タマネギは独特の辛みと加熱したときに出る甘みとコクが魅力の野菜です。いろいろな料理に使えますし、安く購入できるので重宝している人も多いと思いますが、どのような栄養があるか知っていますか?
今回は、タマネギの栄養効果と料理のコツについて食材大辞典としてまとめています。
タマネギにはどんな栄養があるの?
タマネギは、根ではなく葉の根元が養分を蓄えて丸く太った野菜で、いくつか種類があります。
一般にタマネギとよばれているのは、収穫後乾燥させ保存性を高めた薄茶の皮のある黄玉ねぎで、水分が少なく辛いのが特徴です。そのほか、乾燥させず表面の白い白玉ねぎ、表層が赤紫で生食に向く紫玉ねぎ、黄玉ねぎや白玉ねぎを早獲りした甘みが強い新玉ねぎなどがあります。
タマネギには、おもに次のような栄養が含まれています。
- ケルセチン
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- タマネギが一番多く含んでいるといわれるポリフェノールの一種
- 抗酸化作用、抗炎症作用、降圧作用などがあるほか、アレルギーの症状改善にも効果が期待できる
- 硫化アリル
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- 切ったときに目がしみる成分
- タマネギの栄養素の中でもっとも含有量が多い
- ビタミンB1の吸収を助けて新陳代謝を活発にする
- 血液をサラサラにすることでさまざまな生活習慣病を予防し冷え性の改善にも役立つ
- カリウム
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- 余分な水分を排出させむくみの解消に役立つ
- 食物繊維
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- 食物繊維は便通を整える
- 余分な脂質、糖、塩分などを吸着して体外に排出するなど、デトックス効果が期待できる
タマネギの選び方のコツと保存方法って?
タマネギの選び方と保存するときのポイントは以下の通りです。
- 選び方のポイント
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- しっかりと表面が乾燥してツヤがあり、傷、新芽や新しい根などがないものを選ぶ
- ずっしりと重みがあり硬く締っているもの、首と根の部分が小さいものがおすすめ
- 上の真ん中の軸あたりを軽く押してへこむものは中心が傷んでいる可能性がある
- 新玉ねぎはカビに注意し、葉付きは葉が青々としているものを選ぶ
- 保存するときのポイント
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- 黄玉ねぎは風通しのよい冷暗所で保存
- 白玉ねぎ、新玉ねぎは水分が多く傷みやすいので袋に入れ冷蔵庫の野菜室で保存
- 切って使いかけのものは、必ず冷蔵する
- みじん切りなどにし密閉袋に入れ冷凍保存もできる
- 冷凍すると繊維が壊れて甘み成分が出てくるので、煮込み料理などに使うとよい
- 飴色になるまで炒めたものを、使う分ずつ小分けしてラップなどに包み冷凍しておくと、劣化しにくく、いざというときにもすぐに使える
タマネギを美味しく食べるための料理のコツって?
タマネギは、生食、焼く、炒める、蒸す、煮込む、すりおろすなどしてさまざまな料理に使われます。下処理するとき、料理するときは以下のことに気をつけましょう。
- 生で食べるときは、繊維の方向に対して直角にスライスする
- 辛みをとるために冷水にさらすと硫化アリルが流れ出てしまうので、空気に15分以上さらして揮発させるとよい
- それでもうまく辛みが抜けない場合は、5分程度までなら水にさらす時間を伸ばしても良い
- 加熱調理の前にも、切った後15分ほど空気にさらすことで栄養が安定しやすい
- 加熱によって辛み成分が甘み成分に変化し食べやすくなるが、硫化アリルも別の成分に変化する(血液をサラサラする効果はある程度期待できる)
おわりに:老化や生活習慣病を予防する栄養素を多く含みます。水ではなく空気にさらすのがコツ
タマネギは、ケルセチン、硫化アリルなど、抗酸化、抗炎症のほか、血液をサラサラにする作用があり、老化や生活習慣病の予防に役立つ栄養素を豊富に含みます。料理に使う時には、生食で辛みをとるなら水ではなく空気にさらし、甘みが出る加熱調理でも事前に空気にさらすことで栄養を安定させることができます。
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