小さく、1つの付け根から2つの実がなるかわいらしい果実・さくらんぼ。
今回はさくらんぼの栄養成分と健康への効果について、代表的な種類やそれぞれの特徴、食べるときの注意点と一緒に理解していきましょう。
旅先のグルメやお取り寄せを楽しむときの参考にしてください。
さくらんぼにはどんな種類があるの?
バラ科サクラ属の木のうち、観賞用出ないセイヨウミザクラ、スミミザクラなどになる実のことを「さくらんぼ」と呼びます。
日本には明治時代に伝わり、北海道で植樹されたのが最初だと言われています。
その後、東北地方などの寒冷地を中心に、栽培が広まっていったと考えられているのです。
さくらんぼという日本語名は、桜の子という意味の「さくらの坊」から。
一般的には、国産のものは「さくらんぼ」、外国産のものは「チェリー」と呼ぶことが多いですが、植物学場はどちらも桜の桃という意味合いから「桜桃(おうとう)」となります。
比較的栽培が難しいため、高値で取引されることも多いさくらんぼ。
その種類は世界に1000以上あると言われていますが、日本で一般的に流通しているのは以下の6つでしょう。
日本で流通しているさくらんぼの種類
- 佐藤錦(さとうにしき)
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- 日本を代表する種類のさくらんぼ
- 赤く輝くような見た目、柔らかい口当たりの品種で高価
- ビング(Bing)
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- いわゆるアメリカンチェリーのこと
- 日本で一般的に生産されているものよりも大きく、果肉が硬い
- 濃い赤紫色で、甘味が強いのが特徴
- 旬は5~7月上旬まで
- 豊錦(ゆたかにしき)
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- 果肉の柔らかさが特徴のさくらんぼ
- 酸味が少なく、5月下旬に旬を迎える品種
- 月山錦(がっさんにしき)
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- 他に比べかなり大粒のさくらんぼ
- 1粒およそ9gでしっかりした果肉で、酸味が少なく甘味が強いアメリカンチェリーに近い味わい
- 旬は6~7月にかけて
- 紅秀峰(べにしゅうほう)
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- 酸味が少ないため、実際の糖度よりも甘味を感じられるさくらんぼ
- クリーム色の果肉は硬めのため日持ちが良く、スイーツなどに加工もしやすい
- 6~7月が旬
- 高砂(たかさご)
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- あっさりとして、上品な甘味・酸味が感じられるさくらんぼ
- 旬は6~7月で、佐藤錦よりも少し早い
さくらんぼの栄養にはどんな効果が期待できるの?
以下に、さくらんぼに含まれる栄養成分を期待できる効果ごとに解説していきます。
疲労回復の促進
さくらんぼの主成分は、水とブドウ糖です。ブドウ糖は、体にすばやく吸収され、脳や体を動かすエネルギー源となってくれます。
また、疲労を感じる原因となる乳酸の代謝を促すアスパラギン酸、消化器の機能を向上させる有機酸なども豊富。各栄養の吸収を効率的にする、ビタミン類も含まれています。
このため、疲れているときの体力・気力の回復や栄養補給、体調が悪いときに食欲を増進させる作用が期待できるのです。
むくみ・高血圧の解消
さくらんぼには、腎臓の働きを助け体内の水分・塩分量を適性に保つカリウム、利尿作用のあるアスパラギン酸が含まれています。
このため、体液が増えすぎることによる高血圧やむくみの解消に効果的です。
抗酸化作用
加齢による細胞の劣化・酸化を防ぎ、若々しく健康的に保つ作用のことを抗酸化作用と言います。
さくらんぼに含まれるアントシアニン、フラボノイドは抗酸化作用が強い栄養成分。
このため、細胞を良い状態に保つことによる視力の回復や疲れ目の軽減、美肌、美髪、生活習慣病予防、感染症予防、発がん予防などの効果が期待できます。
冷えや貧血の予防
さくらんぼには、以下のビタミン類・ミネラル類がバランス良く含まれています。
- 鉄分、葉酸
- 赤血球の生成を助けて貧血を防ぎ、細胞の成長を促進する
- 有機酸
- 血行を促し、全身の血流を改善する
- 銅
- 鉄の吸収を促し、貧血予防を助ける
このため、慢性的な冷えや生理中・妊娠中の女性の貧血予防、また貧血が原因の体調不良改善の効果が期待できるでしょう。
便秘改善と虫歯予防
さくらんぼに含まれるリンゴ酸、ソルビトールには整腸作用があります。
このため、適量のさくらんぼを食べることで便秘の解消や消化器の機能向上、腸内環境の改善、免疫力向上などの効果が期待できます。
また、ソルビトールは虫歯菌の餌にならない天然甘味料でもあります。整腸と同時に、虫歯予防の効果も期待できますよ。
さくらんぼのおすすめの食べ方と食べるときの注意点は?
お店でさくらんぼを買うときは、以下の条件を満たす状態の良いものを選びましょう。
- おいしいさくらんぼの特徴
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- 皮と果肉にハリとツヤがあり、色が鮮やか
- 軸の部分が緑色で、茶色くしなびていない
さくらんぼは乾燥に弱く、あまり日持ちしません。
購入後は必ず冷蔵庫で保存し、できるだけ早く食べてください。1日以上置いてから食べたいときは、乾燥と変質から守るために紙袋か新聞紙に包んでから冷蔵庫へ。
食べるときは、直前に栄養が流れ出ない程度にさっと水洗いしましょう。
購入後、すぐに食べたいときはザルに入れて冷たい水にさっとくぐらせると、適度に冷えて甘味を感じやすい状態になりますよ。
また、そのまま食べる以外にも、さくらんぼを料理に使うという食べ方もあります。
以下に、さくらんぼの栄養吸収を助ける食材を使った料理例をいくつか挙げておきますので、食べ方の参考にしてくださいね。
- 栄養的に見た、おすすめのさくらんぼの食べ方
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- ビタミンE豊富なルッコラや春菊、油分を摂れるチーズと一緒にサラダに
- 鉄分豊富な豆腐と油分である生クリームと和え、鉄吸収率の良い白和えに
- 白身魚とオリーブオイルで、さくらんぼのビタミン吸収率を高めるカルパッチョ
おわりに:さくらんぼは疲労回復・体調改善に効果的!買ったらすぐ食べて
ビタミンCをはじめカリウム、ブドウ糖、ポリフェノール、ビタミン・ミネラルなど、さくらんぼにはさまざまな栄養成分がバランス良く含まれています。適量を継続的に食べれば疾病予防や貧血、疲労などによる体調不良の改善が期待できますが、あまり日持ちしません。
また、水に溶ける栄養成分も含まれているので、長く水にさらすことや加熱調理には不向きです。生のまま料理に使うなどして、買ったさくらんぼは早く食べきってください。
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