生活習慣病の予防や、加齢による身体機能の低下を遅らせるための対策として、有酸素運動が効果的だと言われていますよね。
今回は有酸素運動による体への影響・健康効果について、どんな運動をどのくらいの頻度で行えばよいのかと合わせ、具体的に解説していきます。
有酸素運動って簡単にいうとどんな運動?
有酸素運動とは、大量の酸素を取り入れ続けることで体内に貯蓄された糖や体脂肪を分解し、その結果得たエネルギーを源として行う運動のことです。一般的には、長時間継続して行える以下のような運動のことを有酸素運動と呼びます。
- 代表的な有酸素運動の例
- ウォーキング、ジョギング、ランニング、サイクリング、水泳、エアロビクス、その他球技や歴リエーションスポーツ
有酸素運動を行うとき、私たちの体の中では以下のような事象が起こっています。
- 有酸素運動のメカニズム
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- 運動を始めたことにより、呼気から大量の酸素が体内に入ってくる
- 運動するためのエネルギー源として、まず肝臓に貯蔵された糖の分解に取り掛かる
- 貯蔵されていた糖・グリコーゲンを二酸化炭素と水に分解し、その過程で産出されたATP(アデノシン三リン酸)を筋肉に送って運動するためのエネルギーとして利用
- 運動するためのエネルギーを糖だけで賄えなくなると、次は、体内に蓄積されていた体脂肪の分解に取り掛かる
- 運動によって体内に入ってきた大量の酸素、そしてリパーゼと呼ばれる酵素の働きにより、体脂肪を遊離脂肪酸に分解し血中に放出
- 遊離脂肪酸は血流にのって筋肉に運ばれた後、ミトコンドリアによってATPに分解され、運動するためのエネルギーとして消費される
運動によって取り入れられる大量の酸素を原料に、体内の糖・脂肪を運動するためのエネルギーに変換し、長時間の運動を可能にする。これが、有酸素運動の仕組みです。
なお、運動で体温の上昇と血流の改善が起こると、体脂肪を遊離脂肪酸に分解するリパーゼの働きも活性化され、脂肪燃焼も促進されることがわかっています。
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有酸素運動をすると、体にどんな影響があるの?
有酸素運動をすることで獲得が期待できる健康効果としては、以下が挙げられるでしょう。
- 皮下に蓄積された体脂肪、および内臓周辺に蓄積された内臓脂肪の消費・減少
- 体脂肪、内臓脂肪が減少することによる高血糖、脂質異常症、高血圧の改善
- 高血糖、脂質異常症、高血圧の改善による動脈硬化など生活習慣病の発症予防
- 心臓機能の向上、また心筋が鍛えられることによる心拍で送り出せる血液量の増量
- 肺など、呼吸器官の機能向上
- 心肺機能が鍛えられることによる体力、持久力の向上
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生活習慣病を防ぐ目的では、どのくらい有酸素運動すればいい?
高血糖、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病、またこれらが原因で発症する疾患予防を目的とするなら、以下の内容・頻度で有酸素運動をすると良いとされます。
- 生活習慣病予防目的で有酸素運動をする場合に推奨される内容・頻度
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- 中等度の有酸素運動を、少なくとも週5日
- 高強度の有酸素運動を少なくとも週3日
- 中等度と高強度の有酸素運動を組み合わせた週3~5日
おわりに:酸素をたくさん取り入れながら、長時間できる運動が有酸素運動
ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳、エクササイズなど、たくさん酸素を取り入れながら長時間続けられる運動を有酸素運動と言います。有酸素運動では酸素を原料のひとつとし、体に蓄積していた糖や脂肪を分解、運動するためのエネルギーとして消費します。
このため、生活習慣病の予防や心肺機能の向上に効果的とされているのです。健康のために有酸素運動をしたいなら1日20~30分、週3日ペースから始めてみましょう。
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