近年、サバは安価で健康に良い魚として注目を集めています。
そこで今回はサバの栄養価に注目し、含まれている栄養成分と期待できる健康効果、おすすめの食べ合わせを解説。さらに、代表的なサバの種類別に特徴も紹介していきます。旅先のグルメやお取り寄せを楽しむときの参考にしてください。
サバの種類にはどんなものがあるの?
日本に一般的に流通しているサバは、見た目や生息地から以下3つに分類できます。
生息地や見た目の違いによる、サバの分類
- マサバ
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- 別名「平サバ」「本サバ」とも呼ばれる、日本沿岸で広く獲れるサバ
- 背中の波紋のような柄と、腹部分の銀白色が特徴。体長はおよそ50cmで、脂がのった濃厚な味わい
- ゴマサバ
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- マサバと並び、日本での漁獲量が多いサバ
- マサバよりも獲れる地域は限られていて、北海道以南の暖かい海に生息している
- 腹部分にゴマのような模様がるのが特徴
- タイセイヨウサバ
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- 別名「ノルウェーサバ」とも呼ばれるサバ
- その名の通り大西洋沿岸に生息し、ヨーロッパやカナダから日本へ輸入される
- 背中にくの字のような縦じま模様と、斑点があるのが特徴
日本のブランドサバ、代表的な7種類
近年では、日本全国で獲れるサバを「ご当地サバ」としてブランド化する動きが活発化しています。日本の代表的な7つのブランドサバは、以下の通りです。
- 関サバ
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- 大分県の佐賀関沖で、大分県漁業協同組合・佐賀関支店の漁師が一本釣りしたマサバ
- 一般的なマサバに比べ、脂乗りが良いとされる。ブランドサバのなかで最も知名度が高い
- 金華サバ
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- 秋ごろ、宮城県金華山沖で獲れるマサバのうち、一定の条件をクリアし認定を受けたもの
- 餌が豊富な海域で回遊せず育つサバであるため、身の詰まりと脂乗りが良いのが特徴
- 岬(はな)サバ
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- 愛媛県・佐多岬漁港に水揚げされたサバのうち漁師が一本釣りしたもので、一定の重量以上でブランド認定を受けたもの
- 松輪サバ
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- 東京湾を回遊しているマサバ
- 回遊せず深瀬に居付き、脂肪を蓄えているため体が金色に光るという希少なもの
- 高値で取引される
- お嬢サバ
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- JR西日本と鳥取県岩美町が協力して作り上げた、陸上養殖のブランドサバ
- 与える餌や生育環境を管理できるため、寄生虫がつくのを防げるとして注目されている
- ひむか本サバ
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- 宮崎県延岡市北浦町、日向灘で養殖されている1匹あたり400g以上のマサバ
- 甘味と噛み応えのある食感が特徴で、地域の名産品となっている
- 八戸前沖(はちのへまえおき)サバ
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- サバの獲れる最北端の海域・八戸前沖で獲れるサバ
- 水温の低い海域で育つ種類であるため、日本一脂ののりが良いサバとされている
サバに含まれる栄養と期待できる健康効果は?
タンパク質を主成分とするサバの栄養的な特徴は、他の青魚と比べても、脂肪を豊富に含んでいること。
サバに含まれる栄養と期待できる健康効果をまとめると、以下のようになります。
DHA、EPAによる生活習慣病と認知症予防効果
青魚には、DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)といった、不飽和脂肪酸と呼ばれる脂質が含まれています。
- DHAの働き
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- 血中のコレステロール量、中性脂肪量を減らす
- 脳内の海馬をつくる細胞の材料となり、脳の記憶力を維持し認知症を予防する
- EPAの働き
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- 血中の善玉コレステロール量を増やす
- 体内の余分なコレステロールを肝臓に運び、代謝を促す
- 血液をサラサラにし、血管の柔軟性を高めて血流を促進する
特にジューシーなサバは、これらの栄養成分が豊富な魚です。
高脂血症や高血圧、動脈硬化など生活習慣病の予防と、脳の活性化による認知症予防効果が期待できます。
ビタミンB2にダイエット促進効果
サバに豊富に含まれるビタミンB2には、以下の作用が確認されています。
- 三大栄養素である糖質、脂質、タンパク質の分解
- 分解した糖質、脂質、タンパク質を体を動かすエネルギーへ変換する
- 三大栄養素の分解とエネルギー変換を、スムーズにできるよう促す
このように体に余分なエネルギーを溜め込まず代謝・消費されるのを助けるため、ビタミンB2には新陳代謝を促進し、ダイエット効果を上げる働きが期待できるのです。
ビタミンDによる、骨や歯の強化
サバに豊富に含まれるビタミンDには、骨や歯の原料となるカルシウム、リンなどのミネラル類の吸収を良くする作用があります。
このためサバを骨ごと食べたり、カルシウムを多く含む食材と一緒にサバを食べれば、骨や歯を強化し骨粗鬆症を予防することができます。
鉄分とビタミンB12による、貧血や疲労の軽減
サバに含まれる栄養のうち、鉄分は血液の主成分であるヘモグロビンの原料になります。
またビタミンB12は、悪性貧血の予防や肩こりの解消、疲労回復に効果を発揮します。
積極的にサバを食べれば、貧血の予防と改善、疲労感や倦怠感の改善に役立つでしょう。
サバの栄養と効能を活かすにはどう食べればいい?
栄養的に見てサバと相性が良い食材を、期待できる健康効果別にまとめました。
サバを使ったメニューを考えるときの、参考にしてくださいね。
- 生活習慣病と老化予防をしたいなら
- ピーマン、ブロッコリー、カボチャ、ほうれん草、ニンジン、タマネギ、トマト、ゴマ、モロヘイヤ、ショウガ、小松菜、春菊、オリーブオイル、マーガリン、ピーナッツ、イチゴ、かんきつ類
- 疲労回復を促進し、体力をつけたいなら
- 梅干し、ニンジン、ピーマン、えんどう豆
- 血流を促し、貧血と冷えを改善したいなら
- ショウガ、ネギ、ブロッコリー
- 骨や歯を強化したいなら
- キノコ類、他の魚介類
寄生虫やアレルギーのリスクを考えると、サバを生で食べるのは危険です。
お刺身に近い食感と味わいが欲しいときは、酢で絞めて「しめサバ」にして食べましょう。
なおサバを煮たり、焼いたりするときは、必ず皮ごと調理するようにしてください。そうすれば、サバの栄養成分を余すところなく摂ることができます。
栄養的に見て相性の良い野菜類は、焼きサバに添えると一緒に食べやすいですよ。
おわりに:サバは健康に良い不飽和脂肪酸、ビタミン類を豊富に含む食材
青魚の中でも脂ののったサバは、DHA・EPAといった不飽和脂肪酸を豊富に含みます。またビタミンD、ビタミンB群、鉄分などミネラル類を豊富に含むため、生活習慣病や認知症予防、貧血予防から体力の増強まで、幅広い健康効果をもたらしてくれるのです。
本記事を参考に、栄養的に食べ合わせの良い食材とサバを一緒に食卓へ加えてくださいね。
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