福島県の磐梯山(ばんだいさん)は、冬は多くのスキー客で、そして春から夏にかけては登山客でにぎわう人気レジャースポットです。
今回は、登山スポットとしての磐梯山の魅力を解説。一緒に語られることの多い「裏磐梯山」の特徴や、初心者におすすめの登山ルートなどと一緒に見ていきましょう。
冬はスキースポットの磐梯山も春~秋は登山にぴったり
磐梯山は福島県猪苗代町(いなわしろまち)、磐梯町、北塩原村にかけて広がる標高1,816mの活火山です。
作家で登山家の深田久弥が合いした名峰として知られ、日本百名山にも選出されています。
ただし、東北地方の他の山々と同じく、山中に山小屋がありません。
磐梯山登山に臨むなら、宿泊や休憩のできる小屋、トイレがないことは覚悟しておいてください。
表磐梯と裏磐梯の違いって?
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磐梯山は、南側と北側で景観や印象が大きく変わります。
このことから穏やかな景観の南側を「表磐梯」、荒々しい印象の北側を「裏磐梯」と呼び、区別するようになりました。
裏磐梯の景観を象徴するのが、錆びた銅のような水色をした銅沼(あかぬま)です。
銅沼がこのような色になるのは、沼底にある泥の鉄分含有量が多いため。このため、雪解けで水量が増し、沼底が見えにくくなる春にはエメラルドグリーンに見えます。
せっかく磐梯山に登るなら、磐梯山の表と裏、両方を楽しめる登山計画を立ててみましょう。
磐梯山の6つの登山ルートで初心者におすすめなのは?
磐梯山には、計6つの登山ルートがあります。
その難易度は地元小学校の課外授業先や登山初心者でも挑戦できる易しいものから、ベテラン登山者を満足させるものまでさまざま。
以下に、6つすべての磐梯山登山ルートの概要と特徴を、まとめてご初会します。
《1》 猪苗代登山口からのルート
- 所要時間
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- 上り…3時間30
- 下り…2時間30分
- 特徴
- スキー場のゲレンデから登り始めるコース
- 登山口周辺には、広い駐車場や温泉施設あり
- 眼下には、猪苗代湖のすばらしい景色が広がる
《2》 渋谷登山口からのルート
- 所要時間
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- 上り…3時間40分
- 下り…2時間50分
- 特徴
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- 樹林帯のなかを進んでいくコース
- うっそうとした木々の中を歩くため、森林浴の子かが期待できる
- 道中に高山植物の群生地もあるため、植物が好きな人におすすめ
《3》 川上登山口からのルート
- 所要時間
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- 上り…4時間
- 下り…2時間50分
- 特徴
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- 荘厳な樹林帯を抜け、秀峰を一気に登っていくコース
- 荒々しい火山口、土砂が堆積したガレ場あり
- 登山口周辺には温泉宿多数
《4》 裏磐梯登山口からのルート
- 所要時間
- 上り…3時間50分
- 下り…3時間
- 特徴
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- 裏磐梯側から、頂上に向けて上っていくコース
- 表磐梯では見られない、裏磐梯ならではの荒々しい様子を見られる
- 上りながら振り返ると、裏磐梯のカラフルな湖や沼が見渡せる
《5》 八方台登山口からのルート
- 所要時間
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- 上り…2時間15分
- 下り…1時間40分
- 特徴
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- たくさんの登山者が利用する、最もポピュラーなコース
- 全体を通して高低差が少ないため、難易度が低く、初診差hでも上りやすい
- 登山口には駐車場を完備
《6》 翁島登山口からのルート
- 所要時間
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- 上り…3時間30分
- 下り…2時間30分
- 特徴
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- 全体を通して、急勾配のガレ場を進んでいくコース
- 足場が悪く、きつい傾斜を上っていくので、体力のある人向き
- 眼下には会津盆地、天気が良ければ飯豊秀峰まで望むことができる
- 登山口付近に温泉施設多数あり
このうち、初心者におすすめなのは高低差が低く、上りやすい八方台登山口から頂上をめざすルートです。
過去の噴火の影響を受けていないブナの原生林、尾根伝いを歩くときに見えるパノラマの絶景、高山植物が作り出す花畑まで、表磐梯の魅力を満喫できますよ。
裏磐梯「五色沼」の絶景、表磐梯「猪苗代湖」も見逃せない!
磐梯山、特に裏磐梯を代表する人気スポットとして、五色沼(ごしきぬま)があります。
五色沼は磐梯山の裏側、その麓に点在する20~30もの沼や湖の総称。
各沼や湖の色彩が異なり、森の深い緑のなかで色鮮やかに輝いて見えることから「五色沼」と呼ばれるようになったと言われています。
このうち毘沙門沼、赤沼、みどろ沼、竜沼、弁天沼、青沼、柳沼の8つを巡るコースとして設定されているのが、全長3.6㎞の五色沼自然探勝路です。
起伏がなく、軽い散歩気分で五色沼散策を楽しめる五色沼自然探勝路は、磐梯山を訪れる登山客・観光客に人気のスポット。
スタート地点は、裏磐梯ビジターセンターまたは日原湖付近ですが、この両地点は路線バスで結ばれています。ゆっくり景観を楽しみながら歩いても1時間30分ほどで歩けるので、時間や体力の関係で登山が難しい人でも、気軽に楽しめます。
そしてもう一つ、磐梯山で人気のスポットと言えば猪苗代湖が挙げられます。
日本で4番目に大きな湖である猪苗代湖は、日本百景にも選出されている福島県のシンボル的存在。
風のない晴れた日には湖面に映る雄大な山々を、気温の下がる冬には、風にあおられた湖水が凍ってできる「しぶき氷」など、季節折々の神秘的な光景を見ることができます。
磐梯山登山なら周辺の温泉に立ち寄ってみよう
先述してきたように、活火山である磐梯山周辺には複数の温泉施設、温泉宿が軒を連ねています。
以下に、磐梯山周辺の温泉施設のうち磐梯山1合目にある押立(おったて)温泉、五色沼自然探勝路近くの猫魔(ねこま)温泉の2つをご紹介します。
あなたが選んだ登山ルートから、アクセスの良い方に行ってみてくださいね。
- 押立温泉
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- 安生年、西暦1856年に開湯した歴史ある温泉地
- 磐梯朝日国立公園内にあり、磐梯山の雄大な景色を眺めながら入浴できる
- 入浴利用できる施設は老舗の温泉旅館、民宿、国民宿舎の計3件
- お湯の色は透明。
- 猫魔温泉
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- 五色沼自然探勝路からすぐの地点にある温泉
- 鉄分豊富な茶色く濁った泉質で、天然の保湿成分と言われるメタケイ酸を豊富に含んでいるのが特徴
- 自然探勝路から徒歩で3分の「裏磐梯レイクリゾート」というホテルでは、日帰り入浴を受け付けている
おわりに:初心者には、八方台登山口から磐梯山に入るルートがおすすめ!
福島県の磐梯山は、日本百名山にも数えられる活火山。南側と北側でまったく別の顔を見せてくれます。穏やかで雄大な印象の南側・表磐梯に対して、裏磐梯と呼ばれる北側の磐梯山は火山らしい荒々しさが特徴です。
磐梯山には初級からベテラン向けまで、さまざまな難易度の登山ルートが設定されていますが、初心者におすすめなのは八方台登山口からのルート。周辺の猪苗代湖と五色沼周辺の散策、温泉と一緒に登山を楽しんでくださいね。
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