エディブルフラワーは、料理を華やかに彩り風味をつけてくれるとして、近年注目を集めている食用花のことです。
今回はエディブルフラワーとは何か、その栄養価や特徴、保存できる期間の目安、使用上の注意点などとあわせて理解していきましょう。
食用花(エディブルフラワー)とは?
エディブルフラワーとは、西洋で食材として食べられてきた花のこと。日本語では「食用花」と訳され、古くから野菜や果物のような感覚で食べられてきました。
エディブルフラワーに該当するのは、毒性がなくて生で食べることのできる花全般です。
このため、同じ種類でも食用として低農薬・無農薬で栽培された花のみが、エディブルフラワーと呼ばれることになります。
ホームセンターなどで売られている一般的な園芸用の花は、たとえ毒性のないものであっても、人体に害のある薬品を使っている可能性があるため食べられません。
以下に、70種類以上にものぼるとされるエディブルフラワーの種類を、一部例示します。
- 【エディブルフラワーの具体例】
- カリフラワー、ブロッコリー、菜の花、ミョウガ、パンジー、スナップドラゴン、ベゴニア、フキノトウ、ビオラ、カモミール、バラ、プリムラ・シルキー など
食用のイメージがないもの以外にも、日本で野菜・山菜と認識されているものも含まれていますね。
日本では主に愛知県において生産され、農林水産省が定めた凱雄ラインに基づき食用栽培された毒性のない花だけが、エディブルフラワーとして流通しています。
なお流通するエディブルフラワーには生花タイプ、ドライタイプの2種類があり、用途により以下のように使い分けられるのが一般的です。
種類別、ドライフラワーの用途
- 生花タイプ
- サラダ、天ぷら、ケーキに使われることが多い
- ドライタイプ
- ハーブティー、クッキーのトッピングに使われることが多い
エディブルフラワーにはどんな栄養が含まれているの?
ここからは、代表的なエディブルフラワーであるスナップドラゴン、ビオラ、バラの3種類を例に、エディブルフラワー栄養とそれぞれの特徴について解説していきます。
スナップドラゴンに含まれる栄養
別名「キンギョソウ」とも呼ばれるこの花は、金魚が泳いでいるときのようなひらひらとした花びらをしていて、柔らかい食感をしています。
淡白で少し苦味のある味わいで、ビタミンCが豊富。サラダの他、熱を加えても発色が良いので炒め物の彩りとして使われることも多いです。
ビオラに含まれる栄養
パンジーに似ていますが、パンジーよりも小ぶりな花。色の種類が多いため、複数の色や他の花と組み合わせてケーキに乗せるなどして、料理を彩るのに使われます。
レタスに似た味でクセが少なく、香りから甘味を感じられるのが特徴。ビタミンZとビタミンC、食物繊維が豊富です。
バラに含まれる栄養
花の代名詞に使われるほど、その華やかさと香り高さで知られる花。このため、ジャムやケーキの飾りつけに用いられることが多いです。
食用すればビタミンC、ビタミンAの他、バナナの10倍とも言われるほど多量の食物繊維を摂取することができます。
種類によらず、エディブルフラワーには野菜や果物に似た味わい・栄養価をもつものが多いと覚えておきましょう。
エディブルフラワーはどれくらい保存できるの?
タイプ別にエディブルフラワーの適切な保存方法、保存できる期間の目安をまとめると、以下のようになります。参考にしてくださいね。
生花タイプの場合
- 保存できる期間の目安
- 一般的な生鮮食品、野菜と同じく購入から2~5日間
- 適切な保存方法
- 生花タイプのエディブルフラワーは乾燥、高温多湿、直射日光に弱い食材
- 必ず以下の手順を踏み冷蔵庫の野菜室で保存する
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- キッチンペーパーを軽く濡らし、皿またはタッパーに敷く
- 敷いたキッチンペーパーの上に、エディブルフラワーを重ならないよう並べておく
- その上からラップ、またはフタをして密閉し、適度な湿気を保てるようにする
- 保存できる期間の目安
- およそ1年間
- 適切な保存方法
- ドライタイプのエディブルフラワーの天敵は湿気とホコリ、紫外線
- 以下の方法で長期保存するのが、長く楽しむコツ
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- シリカゲルなどの感想剤と一緒に、タッパーや保存袋などに入れる
- 容器または袋を密閉し、直射日光の当たらない冷暗所に保管しておく
ドライタイプの場合
おわりに:野菜や果物と同じく、エディブルフラワーはビタミン豊富な食材
毒性がなく、食用として育てられた食べられる花のことをエディブルフラワーと言います。西洋では古くから食べられてきた食材で、その種類は70種類以上に及びます。日本では近年になってから知られるようになった食材ですが、なじみ深いフキノトウや菜の花、ミョウガなどもエディブルフラワーの一種です。ただし、園芸用に育てられた花は食用には適しません。体調を害する恐れがあるので、必ず食用として流通しているものを食べてください。
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