長野県の3つの市町にまたがる美ヶ原は、日本百名山に数えられています。
今回は美ヶ原トレッキングの魅力をメインに、トレッキングに行く際の適切な服装や、四季折々の美ヶ原の楽しみ方を解説していきます。
美ヶ原(うつくしがはら)トレッキングの魅力
長野県の松本市、上田市、長和町の3市町にまたがる美ヶ原(うつくしがはら)は、標高は2,034.34mの山と峰から成る高原地帯です。
美ヶ原を織りなすのは、以下の山と峰。
一帯には複数のハイキングロードや登山道、危険な箇所の少ないトレッキングコースが設置されています。
- 美ヶ原を成す山峰
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- 最高峰となる王ヶ頭(おうがとう)
- 王ヶ頭周辺の王ヶ鼻(おうがはな)
- 茶臼山、牛伏山、鹿伏山
- 武石峰
入山すれば、四季折々の美しい景色を見られるのはもちろん、一体にある美ヶ原美術館や道の駅、屋外展示場などの観光施設も堪能することができます。
トレッキング初心者でも、熟練の登山者でも、気軽に楽しめるスポットと言えるでしょう。
積雪残る春のトレッキングは服装に注意
ここからは、春・夏・秋・冬それぞれの美ヶ原トレッキングの魅力と、各季節のトレッキングに適した服装・装備について述べていきます。
まずは春の美ヶ原トレッキングの魅力と、ふさわしい服装を見ていきましょう。
- 春の美ヶ原で楽しめるもの
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- 3~4月初旬にかけては、残雪を使った冬山トレッキング
- 麓から山頂に向けて、徐々に新緑が芽吹き花が咲いていく様子
- 緑や色とりどりの花の向こうに、雪がのこる山々を望める
- 5月になると雪が融けてなくなり、新緑のなかトレッキングを楽しめるようになる
- 4月後半~5月末までは初夏のような温かさ、日差しのなかでトレッキングできる
- 3~5月末までの間に水芭蕉、レンゲツツジの花が見られる
- 春の美ヶ原トレッキングにふさわしい服装
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- それぞれ化繊の長袖アンダーレイヤー、ミドルレイヤーを重ね着する
- 休憩中の体の冷えや、天候変化に対応できるウインドブレーカー
- スポーツ用のスパッツやタイツ、その上に10分丈または5分丈の動きやすいズボン
- 登山用の厚手の靴下と、トレッキングシューズ
- 紫外線予防のためのサングラス、帽子
- 雪や氷の上を進むための軽アイゼン、手袋、ワカンまたはスノーシュー
3~4月半ばまでの美ヶ原には、まだまだ冬の気配がのこっています。積雪の予報があるときには、必ず冬山トレッキングの装備を持参しましょう。
また気圧の安定しにくい春の美ヶ原は霧が出やすく、5月になると紫外線量もかなり多くなってきます。
急な天候変化と低体温症から身を守れるだけの服装と、紫外線から肌と粘膜を守る帽子やサングラス、日焼け止めも忘れず入山してくださいね。
真夏も涼しい美ヶ原高原は初心者にもおすすめ
次は、夏の美ヶ原トレッキングの魅力と、ふさわしい服装を解説していきます。
夏の美ヶ原は、200種類以上あると言われる高山植物の開花シーズン。
6月中旬ごろから開花が始まり、8月末までウスユキソウやヤナギラン、マツムシソウなど、さまざまな高原植物の花を見ることができるでしょう。
また夏には、美ヶ原牧場、三城牧場による牛の放牧を見ることもできます。
雨が増える時期なので、運が良ければ大きな虹も見られるかもしれません。
- 夏の美ヶ原トレッキングにふさわしい服装
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- それぞれ化繊の長袖アンダーレイヤー、ミドルレイヤーを重ね着する
- 休憩中の体の冷えや、天候変化に対応できるウインドブレーカー
- 上下が別々になった、防水性と防風性の高いレインウェア
- スポーツ用のスパッツやタイツ、その上に10分丈または5分丈の動きやすいズボン
- 登山用の厚手の靴下と、トレッキングシューズ
- 紫外線予防のためのサングラス、帽子
非常に紫外線が強くなる時期ですので、日焼け対策は必須です。
さらに雨が増えることを考え、ウインドブレーカーと一緒に防水性・防風性の高いレインウェアを上下セットで持っていくことをおすすめします。
秋は美ヶ原高原の紅葉を一望できる
続いては、秋の美ヶ原トレッキングの魅力について。秋の美ヶ原の見どころと言えば、やはりレンゲツツジやシラカバ、カラマツによる紅葉でしょう。
紅葉は例年9月下旬に色づき始め、10月初旬にピークを迎えます。その後色味が落ち着いてきますが、紅葉自体は雪がちらつき始める10月下旬まで楽しめるようです。
なお、美ヶ原の紅葉状況は美ヶ原高原のサイト上でも随時配信されています。秋の美ヶ原を楽しみたいなら、あらかじめ確認してから出かけると良いでしょう。
- 秋の美ヶ原トレッキングにふさわしい服装
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- それぞれ化繊の長袖アンダーレイヤー、ミドルレイヤーを重ね着する
- 休憩中の体の冷えや、天候変化に対応できるウインドブレーカー
- 上下が別々になった、防水性と防風性の高いレインウェア
- スポーツ用のスパッツやタイツ、その上に10分丈または5分丈の動きやすいズボン
- 登山用の厚手の靴下と、トレッキングシューズ
季節の変わり目である秋は、初夏と同様に雨が多くなります。必ずレインウェアと気温低下に対応するためのウインドブレーカーを持参し、対策しましょう。
紫外線は春・夏に比べかなり弱まってきますが、よく晴れた日にはサングラスや帽子、日焼け止めを用意していくのが無難。
積雪をすることはありませんが、朝晩の気温差が大きくなり山頂付近は寒くなります。
体温調節をしやすいように、薄手で動きやすい服を重ね着して行ってくださいね。
冬のレジャー!美ヶ原スノートレッキング
12~2月にかけての美ヶ原には、例年必ず積雪があります。しかし冬のトレッキングには、雪の積もった冬山でしかできない楽しみ方があるものです。
- 冬の美ヶ原で楽しめるもの
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- スノーシューを履いた、雪上の散歩やトレッキング
- 雪上車を使っての、クルージングなどのアクティビティ
- 麓との気温差が大きくなることで起こる雲海や、厚い雲の上での日の出・日の入り
- そり遊びや雪合戦など、子どもでもできる定番の雪遊び
- 空気の澄んだ冬の夜空で楽しむ、星空観賞・撮影会
冬山トレッキングには熟練者向けのイメージがありますが、美ヶ原ではスノーシューを履いての雪上散歩や雪上クルージングが手軽に楽しめます。
日中はもちろん、夜になっても幻想的な雪原の風景と空の様子を楽しめるでしょう。
- 冬の美ヶ原トレッキングにふさわしい服装
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- ウールなど保温性の高い素材の長袖アンダーレイヤー、ミドルレイヤーを重ね着する
- 防風性の高い、厚手のウインドブレーカーや登山用のコート
- 体温調整をするための薄めのダウンジャケット、またはフリーストレーナー
- ウールなど保温性の高い素材のタイツ、防風性の高い長ズボン
- ウールなど保温性の高い登山用の厚手靴下と、トレッキングシューズ
- 雪による照り返しと紫外線予防のためのサングラス、帽子
- 雪や氷の上を進むための軽アイゼン、手袋、ワカンまたはスノーシュー
1日を通して非常に寒くなる冬の美ヶ原ですが、体を動かせば汗はかきます。
休憩中に汗で体が冷えないよう、保温性を重視しつつも着脱・体温調整しやすい服装を心がけてください。薄くて暖かい長そでやタイツを、重ね着するのがおすすめです。
おわりに:何度もトレッキングに訪れて、季節ごとの美ヶ原を楽しもう!
日本百名山に数えられる美ヶ原は、一年を通じて寒冷な気候です。夏の平均気温は20度台前半と涼しく、その分、冬は4月初旬まで積雪がのこるほど寒くなります。しかし、このような季節の変化は、それだけトレッキングの楽しみが多くなるということ。年間を通して何度もトレッキングに訪れて、季節ごとの美ヶ原の魅力を堪能してくださいね。
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