
片道およそ3時間、往復で6時間前後
順路
  1. 姥沢登山口
  2. 月山ペアリフト・下駅
  3. 月山ペアリフト・上駅
  4. 牛首
  5. 月山神社、月山頂上

冬季にはスキーリフトとして使われる月山ペアリフトは、月山の下駅・上駅間をおよそ15分でつないでいます。
このため上記のうち、徒歩の時間は登山口からリフト下駅までの10分、そしてリフト上駅から牛首までの1時間、そして目的地である月山神社までの1時間の計3時間ほど。リフト利用により体力を温存できるため、弥陀ヶ原コースと同様に初心者にも挑戦しやすい難易度の低いコースといえるでしょう。

自身のレベルに合った無理のないコースで登ってこそ、登山中に山頂・山上での景色を楽しむ心の余裕が生まれます。登山経験が浅く、初めて月山登山に挑戦するなら、絶対に無理をしないで「余裕を持って楽しめそうか」を基準にコース選びをしてください。

▼ リフト料金 | 月山スキー場

春夏の月山登山-ブナ森林浴や高山植物でリフレッシュ


ここからは、季節によって変わる月山登山の楽しみ方を紹介していきます。まずおすすめするのは、残雪のなかからブナ林の新緑、高山植物が芽吹く5~9月にかけての春・夏の月山登山です。5~6月の春から初夏にかけて、6~9月の夏の月山では、それぞれ以下のような光景を見ることができますよ。

5~6月の月山登山で見られるもの
  • 残雪とブナ林、高山植物の新緑が織りなす不思議な光景
  • 固まった残雪の上を進み、白神山地にも劣らないブナの原生林を散策できる
6~9月の月山登山で見られるもの
  • 本格的に暖かくなり、残雪も融けて高山植物が花盛りを迎える
  • 350種類以上とも言われる高山植物の多くを、リフトからの登山道でも見られる
  • ヤマザクラなどの他、7月には希少性が高いと言われるクロユリが咲く様子も見られる

雪深く、標高に対して気温が低くなる月山では、日本国内の他の山ではあまり見られない高山植物も観察できます。
そして、天然のダムとも呼ばれる月山山麓のブナの原生林は、この地域の美しい湧き水の源です。冬の間、大量に降った雪が春になって融けるとブナの原生林の下に吸収され、一説には400年かけて滞留し、麓の湧き水の水源となっています。

雪深く、標高に対して気温が低くなる月山において、多くの高山植物とブナの原生林が芽吹き、花が咲き誇る様子を見られるのはこの時期だけ。
新緑の美しさ、月山の多様な植物の生命観を感じたいなら、春から夏にかけて登山に訪れてみましょう。

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秋冬の月山登山-紅葉や銀世界で季節の変化を感じよう


次におすすめするのは、紅葉して木々の葉が落ちる9~10月の秋、積雪が増え冬山登山が楽しめるようになる1~3月の月山登山です。

9~10月の月山登山で見られるもの
  • 麓のブナ原生林が徐々に紅葉し、月山の麓を赤や黄色に染める
  • 木だけでなく、森林限界を超えた高所でも草紅葉が起こり、月山全体が鮮やかに染まる
  • 紅葉の始まりは9月上旬~中旬にかけて、そこから10月中旬にかけて徐々に紅葉する
1~3月の月山登山で見られるもの
  • 葉が落ちた木々の黒、そして積もった雪の白とのコントラストを楽しめる
  • 晴れた日には青く、曇った日には薄暗く、夕日のオレンジも反射して輝く雪景色
  • 神秘的な冬の月山、その森林のなかでスノーシューやソリを使って遊ぶ

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秋冬の登山帰りにはぜひ温泉を楽しもう


寒くなる秋・冬には、この地域の美しい水を肌で感じられる温泉に入るのもおすすめ。以下に、月山の姥沢登山口からほど近い西川町のおすすめ温泉施設を2カ所紹介しますので、登山の後に立ち寄りましょう。
なお、これらの温泉施設は冬季以外も営業しています。春・夏も利用可能ですので、季節を問わず楽しめますよ。

月山志津温泉郷

  • 10件ほどの温泉宿が連なるエリア
  • 古くから月山の登拝者を迎えるため宿が多く立ち並んできたエリアで、温泉と美しい水・地元の食材を使った郷土料理、日本酒などを味わえる
  • 宿泊しなくても、日帰り入浴可能

▼ 月山志津温泉郷

大井沢温泉 湯ったり館

  • 厳選かけ流しの温泉に入浴できる、西川町多い沢の日帰り入浴施設
  • 地元産の杉を使った、木のぬくもりを感じられる建物が目を引く
  • 国道27号線沿いなので、車なら非常にアクセスが良い
  • 宿でないため宿泊は不可、日帰り入浴のみ可能

▼ 大井沢温泉 湯ったり館

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おわりに:自分のレベルに合わせ、四季折々の月山登山を楽しもう

標高1,984mの月山は、登山道が整備され、リフトも設置されているため登山初心者でも挑戦しやすい山と言えます。日本海から冷たい風が吹き上げ、山中の気気温が標高に対して低くなるのが特徴で、日本では希少な高山植物の宝庫となっています。

春から夏にかけては残雪とブナ林、高山植物の新緑を、秋から冬にかけては山全体が紅葉と雪に染まる美しい姿が見どころです。あなたの好みとレベルに合わせ、適切なコースで月山登山を楽しみましょう。

▼ 月山 | やまがた山

▼ トレッキング | 庄内観光サイト

▼ 月山ビジターセンター

 

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