あさりは酒蒸しや味噌汁、パスタに深い味わいをプラスする具材として人気ですよね。
今回はあさりの栄養と期待できる健康への効果、そしてあさりの栄養価を高める食べ方・食べ合わせのポイントまで、まとめて紹介していきます。旅先のグルメやお取り寄せを楽しむときの参考にしてください。
あさりってどんな貝?産地ごとで特徴が違うの?
日本全国で獲ることのできる二枚貝です。大きさは4㎝ほどで、塩分濃度がやや低い干潟や渚、浅瀬の砂泥の海底などに生息しています。
旬は3月~8月。近年、日本で一般的に出回っているあさりの主な産地は、以下の通りです。
あさりの主な生産地
- 愛知県
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- 全国シェア7割を占める名産地
- あさりの生育に適した環境を有す
- 殻は茶系の色で薄く、身がふっくらしているのが特徴
- 千葉県
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- 白、黒、茶、ブルー系などさまざまな殻色のあさりが獲れる産地
- 北海道
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- 全体的にベージュがかった灰色で目立つ模様がなく、厚い殻が特徴的なあさりの産地
あさりの殻の模様は、縞模様や幾何学模様などさまざま。個体による差の他、産地別にも特色があるため、殻を見れば産地がわかると言われています。
潮干狩りで獲ることもでき、古くから食卓に上がってきた日本人にとって身近な貝類です。
あさりに含まれる栄養と期待できる健康効果は?
あさりに豊富に含まれる栄養成分と、それぞれに期待できる健康効果は以下の通りです。
ビタミンB12
あさりに豊富に含まれるビタミンB群には、以下の作用から貧血予防、疲労回復、滋養強壮への効果が期待できます。
- 鉄の吸収を促進し、血液にのって酸素や栄養を運ぶヘモグロビン生成を助ける
鉄
ヘモグロビンの主原料となる栄養成分です。ビタミンB12と一緒にあさりに豊富に含まれていて、貧血を予防・改善し、貧血が原因の心身症状を治します。
亜鉛
あさりを含む、貝類に豊富に含まれることで知られる栄養成分です。肌や髪、粘膜を健康な状態に保ち、味覚障害や生殖機能障害を防ぐ作用が期待できます。
クロム
インスリンの分泌や脂質・糖質の代謝にかかわり、血中の中性脂肪やコレステロールの値を適切に保つとされるミネラルの一種。このため、生活習慣病予防に効果的とされます。
タウリン
タウリンは、あさりに豊富に含まれるアミノ酸の一種で、以下の作用から生活習慣病予防に役立つとされています。
- 血液中の余分なコレステロールを取り除き、血流を良くする
- 血液をサラサラにすることで、高血圧や鉱脈効果を予防・改善する
- 肝機能を高め、神経や内臓が適切に働くよう機能を維持する
- 膵臓に働きかけてインスリンの分泌を助け、糖尿病を防ぐ
カリウム
体内の余分な水分・塩分の排出を助ける栄養成分です。これにより、過剰な塩分摂取が原因で起こるむくみ、高血圧などを改善します。
カルシウム
骨や歯をつくる原料となり、骨粗しょう症予防に役立つとして知られる栄養成分。積極的に摂取すれば損傷しにくい丈夫な骨や歯をつくり、骨密度を上げることができます。
あさりの栄養を活かすにはどうやって食べればいい?
あさりの栄養成分の一部は、加熱することで身の外への溶け出してしまいます。
余すところなくあさりの栄養を摂取し、健康効果を得たいなら、煮汁や出汁を楽しめる汁物や炊き込みごはん、酒蒸しなどにするのが良いでしょう。
生のものなら水からゆっくりと煮だして、缶詰のものなら汁ごと使うようにすると、あさりの栄養成分をしっかり摂取できますよ。
以下に、栄養的に見てあさりと相性の良い食材と期待できる効果を、一緒に紹介します。
食べ方や食べ合わせを考えるうえで、参考にしてくださいね。
- カルシウムの吸収を促進し、骨や歯の強化・イライラ抑制ができる食材
- 牛乳、またチーズやバターなどの乳製品、きのこ類、チンゲン菜、シソ
- 鉄の吸収を促進し、貧血や貧血による諸症状を改善できる食材
- トマト、ほうれん草、パセリ、ブロッコリー、ピーマン、レモン、ジャガイモ、セリ、シジミ、ハマグリ、レバー
- 疲労回復、滋養強壮、体力増強が期待できる食材
- 牡蠣、エビ、タコ、イカ
- 高血圧や糖尿病など、生活習慣病予防効果が期待できる食材
- タマネギ、ニンニク、ニラ、ピーマン、トマト、ゴボウ、ヤマイモ
おわりに:あさりの含有成分と相性の良い栄養を知り、食べ合わせを考えよう
あさりはビタミンB12をはじめ、複数種のミネラル類を豊富に含む食材です。これらの栄養は加熱により身の外に溶けだし、強いうま味成分となって料理をおいしくしてくれます。あさりからおいしく、そして効率的に栄養と健康への効果を得るには、含まれる栄養の特徴と適切な食べ合わせを知ることが重要です。本記事を参考に、毎日の食事にうまくあさりを取り入れてみてくださいね。
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