ムカゴは、ヤマイモにできる小さなイモのような球芽のことです。あまり流通しませんが、ホクホク食感と上品な甘みがたまりません。通販や道の駅などで手に入るので、一部の人からは注目を集めています。
今回は、ムカゴの栄養効果と美味しく食べるコツや保存方法のコツについて食材大辞典としてまとめました。
ヤマイモの赤ちゃん、ムカゴの栄養効果は?
ムカゴ(零余子)とは、植物が繁殖のために作る葉や茎が小さく変形した肉芽で、土に植えると種のような働きもするものです。ただし、一般的にムカゴといえば、ヤマノイモの蔓の葉の付け根あたりにできる直径1~2cmほどの丸く灰色の球芽を指し、「ヤマイモの赤ちゃん」とも呼ばれることがあります。以下を見るとわかるように、地下の芋と同様、栄養価の高い貴重な山の幸です。
- 老化を予防
- 独特の粘り成分に、新陳代謝や細胞増殖をうながす働きがある
- 老化予防や美肌のほか、血糖値やコレステロール値、血圧などの正常化にも役立つ常食すれば基礎体力が増すともいわれている
- 食欲不振を改善
- アミラーゼなどの酵素がたくさん含まれ、でんぷんを含む食材の消化を助けて食欲不振の改善に役立つ
- 体を動かすエネルギーになる
- 疲労回復、免疫力アップ
- 昔から強精作用があるとされるアルギニンを多く含む
- 血流を促進し疲労回復や免疫力を高める効果がある
- 動脈硬化やむくみ、生活習慣病のリスクを下げる
- 血液内の塩分バランスを正常化するカリウムを多く含む
- 余分や塩分などを体外に排出することでむくみや高血圧、動脈硬化などを予防改善する
- 食物繊維なども豊富で、便秘の改善や有害物質の排出、満腹感を得やすいことによるダイエット効果も期待できる
ムカゴの選び方と保存方法のポイントは?
ムカゴの選び方と保存方法のポイントは以下の通りです。
- ムカゴの選び方のポイント
- ふっくらとして皮にシワがなく張りがあり、粒のそろったものを選ぶ
- ムカゴの保存方法のポイント
- 室温で置いておくと乾燥が進み皮にシワが出てくるので注意
- 洗ったまま容器などにいれるとカビが生えるので注意
- 保存するときは、おがくずや籾殻などがあればその中に埋め、冷暗所に置く
- おがくずや籾殻などが用意できないときは、新聞紙や湿らせたキッチンペーパーなどにくるんでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に入れておく(冷凍保存も可能)
ムカゴを美味しく食べるにはどうすればいい?
山芋と同じくクセのない味ですが、ホクホク感はそれ以上です。調理ではよく洗ってから皮はむかずにそのまま使いますが、皮近くの土っぽい香りが気になるなら、軽く洗ってからすり鉢に入れて優しく手で押さえながら転がし、手についた薄皮を水で洗い流しましょう。
オススメの食べ方はシンプルな塩茹でです。塩を入れ沸騰させた湯で2~3分茹でるだけでよく、胡椒やバターを加えても美味しいです。茹でたり素揚げにしたものにさっと塩を振って食べたり、白米と一緒に炊いてムカゴご飯にしてもいいでしょう。ムカゴご飯は3~4合にムカゴ100gほど入れ一緒に炊き上げますが、ムカゴだけ別に塩茹でしてその茹で汁でご飯を炊いてから混ぜるとさらにホクホク感が増し美味しく仕上がります。
そのほか、サクラエビや他の野菜と共にかき揚げにしたり、ピザ用チーズをのせてオーブンで焼くなどしても美味しいです。
おわりに:体の機能を正常にし元気を回復する成分を多く含みます。ホクホク感を活かしましょう
ムカゴには、老化や生活習慣病予防、食欲増進、疲労回復、免疫力強化、美肌やダイエット効果など、小さいながらも山芋と同様の、体の機能を正常にし元気を回復する成分がたっぷり含まれています。シンプルな塩茹でやムカゴご飯で、皮つきのままホクホクとした季節の味を楽しみましょう。
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