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すっぽんにはどんな栄養効果があるの?

グルメでケア
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古くから滋養強壮、精力増強効果があるとされてきたすっぽん。具体的には、どのようなメカニズムから健康への効果が期待できるのでしょうか。

今回はすっぽんの栄養価と健康効果を、種類や産地ごとの特徴、おすすめの調理法と一緒に紹介していきます。旅先のグルメやお取り寄せを楽しむときの参考にしてください。

すっぽんの種類と産地ごとの特徴とは?

すっぽんは、日本・アジアを始め世界中に生息するカメの一種です。基本的には夜行性で雑食、温暖な気候を好み、柔らかい甲羅を持つ生き物です。

なかには大型のものや肉食性の強いもの、甲羅に独特の柄をもつ種類もあります。

世界で確認されている数十種類のうち、日本で一般的に流通しているすっぽんは東アジア一帯に生息する「シナスッポン」または「キョクトウスッポン」と呼ばれるもの。

以下の地域で盛んに養殖が行われており、近年では天然ものよりも広く流通しています。

すっぽんの養殖地

静岡県の浜名湖

  • 1900年からすっぽんを養殖する、日本の養殖すっぽん発祥の地
  • 湖に生け簀を入れて育てるためストレスが少なく、脂がすっきりとした天然ものに近い味わいになる

大分県の耶馬渓(やばけい)

  • 河川や湖の多い地域で、裏耶馬渓から沸いた温泉水ですっぽんを養殖している
  • 泥臭さやクセがなく、初めてでも食べやすいすっぽんが育つとされる

長崎県の諫早市、西海市周辺

  • 海と山に囲まれた環境を活かし、すっぽんを養殖している地域
  • 郷土料理である卓袱料理に使うものを中心に、1㎏以上もある大ぶりなものを育てている

佐賀県

  • 九州地方の温暖な気候を活かし、すっぽんの名産地を自称し養殖している地域
  • 2種類の養殖法をかけ合わせてすっぽんを育て、年間を通した出荷を可能にしている

鹿児島県

  • 県内に複数個所の養殖場を持ち、すっぽんを育てている地域
  • 生産量はあまり多くないが、長崎県や佐賀県と同様に恵まれた気候を活かし、すっぽん養殖に取り組んでいる

京都府

  • 「丸鍋」など京料理の一部にすっぽん料理が含まれることから、養殖場を有する地域
  • 京都府産の養殖スッポンは脂が濃厚で、コクが深いのが特徴とされる

すっぽんの栄養にはどんな効果が期待できるの?

すっぽんに含まれる主な栄養成分、それぞれに期待できる健康効果は以下の通りです。以下をみるとわかるように、すっぽんは高血圧・糖尿病・高脂血症などの生活習慣病や動脈硬化の予防、また美容への効果が期待できる食材です。

タンパク質

体内で分解されるとアミノ酸に変わる、すっぽんの主成分です。
すっぽんは18種類ものアミノ酸を含有する良質なタンパク質の塊で、人間の体で作ることのできない9種類の必須アミノ酸も含有しています。

タンパク質及びアミノ酸には、以下の健康効果が期待できるでしょう。

  • 体を構成する細胞の原料となり、私たちの髪や肌、爪や臓器を作る
  • コラーゲン生成の材料となり、肌や細胞の機能やハリを維持する
  • 疲労回復を促進し、筋肉の補修や増強を行う
  • 糖や脂肪など、体を動かすためのエネルギー代謝を助ける
  • 全身細胞の新陳代謝促進
  • 血中の中性脂肪。コレステロールの量を減らす

リノール酸

すっぽんの脂肪は、植物性の油脂と同じリノール酸からできています。リノール酸には、一般的な動物性油脂にはない以下の健康効果が期待できます。

  • 中性脂肪やコレステロールが過剰に血管内に溜まるのを防ぐ
  • 血中の中性脂肪やコレステロール量を調整し、血液の流れを保つ
  • 上記2つの働きにより、血液をサラサラにして高血圧や動脈硬化を防ぐ
  • 胆汁や細胞膜、ホルモンを作る際の材料の一部となる

カルシウム

カルシウムも、すっぽんの肉や甲羅にたくさん含まれる栄養成分です。骨や歯を強くする他、心臓の収縮を活発にしたり、ストレスを軽減するなどの作用がきたいできます。

ビタミン・ミネラル

体内でのエネルギー代謝、食事から吸収した栄養の変換・代謝を助けるサポート役を担うのがビタミン類やミネラル類です。

ビタミン類・ミネラル類をきちんと摂取することで、貧血予防や血流促進、肌や髪の状態が良くなるなどの効果が期待できるでしょう。

すっぽんの栄養効果を活かすにはどんな料理がおすすめ?

ここからは、すっぽんの持つ栄養・健康への効果をより高めてくれる栄養的に見ておすすめの食べ方、食べ合わせを学んでいきましょう。

おすすめのすっぽんの食べ方

身から溶け出した栄養成分までおいしく食べられるという意味で、鍋がおすすめです。

家庭で調理するのも簡単ですし、具材に食べ合わせの良いものを選べば、すっぽんに含まれる栄養の吸収率や働きを高めることもできるでしょう。

すっぽんと相性の良い食材

ニンニク

ニンニクに含まれるアリシンは、すっぽんに含まれるビタミンと結合して流出しにくくし、血液をサラサラにする作用があります。

鍋の薬味として、または下味としてニンニクを使えば、健康への相乗効果が期待できます。

ビタミンC豊富な食材

レモンやゆずなどの柑橘類、カイワレ、芽キャベツ、クコの実などに豊富に含まれるビタミンCは、すっぽんに含まれるアミノ酸とともにコラーゲンの原料となります。

すっぽんとビタミンC豊富な食材を一緒に摂れば、美容・美肌効果が高まるでしょう。

干しシイタケ

ビタミンB群をたくさん含む干しシイタケは、すっぽんに含まれるアミノ酸の分解・合成を助けてくれます。

また血中のコレステロール値を下げる作用もあるので、すっぽんと一緒に食べれば高い健康効果をもたらしてくれますよ。

小松菜やほうれん草

これらの野菜にはカルシウムや鉄が豊富に含まれていますが、単独ではほとんど体に吸収されません。

タンパク質とビタミン豊富なすっぽんは、小松菜・ほうれん草に含まれるカルシウムや鉄の体への吸収を助け、促してくれます。

主成分の酢酸は、すっぽんとの相乗効果により体をアルカリ性に保ち、疲労回復やスムーズな血液の流れを助けます。

すっぽんを酢の物にする他、鍋の付け合わせや前菜として、酢の物を一緒に食べるのがおすすめです。

大豆食品

ホルモン合成に役立つすっぽんは、更年期症状の緩和に効果的とされます。そして大豆製品には、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンやエストロゲンが豊富です。

すっぽんを豆腐などの大豆食品と一緒に食べれば、美容への効果や女性特有の不調改善が期待できるでしょう。

おわりに:すっぽんはアミノ酸豊富な食品!健康・美容へ効果を発揮する

タンパク質を主成分とするすっぽんには、アミノ酸やリノール酸、ビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養成分が含まれています。食べれば疲労回復や貧血予防、肌や髪・粘膜の正常化、免疫力向上、生活習慣病予防の効果を得られるでしょう。あまり一般家庭で馴染みのある食品ではありませんが、栄養的に食べ合わせの良い食材と食べ方を参考にして、食卓に取り入れてみてくださいね。

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