牛肉や豚肉に比べて安価で手に入りやすい鶏肉は、食卓にあがる機会が多いですよね。
今回は鶏肉の栄養面に着目し、鶏肉に期待できる健康効果や部位別の特徴、鶏肉の栄養をより効率的に摂るための食べ合わせのポイントなどを解説していきます。旅先のグルメやお取り寄せの際に役立ててください。
鶏肉とはどんな肉?
鶏肉は、ニワトリの肉を指す言葉です。アヒル、カモ、七面鳥などニワトリ以外の鳥類の肉は鳥肉と表記して区別されています。
鶏肉と書いて「とりにく」または「けいにく」と読み、関西・九州の一部地域で「かしわ」とも呼ばれるニワトリには、全部で17の部位があります。
頭に近い方から、肉・内臓それぞれの部位別に、鶏肉の特徴を理解していきましょう。
鶏肉の17の部位
《1》せせり
- ニワトリの首の肉
- 歯ごたえがしっかりした、引き締まった肉質
- うま味が強くおいしいが、1羽から少ししか取れない
《2》むね
- ニワトリの胸部分の肉
- 脂身が少なく、タンパクな白身のような味でカロリー・脂質ともに低いのが特徴
- 健康志向の高まりにより、近年注目されている
《3》ささみ
- ニワトリの肋骨に沿ってついている、むね肉の一部
- マグロでいう中落部分にあたる
- 柔らかくタンパクな味わいだが、火を通しすぎるとパサパサになる
《4》手羽元
- 羽の付け根にあたる部分
- コクのあり、軟骨の楽しめる。揚げ物や煮込み料理に使える
《5》手羽中
- 手羽先から、先端の尖ったところを取り除いた部分
- 引き締まった肉質でうま味が強い
- 開いて串に刺し、焼き鳥にするなどして食べる
《6》手羽先
- 羽の先端の尖った部分
- ゼラチン質で、脂の多いこってりした味わい
- 焼き鳥、揚げ物、煮込み料理などさまざまな調理法でおいしくいただける
《7》もも
- 脚の付け根の部分
- 脂肪と皮部分、赤みがすべて楽しめる食べ応えのある肉質
- プリプリとした歯ごたえでうま味が強く、大きいので調理しやすい
《8》皮
- ニワトリの全身を覆う皮膚の部分
- 羽が生えていた小さな穴がたくさん開いている
- ゼラチン質で茹でるとプリプリした食感に、焼くとパリパリした食感になる
《9》さえずり
- ニワトリの食道・気道の総称
- コリコリとした独特の食感を楽しめる
- 焼き鳥のメニューとして人気
《10》ハツ
- ニワトリの心臓。
- 筋肉が発達しているのでプリプリした食感
- 弾力があってうま味が強いが、噛んでいると脂のおいしさも感じられる
《11》やげん
- ニワトリの肋骨の先端にある、軟骨部分
- 焼き鳥屋では「ヤゲンナンコツ」とも呼ばれる
- コリコリした食感で、足の軟骨に比べて食べやすい
《12》レバー
- ニワトリの肝臓
- 滑らかな口当たりで、牛や豚のレバーに比べクセが少なく食べやすい
《13》砂肝
- ニワトリの筋胃(きんい)と呼ばれる部分
- 飲み込んだ食べ物を砂粒ですりつぶすための、鳥類にしかない消化器官
- かなり歯ごたえがあり、ぎゅっと噛みしめるとうま味が出てくる
《14》げんこつ
- ニワトリの膝関節
- 丸い軟骨で、唐揚げによく使われている
- コリコリした食感でおいしい
《15》せぎも
- ニワトリの腎臓
- 取り出すのが難しく、1羽から摂れる量も少ない希少部位
- 脂がのっていてうま味が強く、煮ても焼いてもおいしい
《16》きんかん
- 生まれる前の卵
- メスのニワトリの体内に、数珠繋ぎになった状態で入っている
- 固めの卵の黄身のような味と食感で、煮物などに使われる
《17》ぼんじり
- ニワトリの尻尾の肉
- 筋肉が発達しており、弾力のある食感と強いうま味が特徴
- 希少部位
鶏肉には栄養面でどんな特徴があるの?
動物性タンパク質を主成分とする鶏肉には、他にもコラーゲン、メチオニンという栄養成分が豊富に含まれています。
それぞれの栄養成分に期待できる、健康への効果を以下に見ていきましょう。
動物性タンパク質
タンパク質は私たちの血液、皮膚、内臓などの原料となる栄養成分です。肉や魚には動物性タンパク質が、豆や穀物には植物性タンパク質が含まれています。
鶏肉のタンパク質は、他の肉類に比べて低脂質・低カロリー、消化が良いのが特徴です。
積極的に食べることで冷え性改善や疲労回復、ケガの治癒促進などの効果が期待できるでしょう。
コラーゲン
細胞同士を結び付ける働きのある栄養成分です。このため、肌細胞同士をつなぎ合わせて潤いやハリを与える、美肌に良い栄養成分として知られています。
鶏肉を食べてたくさんコラーゲンを摂れば、細胞同士の結びつきが強まって美肌、白内障や老眼の予防、関節痛の改善に役立つと考えられます。
メチオニン
私たちの体づくりに欠かせない必須アミノ酸の一種で、肝臓の働きを助けたり、血管内のコレステロール値を下げる作用があります。
このため、鶏肉からメチオニンを摂取することで、血管内にコレステロールが沈着することで起こる動脈硬化や心疾患、脳梗塞を予防できるとされます。
鶏肉と栄養的な相性がいい食材は?
栄養的に見て鶏肉と相性の良い食材としては、以下が挙げられます。
- 消化を助け、胃腸を丈夫にするもの
- 大根、トマト、キャベツ、もやし
- 肝臓の働きを助け、脂肪肝を予防するもの
- さつまいも、大豆、ごぼう
- 鉄の吸収を促進し、貧血を予防する
- ほうれん草、チンゲン菜、アスパラガス
- 美肌効果を高めるもの
- レモン、ヒラメやカレイの縁側、牛すね肉
上記に挙げた食材は、普段から鶏肉と合わせて料理することが多いですよね。
これらの食材と鶏肉は、栄養的にも味的にも相性の良い食材と言えるでしょう。
おわりに:鶏肉には体づくりと生活習慣病予防、美容にも良い食材
全体的に脂肪が少なく、タンパクな味わいの鶏肉には、タンパク質をはじめコラーゲンやメチオニンなどの栄養成分が含まれています。これらは私たちの体を作り、肌や目の状態を整え、生活習慣病発症のリスクを低減してくれるもの。豚肉・牛肉に比べ安価で、他の食材とも組み合わせやすいので、さまざまな部位を毎日の食事に取り入れてみましょう。
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