関東・箱根周辺で気軽に日帰り登山できる場所をお探しなら、金時山がおすすめです。
今回は登山コースの特徴や道中の見どころ、子どもでも山登りと一緒に楽しめるアクティビティに至るまで、金時山の魅力を解説します。
金太郎伝説ゆかりの山!金時山登山は家族連れにもおすすめ
静岡県駿東群にある金時山は、神奈川県から静岡県にかかる箱根山の一部です。
中心部である神山や駒ヶ岳などの中央火口、芦ノ湖を囲むように存在する外輪山を成す山で、山頂の標高は1,212mあります。
およそ40万年前、箱根山一帯で起きた大規模な噴火によってできた山だとされ、北側一帯は足柄山とも呼ばれています。
金時山と呼ばれるようになったのは、昔話「金太郎」のモデルとなった武将・坂田金時ゆかりの地として広く認知されるようになった、文政3年(1820年)以降から。
もともとは猪鼻山(いのはなやま)と呼ばれる山でしたが、坂田金時がこの地で育ち、源の依光に使えたという逸話にちなみ金時山と呼ばれるようになりました。
登山スポットとしての特徴は、まず山頂に茶屋や休憩小屋、公衆トイレが整備されていて初心者や女性にも上りやすい山であることが挙げられるでしょう。
そして山頂からは芦ノ湖、北岳(きただけ)、間ノ岳(あいのだけ)、富士山など周辺の山々や相模湾、スカイツリーなど広範囲の絶景を楽しむことができます。
金時山の登山口は4種類!おすすめの登山コースは?
金時山登山に使える登山口は乙女峠、乙女口、金時神社入り口、金時登山口の4つです。
以下に、いずれも国道138号線沿いにあるそれぞれの登山口からのコース概要と違いを見ていきましょう。
乙女峠
- 乙女峠から稜線沿いに長尾山を経由し、金時山へ向かっていくコース。
- ゴール地点である山頂付近だけでなく、道中にも富士山を望む素晴らしい眺望が期待できるが、深く左右に切れ落ちた箇所があるため危険もある。
- 1日あたり1,000円支払えば、登山口にあるふじみ茶屋の駐車場を使用できる。
乙女口
- 乙女峠、金時神社入り口に隣接した登山口。
- 乙女峠から長尾山経由、金時神社入り口方面へ進み樹林地帯を経由するどちらのルートもとれるコース。
- ただし、乙女口には駐車場がない。金時神社入り口から、バスか徒歩で行く必要がある。
金時神社入り口
- 金時神社分岐までは、主に樹林地帯を通っていくコース。
- このため、分岐を過ぎるまでは眺望は望めないが、登山中には神社の駐車場を無料で利用できる。
金時登山口
- 矢倉沢峠を経由し、明神ヶ池などの眺望を望みながらほぼまっすぐ山頂へ向かうコース。
- 急な上りになるが、矢倉沢峠を越えると周囲が開けて素晴らしい景色を堪能できるようになる。
- なおこの登山口を利用するなら、1日500円で食堂「蔵一」の駐車場を使える。
また金時山の北東側、足柄山と呼ばれる方面には地蔵堂登山口もあり、ここからは「足柄峠・金時山コース」と「金太郎コース」の2つの登山ルートが設定されています。
- 足柄峠・金時山コース
- 地蔵堂を起点に、足柄古道を上っていく眺望の良いルート
- 金太郎コース
- 金太郎山のうち、金太郎伝説ゆかりの場所を巡るルート
次項からは、地蔵堂をスタート地点とする2つの登山コースの概要を紹介します。
初心者OK「足柄峠・金時山コース」は景観が素晴らしい
地蔵堂を起点とした「足柄峠・金時山コース」の概要は、以下の通りです。
- 順路
-
- 地蔵堂
- 徒歩60分
- 足柄万葉公園へ
- 徒歩10分
- 足柄峠
- 徒歩90分
- 金時山山頂
- 徒歩80分
- 金時山登山口
- 所要時間
- 全行程でおよそ4時間
- 総移動距離
- およそ9㎞
- 最大標高差
- およそ800m
- トイレのある休憩ポイント
- 地蔵堂、足柄峠、金時山山頂、金時神社入り口
見どころ
足柄万葉公園
- 相模湾を望む絶景を楽しめる公園
- 万葉集の歌碑がある。隣接する希望の丘公園からは、富士山を見ることもできる
足柄峠
- 神奈川県と静岡県、その県境に位置する峠
- 古くから交通の要衝であったため、足柄城跡など歴史的に見て重要な史跡がいくつかある
ヤマトタケルノミコトも超えたとされる古道・足柄古道を、地蔵堂から金時山に向かって上り、金時山登山口へ抜けていきます。
「かながわの景勝50選」にも選出される足柄峠を通るため、金時山登山ルートのなかでもひと際眺望を楽しめるコースです。
夏の水遊びの滝も!金太郎コースは子どものアクティビティにぴったり
次は地蔵堂を起点に、金太郎伝説ゆかりの地を巡る「金太郎コース」の概要を紹介します。
- 順路
-
- 地蔵堂
- 徒歩15分
- 夕日の滝
- 徒歩130分
- 金時山山頂
- 徒歩80分
- 金時神社入り口
- 所要時間
- およそ3時間45分
- 総移動距離
- およそ7.7㎞
- 最大標高差
- およそ800m
- トイレのある休憩ポイント
- 地蔵堂、夕日の滝、金時山山頂
見どころ
夕日の滝
- 金太郎が産湯に使ったという逸話ののこる滝
- 近くの広場には金太郎の歌の記念碑、そして金太郎の力水と呼ばれる水飲みが設置されている
「足柄峠・金時山コース」とは異なるルートで、金太郎伝説とゆかりの深い夕日の滝をメインに金時山山頂をめざし、金時神社入り口へと抜けていきます。
金時山山頂付近、夕日の滝分岐から高時神社分岐までの区間は、「足柄峠・金時山コース」を同じルートを通ります。
「足柄峠・金時山コース」に比べて距離が短く、ちょっとした水遊びができるスポットも含まれているため、子ども連れにはこちらがおすすめです。
箱根も近い金時山は都心からも好アクセス
関東有数の温泉地・箱根にほど近い金時山は、東京都心からのアクセスも便利です。
仮に新宿から電車で金時山登山口に向かう場合、小田急ロマンスカーに乗って箱根湯本駅で下車、その後は箱根登山バスで各登山口へ行くことができます。
新宿から高速バスを使う場合は、箱根方面へ向かう小田急高速バスに乗り込みましょう。
御殿場駅を超えると東御殿場、乙女峠・ふじみ茶屋、乙女口、金時神社入り口、金時神社の順に停車しますので、利用予定の登山口バス停で降りてくださいね。
電車と高速バス、いずれの交通手段であっても2時間程度で登山口まで行くことができるので、日帰りでの金時山登山にも役立ちますよ。
おわりに:都心から近く、子どもも遊べる金時山は絶好の日帰り登山スポット
外輪山として箱根山の一角を成す金時山は、有名な昔話「金太郎」ゆかりの地です。複数ある登山ルートのなかでもおすすめなのは、地蔵堂を起点として景勝ポイントを巡る「足柄峠・金時山コース」と、金太郎ゆかりの水辺を巡る「金太郎コース」の2つ。上り始めから下山まで4時間前後なので、体力や登山スキルが心配な初心者でも、気軽に日帰り登山に挑戦できるでしょう。東京都心からのアクセスも良いので、ぜひ行ってみてくださいね。
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