有酸素運動や軽い筋力トレーニングは、私たちの体に健康効果をもたらすとされます。
今回は、ダイエットや健康効果を期待できる運動のうち自転車に着目して、自転車運動のメリットや注意点、運動しないまま過ごすことのデメリットを解説します。
運動不足でいると、体にどんなデメリットがある?
運動不足により、私たちに起こり得るデメリットとしては以下が挙げられます。
全身の筋力・骨が弱くなってくる
骨や筋肉は、運動の刺激によって小規模な破壊・再生を繰り返すことで成長ホルモンの分泌を促進し、増強されていく仕組みになっています。
一般的に、成長ホルモンの分泌量は20代をピークに、以降加齢とともに減少していきます。
運動をして意識的に適度な刺激を骨と筋肉を与え続けなければ、骨は弱く脆く、筋肉は萎縮して身体機能の衰えを招くでしょう。
生活習慣病にかかりやすくなる
年齢を重ねると、生きるために消費するカロリーである基礎代謝力が低下していきます。
このため10代・20代の頃と同じように食事をしていても、運動で積極的にカロリーを消費しなければ、余ったエネルギーはどんどん体に蓄積されていってしまうのです。
その結果として、肥満や脂質異常症、高血糖、高血圧状態などの生活習慣病を発症しやすくなります。
血管、心肺の機能も低下していく
骨や筋肉と同様、呼吸や全身の血液循環を司る血管や心臓、肺など呼吸器官の機能も、何もしなければ年齢とともに低下していきます。
体に取り込まれる酸素の量も、1回の拍動で全身へ送られる血液の量も、心臓の柔軟性も低下するため、血流不足による冷え性や不調にも見舞われやすくなるのです。
自転車で運動することのメリットは?
対して、運動として自転車に乗ることのメリットとしては、以下が挙げられます。
有酸素運動による健康効果を得られる
自転車運動は、体にたくさんの酸素を取り入れながら軽負荷の運動を長く続ける、有酸素運動にあたります。このため、有酸素運動による以下のような健康効果を得られるでしょう。
- 肺など呼吸器の機能、心臓から血液を送り出す筋力を鍛える
- 血流増加により毛細血管の収縮が活発化し、血管の柔軟性が高まる
- 運動開始からの20分までに、血中の糖や脂肪が消費される
- 運動開始から20分以降は、体に蓄積された消費される
効率よく筋肉増強でき、ダイエット効果も得られる
自転車運動では、体の中で最も大きな筋肉である太ももを始め、下半身の筋肉を使います。下半身の筋肉は、歩行や体重移動など日常生活の動作に密接にかかわり、上半身に比べ疲れにくい性質を持っています。
生活に必要な下半身の筋肉を効率的に鍛えることができ、かつ有酸素運動でもある自転車運動を行えば、高いダイエット効果も期待できるでしょう。
膝や腰への負担が少ないため、誰でも始めやすい
年齢を重ねるうちに、体重の増加と筋力の低下から、膝や腰など体重のかかりやすい部分に慢性的な痛みを抱えるようになるケースは多いです。
そんな膝・腰に慢性的な痛みを抱える人にとって、痛みのある個所に自身の体重がダイレクトに響く運動は、怖いものかもしれません。
しかしサドル、車輪、ハンドルに体重が分散される自転車運動なら、膝や腰への負担が少なくなります。体重や痛みが気になる人でも、始めやすい運動と言えるでしょう。
ストレス解消にもなる
自転車を漕ぐために体を動かすこと、そして自転車に乗っている間の風や景色、ニオイなどの刺激は、心身を活性化させるドーパミンの刺激を活発化させます。
運動による血流促進効果で筋肉も柔らかくなるため、自転車運動は心身をリラックスさせストレスを解消させることにもつながるのです。
初心者が自転車に乗るとき、まず注意することは?
自転車運動をすることのメリットと合わせて、初心者が自転車運動に挑戦する場合の注意点も確認しておきましょう。
- 初心者向け、自転車運動をするときに守るべき注意点
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- 交通ルールを守り、軽車両として必ず車道の左側を通行する
- 軽車両向けに設置されている道路標識をよく確認し、遵守する
- 歩道を利用するときは、必ず自転車から降りて自転車を押す
- 体に痛みが出た場合は無視をせず、自転車の販売店や医師に相談する
- 汗はこまめに拭き取る、または着替えるなどして汗冷え対策する
- 熱中症予防のため、20~30分に一度は水分補給をし、休む
- 衣服を工夫したり、日焼け止めを常用して日焼け対策をする
上記をよく確認・実践したうえで、健康のために自転車運動を取り入れてくださいね。
おわりに:自転車による有酸素運動には、高い健康・ダイエット効果が期待できる
膝・腰など痛みが出やすい箇所への負担が少なく始められる自転車運動は、下半身を中心に全身の骨と筋肉を増強し、高い健康効果が期待できる有酸素運動です。さらに、全身の筋肉のおよそ70%を占めると言われる太ももの筋肉を効率的に鍛えられるため、高いダイエット効果も期待できます。通勤や買い物など、日々の生活にも取り入れやすいタイプの運動なので、注意点に気を付けながら挑戦してみてくださいね。
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