群馬県で前橋市、桐生市、沼田市、利根郡昭和町にまたがる赤城山(あかぎさん)は、古くから関東の人々から信仰の対象として親しまれてきました。
今回は、近年では登山と各種アクティビティを楽しめるレジャースポットとして注目されている赤城山の魅力と利用上の注意点を、まとめて紹介していきます。
赤城山は複合的なレジャースポット
東京から2時間で行けて、周辺住民から「あかぎやま」と親しまれる赤城山は、古くは信仰の対象として、そして避暑地として認識されてきました。
しかし近年になって再開発が進み、自然環境を活かした各種アクティビティの楽しめる体験型山上リゾートに生まれ変わったのです。
- 赤城山でできること
- 登山、ハイキング、山上の湖でのボートやワカサギ釣り体験、農業体験、日帰り温泉 など
楽しいハイキングや本格派登山まで楽しめる!
ここからは、赤城山で体験できるアクティビティのうち登山に焦点を当て、その魅力を理解していきましょう。
実は赤城山は、火山活動の影響でできた湖・カルデラ湖を囲む、複数の山々の総称。
このため、高さの異なる頂上も複数存在していて、利用する登山口・ルートに加えどの頂上をめざすのかによっても、登山の難易度やコースの設定が可能なのです。
登山初心者でも挑戦しやすいコースも、複数設定されています。
選択肢が広い分、登山初心者や体力に自信のない人でも挑戦できる登山コースが見つかりやすいところも、赤城山の大きな特徴。
あなたの体力・経験に合わせて、無理なく楽しめる登山コースを探してみてください。
赤城山の最高峰「黒檜山」はどんな山?赤城山登山コースの種類は?
複数の山頂を持つ赤城山で、最高峰となるのが標高1,828mの黒槍山(くろびさん)です。
以下に、最高峰である黒槍山をめぐるものを始め、赤城山の登山コースの所要時間、道中のおすすめポイントをまとめて紹介していきます。
あなたに合った赤城山登山コース選択のための参考にしてください。
黒槍山・駒ヶ岳コース
- 大沼の北東エリア、黒槍山頂をめざすルート
- 所要時間はおよそ2時間40分、道中には急な勾配や岩場があるため、相応の体力が必要な中級者向け
- 山頂付近のつつじと高山植物、そして遮るもののない黒槍山頂からの絶景が見どころ
地蔵岳・見晴らし山コース
- 大沼の南西、標高1,674mの地蔵岳と1,457mの見晴らし山の山頂を巡るルート
- 所要時間はおよそ2時間45分、少し道幅が狭いところもあるが、歩きやすい道が続く
- 見どころは道中の白樺牧場周辺のつつじ群生地、そして地蔵岳山頂から望む絶景、大沼湖畔周辺のパワースポット
覚満淵(かくまんぶち)・八丁峠コース
- 大沼と小沼の間、ゆるやかな覚満淵周辺を散策するルート
- 所要時間はおよそ2時間40分、登山というよりもハイキングやトレッキングに近い内容
- 見どころは覚満川の遊歩道と、覚満淵を周遊できる道でのハイキング
荒山高原・鍋割山(なべわりやま)コース
- 荒山高原から、標高1332mの鍋割山山頂などを尾根を伝って歩いて行くルート
- 所要時間はおよそ3時間、岩場も急勾配もあるため、体力と複数の登山経験が必要
- 見どころは荒山高原付近のつつじ群生地、鍋割山山頂からの絶景、そして道中に複数ある富士山を見られるポイント
鍬柄山(くわがらやま)・鈴ヶ岳コース
- 尾根を伝い、標高1565mの鍬柄山山頂とほぼ同じ高度の鈴ヶ岳山頂へ向かうルート
- 所要時間はおよそ2時間、比較的なだらかで難易度は低い
- ただ、尾根の一部では高低差が大きくなるため、相応の体力が必要
- 見どころは姥子峠(うばことうげ)先の展望台からの絶景、そして書く山頂からの景色
五輪峠・陣笠山・出張山・薬師岳コース
- 大沼の北西、標高1,500m前後の4つの山の頂を周遊するルート
- 所要時間はおよそ2時間10分、一部の急勾配を覗いて全行程を通し比較的なだらかで歩きやすい
- 見どころは出張山・陣笠山山頂からの景色と、陣笠山山頂付近のつつじの群生地
小沼・赤城森林公園コース
- 小沼湖畔からスタートし、赤城森林公園の駐車場をめざすルート
- 所要時間はおよそ2時間10分、途中、急傾斜の岩場や足場の悪いところも通る
- 見どころはパワースポットとされる血の池、あれ山山頂付近の絶景ポイント・ひさし岩、荒山高原付近のつつじの群生地
長七郎・銚子の伽藍(がらん)コース
- 牛石峠からスタートし、銚子の伽藍を通って標高1,580mの長七郎山山頂を通り、小沼周辺を周遊するルート。所要時間はおよそ3時間10分
- 見どころはパワースポットとされる銚子の伽藍、オトギの森、長七郎山山頂と小沼周辺のつつじの群生地
赤城山にはツキノワグマが出没する?!
赤城山全域には、野生のツキノワグマが生息しています。特に冬眠前後の秋と春、早朝や夕方の暗い時間帯には、ツキノワグマの活動が盛んになります。
遭遇するとケガや脂肪のリスクがありますので、入山するときは以下を参考にクマに出会わない、興奮させないための対策をとってください。
赤城山入山時にとるべき、ツキノワグマ対策
- クマの活動が活発になる時期の登山は、極力避ける
- 鈴やラジオなど、音の出るものを持参してこちらの存在を知らせる
- 入山している間は、常に周囲の音に耳を傾けるようにする
- ゴミは必ず持ち帰り、こちらの痕跡や食べ物のニオイをのこさない
- 万が一、クマに遭遇した場合に備えて、クマ撃退スプレーを持参する
- 新しい足跡や糞など、クマの痕跡を見つけたらすぐに麓へ引き返す
登山以外の赤城山レジャーって?
登山以外に、赤城山の自然を満喫できるアクティビティとしては以下が挙げられます。
- 安全装置をつけて木登りをし、樹上からの景色を楽しむツリーイング
- 仲間と一緒に船に乗り、息をあわせて前進していくカッター体験
- ストックポーリという杖を使い、山中散歩を楽しむノルディックウォーク
- 電動自転車で赤城山を巡る、サイクリングツアー
- ガイド同伴のもと、白樺牧場内の絶景ポイントを巡るツアー
- 粉から生地をつくり、まきを使った山でピザを焼くピザ釜体験
登山とあわせて、これらのアクティビティも楽しんでくださいね。
▼ 赤城山をあそぼう! Akagi Trip – 赤城山で遊ぶ!学ぶ!体験する!
おわりに:登山をはじめ、アクティビティで赤城山の自然を総合的に楽しもう!
古くは信仰の対象として、そして避暑地として認識されてきた赤城山ですが、近年では登山をはじめ自然を活かした複数のアクティビティを楽しめる施設となっています。
登山コースにも、最高峰の黒槍山をめざすルートの他、初心者でも挑戦しやすいルート・所要時間のコースも複数アリ。登山経験が豊富な人でも、まだ登山の経験が浅い人でも、さまざまな角度から赤城山の自然を満喫できるでしょう。
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