豚肉は、私たちの食卓に頻繁にのぼる食材のひとつですよね。今回はもっとおいしく食べるために知っておきたい、豚肉の栄養価について解説します。
部位ごとの特徴・違いや、豚肉を食べることで得られる健康への効果、おすすめの食べ合わせもご紹介しますので、旅先のグルメやお取り寄せを楽しむときの参考にしてください。
豚肉は部位ごとでどんな違いがあるの?
豚肉は1976年に制定された「豚部分肉取引規格」により、かた、かたロース、ロース、バラ、もも、そともも、ヒレの7部位と定められています。
以下に、7つの各部位の特徴を見ていきましょう。
豚肉の7つの部位
《1》かた
- 最もよく動く、豚の肩肉
- 肉質は他の部位に比べてやや硬く、赤みの味わいが強い
- 煮込み料理に適している
《2》かたロース
- 豚の首から、背中にかけての部位
- 赤身に霜降り状に脂が入っているのが特徴で、脂肪による深いコクとうま味を味わえる
《3》ロース
- 豚の胸から腰にかけての、背中側の肉
- きめの細かい赤身とうまみの強い脂身が層になっていて、やわらかいのが特徴
- ハムやとんかつによく使われる
《4》バラ
- 豚のおなかの部分
- 赤身と脂身がほぼ同じ割合で層を作っていることから、別名「三枚肉」とも呼ばれる
- 少し硬いものの豚肉のなかでも安価で、うまみの強い部位
《5》もも
- 豚の後ろ脚、付け根周辺の肉
- 脂身が少なく、柔らかくきめの細かい赤身を味わえるのが特徴
- 赤身部分の色が薄いほど柔らかく、スライスにされて市販されていることが多い
《6》そともも
- 豚のおしりに近い部位
- 運動量が多いため肉の色が濃く、きめはやや粗いとされる
《7》ヒレ
- 豚の脇腹あたりの部位
- 一頭の豚から800g程度しか取れない希少部位で、豚肉のなかで最も脂身が少なくあっさりしている
- 非常に柔らかくタンパクな味わい
また上記以外にも、独特の歯ごたえや風味が楽しめる内臓も食べることができます。
豚の内臓部位
ホルモン
- 大腸のこと
- 独特の風味とこってりした脂を楽しめる部位
- 独特の風味とこってりした脂を楽しめる部位
ガツ
- 胃袋のこと
- しっかりした歯ごたえがあるのが特徴で、焼き肉や煮込みに使う
レバー
- 肝臓のこと
- 柔らかい食感で、牛レバーと同様に炒め物や焼き肉に使う
ハツ
- 心臓のこと
- 肉厚な筋線維でできており、歯ごたえがあるのに歯切れが良い
タン
- 豚の舌肉
- タンパクで食べやすいとされるが、根元部分はうま味が強い
豚肉の栄養の特徴と期待できる健康効果って?
豚肉は動物性タンパク質を主成分とし、ビタミンB群やナイアシン、オレイン酸などの栄養成分を豊富に含みます。
これを踏まえ、以下からは豚肉に期待できる健康効果について、見ていきましょう。
体調改善・美肌効果
タンパク質は、私たちの血・筋肉・内臓・肌・粘膜・髪などの細胞を作る材料です。
またビタミンB1には体内でのエネルギー変換を助ける作用が、ナイアシンには皮膚や粘膜を整えて守り、血流を良くする作用が確認されています。
このため、継続的に豚肉を食べることで倦怠感や疲労感の軽減、免疫力の向上、肌や髪に潤いが出てきれいになるなどの効果が期待できます。
コレステロール値の上昇抑制
豚肉に含まれる脂肪の一種・オレイン酸には、血中のコレステロール値が上がるのを防ぐ作用があります。
またナイアシンには、血管を広げて血流を促進し、血圧を下げる効果が確認されています。
このため、豚肉は血中コレステロール値の上昇が原因で起こる高脂血症、動脈硬化、高血圧などの生活習慣病予防に効果的です。
神経痛の改善
豚肉に含まれるビタミンB群のひとつ・ビタミンB12には、末梢神経の傷を修復してくれる栄養成分です。
またナイアシンには、神経系に働きかけて状態を安定させ、神経痛を緩和する作用があることが確認されています。
加齢やケガによる神経痛に悩んでいるなら、豚肉を食べると改善するかもしれません。
豚肉と栄養面での相性がいい食材って?
まず挙げられるのが、豚肉に含まれるビタミンB1の吸収率を高めてくれる栄養成分・アリシンを豊富に含む以下の食材です。
- 豚肉と相性の良い、アリシン豊富な食材
- ニンニク、タマネギ、ニラ、ネギ など
疲労回復や体力の増強をしたいなら、豚肉と一緒にすりおろしたニンニクや、ニラを炒めて食べると良いでしょう。
その他、栄養的に見て豚肉と相性の良い食材としては以下が挙げられます。あなたが得たい健康効果に合わせて、いろいろな組み合わせを試してみてください。
- 生活習慣病を予防したいなら
- わかめ、ひじき、しめじ、こんにゃく、大根、小松菜、山芋、アサリ、牛乳、黒豆 など
- 美肌効果を得たいなら
- ゴマ、ブロッコリー、オリーブオイル、かぼちゃ、さつまいも など
- 貧血やめまいを改善したいなら
- きくらげ、ほうれん草、カニ、タコ、ホタルイカ、黒砂糖、落花生、クミン、ゴマ、栗、ぶどう、キャベツ など
おわりに:豚肉はビタミン豊富な食材!食べ合わせを変えて健康・美容効果を得よう
肉類のなかでも、豚肉にはビタミンB1をはじめビタミンB群が豊富に含まれています。他にもタンパク質、ナイアシン、オレイン酸などを含んでいるため、疲労回復や免疫力向上、生活習慣病予防に美肌と、健康・美容への幅広い効果が期待できる食材なのです。また、豚肉による健康効果は、組み合わせる食材によって変えることもできます。本記事を参考に豚肉の栄養や食べ合わせのコツを理解し、毎日の食事に取り入れてみましょう。
関連記事:牛肉を食べることの健康面でのメリットは?
関連記事:鶏肉の健康面でのメリットって?
関連記事:羊肉が持つ健康面でのメリットって?
コメント