緑色の皮、硬い果肉を持つ青パパイヤという食材を知っていますか?
今回は青パパイヤという食材について、そもそもどんな果物なのか、含まれる栄養成分や期待できる健康効果、おすすめの食べ方・調理法と一緒に解説していきます。
旅行先で食べるときやお取り寄せで楽しむときに参考にしてください。
青パパイヤってどんな果物なの?
パパイヤと言えば、一般的には黄色い皮・果肉の南国フルーツをイメージしますよね。
青パパイヤは、このパパイヤが甘く熟す前に収穫したもののこと。黄色く甘いパパイヤと同様に、多年生の雌雄別株、または両性株のパパイヤの木に実ります。
- 雌雄別株(しゆうべつかぶ)とは
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- おしべを持つ雄花(おばな)をつける雄株、そしてめしべを持つ雌花(めばな)を付ける雌株が、別々の個体として存在すること
- 植物に男性と女性があるようなもので、基本的には両者を受粉させないと実がならない
- パパイヤには雄株、雌株に加えて雄花・雌花の両方を1つの木に咲かせる両性株も存在している
- 青パパイヤの場合、雌株だけで結実させ収穫することも可能
- ただし、雌株だけでつくった青パパイヤの実の中には種が入らない
日本では熱帯地域からの輸入ものの他、沖縄県や鹿児島県、宮崎県で栽培された国内産も流通。特に暖かくなる7~11月はじめには旬を迎え、市場での流通量が多くなります。
見た目は甘いパパイヤと同じ楕円形ですが、濃い緑色で硬い皮・果肉を持つのが特徴。
基本的には黄色く甘いパパイヤと同じ種類の未成熟のものを指しますが、近年では青いまま食べることを前提に品種改良されたものも含んで「青パパイヤ」と呼ばれます。
食べるとほのかな甘味、トロピカルな風味とシャキシャキした食感を楽しめますが、果物として生食するのには向きません。
野菜のように何らかのかたちで調理することを前提とし、別名「調理用パパイヤ」とも呼ばれています。
青パパイヤに含まれる栄養の効果とは?
青パパイヤに含まれる代表的な栄養成分はパパイン、ポリフェノール、ビタミンCの3つ。それぞれの特徴を、期待できる健康への効果と一緒に確認していきましょう。
パパイン
青パパイヤに豊富に含まれる酵素の一種。パパイヤが熟し甘くなるごとに失われていくため、特に青パパイヤのみから摂れる栄養成分です。
消化を促進し、胃腸の調子を整える作用があるため、以下の健康効果が期待できます。
- 腸内のタンパク質、脂質、糖の分解を助け体内での代謝を促進する
- 腸内環境を整えて便秘や下痢を改善し、腸が正常に機能する状態に保つ
- 食べた物の消化と排泄の促進、整腸作用の両方からダイエット効果が期待できる
- 腸内環境正常化により、体臭が強くなるのを防ぎ感染症への免疫力を向上する
ポリフェノール
一説には、青パパイヤには赤ワインの約7.5倍ものポリフェノールが含まれているとされます。ポリフェノールの抗酸化作用により、青パパイヤには以下の健康効果が望めます。
- 加齢や有酸素運動による細胞の酸化や劣化を防ぎ、体を若々しく保つ
- 血管や血液、内臓、肌の細胞が若い状態に保たれ、生活習慣病を発症しにくくなる
- 高血圧や動脈硬化、心筋梗塞など、血液の流れが悪くなることで起こる疾患を予防する
- 細胞の劣化が一因となって起こる、がんの発症を予防する
- 肌細胞の生まれ変わりを助けて正常に保ち、シミやシワができるのを防ぐ
- 皮膚や粘膜を健康な状態に保つことで、接触による感染症発症を予防する
ビタミンC
青パパイヤには、ビタミン類とミネラル類も豊富に含まれています。なかでも豊富なビタミンCは、美容効果が高いとして知られる成分ですよね。
他のビタミン、ミネラルとの相乗効果で、以下の健康・美容効果を見込めるでしょう。
- コラーゲンの生成を助けることで、ハリとツヤのある若々しい肌を作る
- 抗酸化作用を持ち、全身の細胞を加齢による劣化や酸化から守り若い状態に保つ
- 肌細胞の代謝を促し、肌の炎症や乾燥を抑えて健康できれいな状態に保つ
青パパイヤはどうやって食べるのがおすすめ?
おすすめの青パパイヤの調理法としては、以下4つが挙げられます。
生ならシャキシャキ感を、火を通すと炒めたジャガイモに似た食感を味わえるので、好みに応じていろいろ試してくださいね。
- 青パパイヤのおすすめの食べ方4つ
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- 皮と種を除き、好みの厚さで、または下茹でして「サラダ」として
- 皮と種を除き千切りにしたうえで、だしや醤油で味付けして「チャンプルー」に
- 千切りにしてから水にさらし、好きな具材と調味料と一緒に「炒め物」に
- 数日間塩漬けにして水気を切り、味噌や黒糖、焼酎とあわせて「漬物」に
なお、青パパイヤを食べるときに理解しておくべき注意点は以下の通りです。おいしい食べ方や栄養成分と合わせて、心得ておきましょう。
青パパイヤを食べるときの注意点M
1日あたりの摂取量に注意
青パパイヤの1日当たりの摂取適量は、200g程度と言われています。
これ以上多く食べ続けると、人によってはおなかを壊し下痢を起こす原因となりますので、適量を毎日継続して食べることを目標にしてください。
アレルギーによる体調不良、違和感に注意
青パパイヤは、果物のなかでもアレルギー反応を誘発しやすい種類です。
食べた後に体調が悪くなったり、口に入れて痛みやしびれ、かゆみ、腫れが起こる場合は青パパイヤにアレルギー反応を起こしている可能性があります。
特に、過去に果物アレルギーを起こしたことのある子どもは青パパイヤでも症状が出る傾向があるため、注意しながら少しずつ食べさせましょう。
おわりに:好みに合わせおいしく調理し、青パパイヤの栄養を摂取しよう
パパインやビタミン、ミネラル、ポリフェノールをたくさん含む青パパイヤは、アンチエイジングや疾病予防、整腸効果が期待できる食材です。昔から沖縄県や東南アジアでは料理の具材として親しまれ、サラダや炒め物にして食べられてきました。甘く熟した黄色いパパイヤには少ない栄養成分もたくさん含んでいますから、あなたの好みに合った方法で調理し、青パパイヤの栄養をおいしく摂取してくださいね。
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