群馬県から長野県にかけてまたがる浅間山(あさまやま)は、現在も活発な活火山であり、日本有数の登山スポットのひとつです。
今回は登山スポットとしての浅間山の魅力を、見どころや初心者におすすめのハイキングコース、ちょっと難易度の高い登山コースの楽しみ方などと一緒に紹介します。
活火山・浅間山は雄大な自然が見どころ
浅間山は長野県北佐久郡軽井沢町、群馬県東郡嬬恋村との境界にある、標高2,568mの山。
ほぼ左右対称の円錐形をした美しい独立峰で、いまも活発に火山活動を続ける現役の活火山です。
山頂からは周辺の白根山、妙義さん、荒船山、八ヶ岳、日本アルプスが望める他、天候に恵まれれば富士山までを見渡す絶景を見ることができます。
また浅間山は、周辺の山々とともに豊かな自然や動植物を育んているとして、上信越高原国立公園に指定されています。
このため登山中はもちろん、周辺一帯でも貴重な高山植物や昆虫、動物や雄大な自然の観察を満喫できるスポットとして知られているのです。
初心者向けハイキングコースで浅間高原を堪能
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登山初心者が始めて浅間山に入るなら、まずは麓の浅間高原にある浅間高原しゃくなげ園周辺を1時間前後かけて歩く、ハイキングコースがおすすめです。
見どころは、遠くに浅間山の頂を望みながらゆったりと見る、麓のシャクナゲやツツジ、カラマツなどの植物の数々。
季節によって花や、葉の色の移り変わりを見られるため、年間を通して楽しめます。
天保3年、西暦17863年の噴火で固まった膨大な量の溶岩を見られる鬼押し出し園という公園もおすすめです。
活火山という自然が作り出した、神秘的な溶岩アートを堪能することができますよ。
浅間山登山のベストシーズンは?春はシャクナゲ、秋は紅葉
浅間山登山のベストシーズンは、高山植物が花をつける春から夏、木々が紅葉する秋です。
- 5月中旬以降
- 麓に咲き誇るピンク色のシャクナゲとレンゲツツジを楽しめる
- 7~9月>
- 高山植物が一斉に花をつけるタイミング。ヤナギランをはじめ、さまざまな植物がつける色とりどりの花を楽しめる
- 10月中旬以降
- 紅葉の季節。シャクナゲ園近くのカラマツ林が黄色く色づくのをはじめ、周辺の森が赤や黄色に色づく様子が楽しめる
難易度高め!浅間山登山コースのおすすめは?
ここからは、本格的な2つの浅間山登山コース概要を紹介していきます。
黒斑山(くろふやま)登山コース
浅間山近くの山のひとつ、標高2,414mの黒斑山山頂をめざすコース。
高峰温泉を起点とし、車峠からトーミの山まで上りは「中コース」、下りは「表コース」を通って往復します。
- 行程
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- 高峰温泉 25分
- 車峠→中コース 80分
- トーミの頭 25~30分
- 黒斑山山頂 25~30分
- 表コース 70分
- 車峠 25分
- 高峰温泉
- 往復所要時間の目安
- 4時間~4時間30分
- 特徴
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- トーミの頭から黒斑山山頂までは尾根伝いに歩いていくため、細い道が多い
- しかし、稜線を歩くときには360度広がる絶景と爽快感を味わえる
浅間山登山コース
浅間山となりの前掛山山頂に登り、活火山のため立ち入りできない浅間山の火口を見るコース。あさま山荘を起点に、標高2,524mの前掛山山頂に向け歩いて行きます。
- 行程
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- 浅間山荘 120分
- 火山館 20分
- 湯ノ平口 115分
- 前掛山 80分
- 湯ノ平口 15分
- 火山館 80分
- あさま山荘
- 往復所要時間の目安
- 7時間~7時間30分
- 特徴
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- 隣接し、ほぼ同等の高さの山に登るため、活火山である浅間山の火口をじっくり観察できる
- 道中でも、近くで浅間山の雄大な山姿を望める
いずれも標高2,000mを超える山に長時間かけて登ること、尾根伝いに歩くなど足場が悪い、狭い道を歩くコースであるため、登山の難易度は高めです。
初心者は登山に慣れた知人に付き添ってもらうか、ガイド同伴の登山ツアーなどに応募して挑戦した方が良いでしょう。
浅間山は噴火のおそれあり!噴火警戒レベルに要注意
活火山である浅間山は1972年、2004年に噴火を起こしています。
2015年以降には火山活動が活発化する傾向が見られ、2020年までの5年間、浅間山の噴火警戒レベルは以下のように推移してきました。
2015~2020年6月までの浅間山の活動状況・噴火警戒レベルの推移
- 2015年…レベル2、火口周辺規制
- 2018年…レベル1、火山活動が最も弱い状態に
- 2019年…レベル3、小規模な噴火が相次ぐ危険な状態
- 2020年6月…レベル2、火口周辺規制
このように、浅間山はここ数年の間にも小規模な噴火を繰り返しています。
火山の活動状況、噴火警戒レベルは常に変動しているため、入山に関する規制も頻繁に変更にされているのです。
安全に浅間山登山を楽しむには、あらかじめ浅間山の状況を調べ、入山規制について理解しておく必要があります。
登山計画を練っている段階で、気象庁の「火山登山者向けの情報提供ページ」を閲覧し、浅間山の噴火警戒レベルと火山防災マップを確認してください。
また、万が一浅間山の噴火に遭遇してしまった場合に備えて、通常の登山用の準備物と一緒に以下の必要物資を装備していきましょう。
噴火の危険のある浅間山に、持っていくべきもの
- 火山防災マップ
- 携帯電話などの通信機器
- 通信機器用の予備電源
- ヘルメット
- ヘッドライト
- ゴーグル
- 非常食と飲料水
おわりに:浅間山の登山シーズンは春と秋!念のため、火山用防災グッズも持っていこう
1974年と2004年に噴火している浅間山は、近年も活発に活動をしている火山です。登山中に噴火が起こる可能性もゼロではありませんので、入山する前には必ず気象庁のホームページで噴火警戒レベルを確認し、火山用の防災グッズも持参して、万が一の事態に備えましょう。しかし活火山だからこそ、過去の噴火が作り出した雄大な風景を、植物が作り出す美しい景色とともに楽しむことができます。興味があるなら、ぜひ登ってみてくださいね。
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