栃木県日光市にある男体山(なんたいさん)は、古くから信仰の対象として、そして登山スポットとして人々の人気を集めてきました。
今回はそんな男体山の登山スポット、パワースポットとしての魅力を登山できる時期やコース、登山とあわせて楽しめるイベント情報などとあわせ解説します。
栃木日光の男体山ってどんな山?
男体山は標高2,486m、ほぼ左右対称の美しい円錐形が特徴的な火山です。
日光連山と呼ばれる山域の一角で、東北方向に続く女峰山(にょほうさん)と対になる存在と考えられてきました。
日本では、古くから2つの山頂を持つ山を1セットとして男女の神に見立てて信仰する風習があったため、男体山・女体山と名付けられたと言われています。
男体山の初登頂の記録は奈良時代。以来、山頂には日光二荒山(ふたらさん)神社の奥宮が建てられ、山岳信仰の対象として人々から長く愛されてきたのです。
別名である「二荒山」も男体山が信仰の対象であることからきていて、観音菩薩の降臨する霊場の山・補陀落(ふだらく)からきているそうですよ。
近年では信仰の対象としてだけでなく、散策と山頂からの絶景を楽しめる登山スポットとして、そして訪れる人にご利益をもたらすパワースポットとしても人気があります。
男体山の山開きは日光二荒山神社が行うの?
登山客を受け入れている山では、雪が融けて温かくなる春から初夏にかけ、山開きを行うのが一般的ですよね。
山そのものが信仰の対象であり、山域すべてが神社の境内である男体山では、一般的な山開きにあたるセレモニーとして「男体山開山祭」が行われます。
男体山開山祭とは、登拝門を開いて登山客を受け入れることを周知するとともに、山に入る人々の安全を祈願するお祭りのこと。
祭りは男体山をご神体としてあがめ、管理する日光二荒山神社によって行われます。
例年、開山祭は4月25日に行われ、以降11月11日までは登山のための入山が認められるようになります。
登山客は、開山期間中に毎朝6時から行われる開聞受付の手続きを経れば山に入れます。
ただし、入山できる期間はその年の状況や気象条件により変更になる可能性もあります。必ず二荒山神社が発信する最新情報を確認のうえ、登山計画をたてるようにしてくださいね。
なお男体山は二荒山神社の境内であり、ご神体そのものです。このため、入山にあたっては神社側が設定するルールを守り、山への敬意を忘れないようにしましょう。
日光二荒山神社のご利益は?
続いて、男体山のパワースポットとしての魅力を知っていきましょう。
日光二荒山神社がまつるのは「大己貴命(おおなちむのみこと)」、他に「田心姫命(たごりひめのみこと)」、「味耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)」の3つの神様です。
参拝によって得られるご利益としては、以下が挙げられます、
- 日光二荒山神社参拝で得られるご利益
- 家内安全、良縁守護、商売繁盛、開運招福、温泉、醸造、医薬、婚姻の祖神、子授け、安産、子育て、農業、漁業、交通安全
主祭神である大己貴命の別名は、大黒様。日光二荒山神社はあらゆる福、良縁との縁結びをメインに、人々の幸せと生活を守るご利益が期待できるパワースポットです。
体力や難易度と相談して男体山登山コースを選ぼう
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男体山の登山コースは、往復にかかる時間によりスタンダードコースとロングコースの2種類が設定されています。
どちらも傾斜の角度や登山難易度としてはあまり変わりませんが、距離が長い分、ロングコースの方がより体力を求められます。ぞれぞれのコース概要は以下の通りです。
男体山登山スタンダードコース
- 距離…およそ7.7㎞
- 往復にかかる時間…およそ6時間30分
- 標高差…およそ1,200m
- 順路
- 二荒山神社入り口 ⇒ 徒歩80分 ⇒ 四合目 ⇒ 徒歩150分 ⇒ 男体山山頂 ⇒ 徒歩100分 ⇒ 四合目 ⇒ 徒歩60分 ⇒ 二荒山神社入り口
男体山登山ロングコース
- 距離…およそ14.6㎞
- 往復にかかる時間…およそ7時間45分
- 標高差…およそ1,200m
- 順路
- 二荒山神社入り口 ⇒ 徒歩80分⇒四合目 ⇒ 徒歩150分 ⇒ 男体山山頂 ⇒ 徒歩100分 ⇒ 志津避難小屋 ⇒ 徒歩50分 ⇒ 林道分岐 ⇒ 徒歩85分 ⇒ 三本松
ロングコースでは山頂から折り返さず、別ルートの志津方面へ向かって下っていきます。
あなたの体力と登山技術に合わせて、無理なく挑戦できる距離・時間のコースで男体山登山を楽しみましょう。
男体山は期間限定夜間登山あり!楽しい祭りや絶景のご来光も!
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男体山では例年、7月31日から8月7日までの8日間かけて二荒山神社中宮祠最大のお祀りとして「登拝大祭」が行われます。
これは、二荒山神社が信仰する男体山の登拝、つまり登山しての参拝と本殿まで入りおまつりするご神体の参拝を行うお祭りです。
奈良時代より現代まで、連綿と続けられてきたと言う歴史あるお祭りであり、一般の参拝客・登山客も受け入れていることから、この期間のみ午前0時からの入山と夜間登山、そして神々しいご来光を拝むことも許されるのです。
入山受付を行う社務所では、訪れる人にご神水やコーヒーの振る舞いや、登拝之証という登山証明書の配布も行っているため、まさにお祭りムードのなかで登山を楽しめます。
夜間登山とご来光の絶景を楽しみ、普段の登山とは異なる雰囲気を味わいたいなら、ぜひ登拝大祭期間中に男体山を訪れてみましょう。
おわりに:登拝大祭の期間に登って、パワースポット・男体山の魅力を満喫しよう
男体山は古く奈良時代から信仰の対象となり、二荒山とも呼ばれ人々に親しまれてきました。現在でもその信仰は続き、山域に設置された二荒山神社を中心に男体山そのものがパワースポットとして広く認知されています。例年7月31日から8月7日の登拝大祭の期間中には、特別に夜間の男体山登山と頂上からのご来光の拝謁も許されますので、ぜひ男体山を訪れ普段とは異なる雰囲気での登山を楽しんでくださいね。
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