福島県の会津、その東部にあって中心都市である会津若松には、ご当地グルメと自然美を楽しめる温泉宿がたくさんあります。そこで、今回は会津・会津若松でグルメと景色を楽しめる温泉宿を5つ、お風呂の魅力やその他の特徴と一緒に解説します。
会津芦ノ牧温泉 大川荘:鬼滅の刃に激似の宿?!渓谷の絶景露天風呂や貸切空中露天風呂も必浴!
会津芦ノ牧温泉にある「大川荘」は、畳と木材を多用した大川荘の館内は、客室はもちろんロビーやティーラウンジなど共用部分に至るまで、風雅な和モダンに統一された空間になっています。
なかでも特徴的なのは、正面玄関を入ってすぐ目に入る浮き舞台です。岩を配し、水を張った上に赤い床の舞台を配し、そこから各階へ階段や廊下でつながる浮き舞台は、地元の民謡歌手による三味線演奏のために用意されたもの。この浮き舞台が2020年、大ヒットマンガ『鬼滅の刃』で主人公・炭次郎と琵琶の音色で空間を操る鬼・鳴女(なきめ)が戦った無限城に似ている、として話題になりました。
大川荘の浮き舞台では、現在も夕方になると毎日、三味線の生演奏を聞くことができます。風雅な和の空間で、上質な三味線の演奏と鬼滅の刃の雰囲気を楽しめる温泉宿は、おそらく日本では大川荘だけ。ぜひ温泉と美しい空間、そして鬼滅の刃の世界を体感しに、大川荘を訪れてみてください。
なお、大川荘は館内空間だけでなく「四季舞台たな田」と銘打たれた絶景露天温泉をはじめ、入浴施設も非常に魅力的です。隣接する大川のせせらぎを聞き、高所から渓谷の絶景を望みながら入浴できる温泉は、60度で湧出する芦ノ牧温泉の源泉かけ流し。その泉質・効能は以下の通りです。
泉質・効能
- 泉質
- カルシウム・ナトリウム・硫酸塩・塩化物温泉
- 効能
- 動脈硬化、切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十方、運動麻痺、関節のこわばり、打ち身、くじき、慢性消化器病、痔、冷え、病後回復期、疲労回復、健康増進
お風呂の種類・概要
四季舞台たな田を含めた、大川荘のお風呂の種類・概要は以下の通りです。
- 四季舞台たな田」
- 渓谷に向かい、段々になっている浴槽で入浴できる露天風呂
- 「空中露天風呂」
- 清水の舞台を模した施設で、渓谷に向かいせり出した絶景を見られる
- 「内風呂」
- 大きな窓から四季折々の渓谷美を楽しめる屋内大浴場、洗い場を併設
- 「サウナ」
- 女性用には麦飯石を敷いた寝転びサウナ「せせらぎ」、男性用にはピンクソルトサウナ「陽だまり」を備える
会津芦ノ牧温泉 丸峰 別館 川音:樹齢2千年の古代檜風呂でのんびり湯♪客室露天風呂もあり
会津芦ノ牧温泉から風呂自慢の宿「丸峰 別館 川音」の特徴は、浴場と入浴中に望める景色にあります。別館では、さわやかな香りを楽しみながら樹齢2,000年超の古代檜の浴槽に入れる「古代檜の湯」と、石造り浴槽の「貸し切り風呂」に入浴できます。
また、別館に宿泊すれば姉妹館である本館のお風呂「渓流展望風呂」と、岩を配して作られた自慢の「露天風呂」にも入れるようになります。展望露天風呂は内湯でありながら、30mにも及ぶ大きな窓から、大川渓谷と季節によって色を変える周囲の山々が作り出す雄大な景色を一望できる絶景の湯。
丸峰を訪れるなら、ぜひ本館と別館すべての公衆浴場で、温泉と絶景を堪能してください。
なお、プライベートな温泉入浴を楽しみたい人のために、丸峰別館は露天風呂付きの客室も備えています。露天風呂付き客室の部屋タイプは和室、和洋室、洋室の3種類あり、和室の露天風呂は枯山水のあしらわれた坪庭越し大川と渓谷を、和洋室・洋室では眼下に大川と渓谷を望むテラスにて、貸し切りで露天風呂入浴を楽しめます。異なるタイプから、あなたのお風呂や部屋の好みに合わせて利用すると良いでしょう。
会津東山温泉 庄助の宿 瀧の湯:パワースポット湯で楽しむ地産旬消の郷土料理!愛犬も宿泊できるのが〇
ここからは会津東山温泉から、3軒の温泉宿を紹介していきます。1軒目として紹介するのは、地元産と旬の食材を使うことにこだわった料理が自慢の宿「庄助の宿 瀧の湯」です。
およそ20年前から、全国的に先駆けて地産地消に取り組んできた瀧の湯では、以下のような地元食材を季節の旬食材と組み合わせて、宿泊客に提供してきました。
会津産食材の例
- 会津馬肉
- 会津では身近な食材である馬肉のうち、希少な最高級霜降り肉を提供
- 会津地鶏
- 天正年間に生まれ、交雑することなく現在まで維持される貴重な地鶏
- 会津産黒毛和牛
- 地元の畜産農家が時間と手間をかけて育てた、おいしい牛肉
- 会津豆腐
- 空海、最長と同時期に生きた会津仏教の開祖が伝えた、伝統の豆腐
- 会津米
- 磐梯山の伏流水の恵みを受けて育った、魚沼産コシヒカリにも劣らぬ高品質米
- お刺身
- 岩魚や会津雪鱒など、磐梯山の伏流水で育てられた魚のお刺身を提供
また、いわゆる温泉旅館らしい贅沢なごちそうばかりでなく、会津地方で暮らす人々の間で食べられてきた郷土料理の良さを活かした「会津郷土懐石料理」を作っているのも特徴。自慢の料理は食事会場でいただくのが通常ですが、利用プランによっては部屋でゆっくり食事を摂ることも可能なので、宿泊プランの選択時に確認してください。
そんな料理自慢の瀧の湯の名称は、東山温泉の歴史に由来しています。東山温泉はいまからおよそ1,300年前、瀧の湯横の「伏見ヶ滝」近くに温泉がわき出しているのを、行基上人が見つけたと伝えられ、伏見が滝は古くから不思議な伝説の堪えない場所で、名称も「不思議な滝」から転じて「ふしみがたき」と呼ばれるようになったとされるほどです。
現在もパワースポットとして知られる伏見ヶ滝こそ、昭介の宿 瀧の湯の由来なのです。
泉質・効能
東山温泉の泉質・効能は以下の通りです。
- 泉質
- カルシウム・ナトリウム・硫酸塩化物泉
- 効能
- リウマチ、運動器障害、創傷、慢性皮膚疾患、虚弱児童、慢性婦人化疾患、更年期障害、動脈硬化症、痛風および高尿酸血症、痔など
瀧の湯の入浴施設は2つの内湯大浴場と露天風呂、6つの貸し切り風呂から成っています。このうち、露天風呂と貸し切り風呂の各種類の特徴について、以下の通りです。
お風呂の種類・概要(一部)
露天風呂
- 瀧美の湯
- 伏見ヶ滝に隣接し、夜にはライトアップも楽しめる滝を望める露天風呂
- 古の湯
- 行基上人が発見したとされる東山温泉の源泉、その場所にある露天風呂
- 庄助酒風呂
- 古の湯に併設され、酒造メーカー「花春酒造」から譲り受けた日本酒麹釜を浴槽にした露天風呂
貸し切り風呂
星空の湯屋上にある貸し切り露天風呂で、晴れた日には満点の星空を眺められる月美の湯屋上にある美しいデザインの貸し切り露天風呂で、月と会津若松市街地の夜景を楽しめる
瀧の湯の入浴施設は、宿泊客なら清掃時間を除きいつでも何度でも利用可能です。また、日帰り入浴も受け入れていますが、利用可能時間は季節や状況により変わってきますので、事前に確認しましょう。
なお、瀧の湯には愛犬家に向けたペットプランもあります。抱っこできるサイズのわんちゃんであれば、一緒に泊まって部屋で夕食を摂ることも可能です。わんちゃんと一緒に泊まれる会津若松の温泉宿をお探しなら、おすすめですよ。
会津東山温泉 原瀧:地元民も愛するマイナスイオンの湯けむり癒し宿
「原瀧(はらたき)」は、東山温泉のなかでも珍しい、自家源泉保有の宿です。敷地内から湧出するお湯は古くから地域の人々に愛され、新東山温泉と呼ばれた大正年間頃から賑わいを見せていたと言います。原瀧の入浴施設は大浴場、露天風呂、貸し切り露天風呂の3種類あり、いずれも源泉かけ流しの温泉に入ることができます。
お風呂の種類・概要
- 露天風呂
- 川の風を受けながら、眼前と湯面にうつる木々や宿名の由来となった原瀧を眺められる
- 大浴場
- 非常に大勢入れることから、大正の頃より千人風呂とよばれていることにちなみ、大きな浴槽が設置された内湯
- 貸し切り露天風呂
- 家族やカップルで、プライベートな温泉入浴を楽しめる貸し切り露天風呂
- 滝見の湯、月見の湯、雪見の湯、星見の湯の4種類あり、いずれも原瀧や渓谷の景色を望める
上記入浴施設は宿泊客の他、日帰り利用でも入浴可能です。日帰りで楽しみたい場合は、当日に電話で利用可能時間を確認のうえ、以下の泉質・効能を楽しみましょう。
泉質・効能
- 泉質
- 硫酸塩泉
- 効能
- 動脈硬化症、切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、打ち身、くじき、慢性消化器病、痔、冷え、病後回復期、疲労回復、健康増進
なお露天風呂から見える景色は、原瀧とその周辺の自然風景。季節により色を新緑、深緑、紅葉、雪景色へと移り変わる会津の渓谷の自然を、温泉という特等席から楽しめます。また、景色だけでなく、水辺の爽やかな空気や匂い、瀧からのマイナスイオン効果が期待できるのも、原瀧の温泉の魅力です。
2020年7月には、原瀧と周辺の水辺の美しさを五感で感じてもらうため、清流・湯川のほとりに新しいお食事処「川どこ」もオープンしました。川どこは、湯川のほとりに設置したバルコニーの上に座席を置いた屋外レストラン。桜が咲く春から緑が深くなる夏、紅葉が楽しめる春~秋にかけてのみ営業し、訪れる人に川床限定の会席膳を提供します。
ちなみに宿泊客以外にも、2日前までに予約すれば食事のみの利用も可能になります。食事の内容は昼食か夕食か、また季節によっても変わってきますので、予約時に確認してください。
会津東山温泉 東山パークホテル新風月:歴史好きにオススメの宿!自家源泉掛け流しの露天風呂で疲労回復
最後に紹介するのは、自家源泉かけ流しの温泉入浴施設を有する「東山パークホテル新風月」です。お風呂は2面をガラス張りにし、景色と明るさを楽しめるように配慮した内湯の大浴場と、岩を配し広々と作られた露天風呂の2種類あります。
泉質・効能
東山パークホテル新風月の源泉の泉質・効能については、以下の通りです。
- 泉質
- 硫酸塩温泉
- 効能
- 健康増進、病後回復期、五十肩、冷え、関節のこわばり、関節痛、神経痛、筋肉痛、打ち身、くじき、慢性消化器病、痔、運動麻痺
食事は、夕食・昼食ともに和洋中あわせて50種類もの料理のなかから、好きなものを好きなだけ食べられるバイキング形式となっています。年齢や性別によらず、各々が自身の好みや体調に合ったものをおなかいっぱい食べられるのは、家族連れにはうれしいですね。
また、バイキングで出される料理の他に福島牛の陶板焼きや、蟹の食べ比べセットなどを別注文することも可能ですので、食べたいものがあれば事前に予約注文しておきましょう。なお東山パークホテル新風月周辺には、会津若松の歴史と自然の豊かさを感じられる以下のような観光スポットがあります。
周辺の観光スポットの例
自然にまつわるもの
- 大内宿
- 街道宿場町のひとつで、重要伝統建造物のかやぶき屋根の民家が立ち並ぶ風景が魅力
- 飯盛山
- 国の重要文化財指定を受けていて、幕末に白虎隊自刃の地となったことでも知られる
- 塔のへつり
- 南会津郡下郷町が誇る、独特の河食地形が魅力の景勝地。国の天然記念物に指定されている
歴史にまつわるもの
- 会津鶴ヶ城
- 日中はもちろん、夜にはライトアップした姿も楽しめる会津若松市のシンボル的建造物
- さざえ堂
- 二重になった螺旋階段が特徴的な、不思議な建物。飯盛山にあり、国の重要文化財
- 会津武家屋敷
- 城下町・会津にまつわる情報が詰まった、歴史感動ミュージアム。江戸時代にタイムスリップしたような気分を味わえる
- 会津藩校 日新館
- 会津藩士の学び舎として有名な観光スポットで、茶道や絵付け、座禅などさまざまな体験コースがある
おわりに:歴史深い町・会津には、温泉から自然美、グルメまで魅力いっぱい!
福島県の会津・会津若松地方は、幕末の動乱期に頻出することで知られる歴史ある土地です。このため会津藩ゆかりの城や藩校など、歴史にまつわる観光スポットを楽しめますが、他にも川や渓谷が作り出す自然美と温泉、グルメを楽しめる観光地でもあります。会津・会津若松に行くなら、本記事を参考にあなたの旅のスタイルにあった温泉宿を選んでください。
コメント